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「いつか起業する」と言い続ける人に足りないのは、巻き込み力よりも巻き込まれ力だと思う。

起業したいって人にちょくちょくお会いします。時にはけっこう具体的に相談されます。

とにかく起業したいんだと話をされたときも、アイデアだけ披露されたときも、私は基本的に「やってみましょうよ」としか言いません。(具体的な内容の相談は別)

「やってみましょうよ」

と言われても、ほとんどの人は「不安が」「人脈ができたら」「お金ができたら」と言って実際に起業することはありません。

あくまで私の感覚ですが、実際に起業するのは100人中5人いるかいないか。約5%の確率です。

巻き込むためにはちゃんと準備しなきゃいけないという呪縛

起業したいという人の中には、本当に起業したい人と、起業したいと言っている自分に酔っているだけの人がいると思っています。

自分に酔っている人は論外ですが、本当に起業したい人ほどしっかり準備をしなければいけないと思いこみ、なかなか行動にうつせないことが多いように感じます。

例えば、自分の協力者を集めるにしても、しっかりと資料をつくり、自分のビジョン、ミッションをしっかり整理して。なんて思ってしまっているわけです。

確かに整理できているにこしたことはないですが、整理できたものを出すよりも、一緒に整理していってくれる人と探すくらいの感覚でいいと思います。

巻き込めないなら巻き込まれれればいい

巻き込めなくても自分から巻き込まれに行ってみることはできるはずです。
イベントに参加してみる、今まで行ったことのない分野のコミュニティに顔を出してみる、誰かに誘われたらあまり気が向かなくてもとりあえず参加してみるなど。

大切なのはイベントに参加して終わりではなく、そこにいる人たちに自分の考えを少しでいいから話すこと。

周囲の人に「あの人はこんな人」とラベル付けをしてもらうことです。

できることならfacebookやTwitterでつながり、その後の自分の考えを発信していくのです。そうすることで、他の誰か何か考えたときに「この分野ならあの人に頼もう」と思ってもらうわけです。

私自身、今は自分の会社とは別に社団法人の理事もしていますが、きっかけは巻き込まれただけです。社団法人では障害やLGBTに関することを扱っていますが、もともと障害やLGBTに興味があったわけでも問題意識があったわけでもありません。

なので「何がきっかけで関わるようになったんですか?」と聞かれると、

「巻き込まれ事故です」

とこたえています。

事実、巻き込まれただけで気がづけば理事をやることになっています。

他にも、昨年はキャリア教育として高校大学で年間50件近く登壇しましたが、SNSでみかけたキャリア教育の講座に行ったのがきっかけです。
趣味のランニングではコーチをやったり、大規模マラソンで公認ペースメーカーをやったりとかなりレアな経験をさせてもらっていますが、もともとのきっかけは大学の陸上部の先輩から「最近走ってる?」というメールに即答で「そこそこ走ってます」と返信したからでした。

とりあえず便利な「都合のいい人」になってみるのもアリ

起業したい人が巻き込まれるのが苦手な場合「自分にしかできないことをやりたい」という気持ちが強すぎるのだと思います。

確かに自分にしかできないことで社会や周囲に貢献できれば充実感を得られますが、自分にしかできないことなんてそうそうありません。

自分にしかできないことをやりたいと思うあまり巻き込まれるのが苦手な方は、とりあえず誰かの「都合のいい人」になってみることをおすすめします。

都合のいい人になるのは一見非効率なことも多いですが、効率性を求めるのは巻き込む側になってからでも遅くはありません。

とりあえず相談される人、とりあえず愚痴聞いてくれる人、とりえあずなんとかしてくれる人。

そういう存在になれば自然と巻き込まれ力は磨かれていきます。

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