2020年春のセミナーを終えて
皆さんこんにちは。よこはま発達相談室の佐々木です。いつも記事をお読みいただき、また「スキ」「フォロー」「シェア」してくださっている皆様、ありがとうございます。
さて、今回は2020年5月29日〜5月31日に開催した「春のセミナー:自閉症スペクトラムの理解と支援」を終えて、改めて僕たちが伝えたかったことについて整理したいと思います。
例年同様のセミナーは開催しており、このセミナーでは、当相談室の医師・公認心理師・言語聴覚士の計6名のスタッフが担当し、自閉症とはという話から具体的な支援までお話をさせていただいております。今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、延期→Webセミナーでの開催とたくさんの変更があり、お申し込みくださっていた皆様にはご迷惑をおかけしてしまったのですが、それでも多くの皆さんにご参加いただきました。ご参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。
僕たちがこの3日間で伝えたかったこと
それぞれのスタッフが自分に割り当てられているテーマについて解説をさせていただいたので、もちろん内容もそれぞれです。でも、共通してお伝えさせていただいたことがあります。
本当の意味で特性を理解するとは?
現在はメディアの影響もあり、自閉症スペクトラム(ASD)という言葉を聞く機会も増えているように感じます。ですので、ASDはいわゆる三つ組(社会性、社会的コミュニケーション、社会的イマジネーション)の特徴を持っており、その他、感覚の問題等も併せ持つことが多いということは、おそらく多くの方がすでに知っている事実だろうと思います。つまり、多くの方はASDについての”知識”は持っているということです。ですが、”知識を持っていること”と”ASDの方を理解していること”は全く別であるということです。その点について、当相談の宇野先生は次のようにまとめています。
つまり、本当の理解とは、特性という視点から、適切な見立てをたて、その見立てに基づく支援をするということであるということです。したがって、ただ支援をすれば良いわけではなく、特性から考えて、根拠のある支援をするということが大切であるということです。ただし、実際の現場や生活場面では以下のようなことも少なくありません。
ただし、原因がわからないことと、原因がないことは意味合いが違うようにも思います。では、僕たちはどうすれば良いのかと考えたときには、やはり、行動の背景には特性が関係しており、特性から行動を理解するように努めることが重要であろうと思います。例えば、以下のスライドのような考え方です。
そのためには、それぞれの方を知る必要があります。それがいわゆる”アセスメント”になります。そして、そのアセスメントに基づいて、それぞれの方に合った支援をすることが重要です。アセスメントについては、また別の機会にお話をしたいと思います。
まとめ
繰り返しになりますが、僕たちが一貫して大切にしていることは、”その方の行動を特性から考え、仮説をたて、特性に基づいた支援をしていくこと、そしてこのプロセスを継続していく”ことです。そのためには、ASDの方やその支援の原則など、基本的な点の深い理解が何より重要だと思っていますし、そうした基本的なお話をこれからも共有していきたいと考えています。
また、構造化については、以前書かせていただいておりますので、ご関心のある方はそちらもご一読ください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
よこはま発達相談室 佐々木康栄
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