倒産する中小企業では何が起こっているのか?
起業するときは誰しも、成功や自由を夢見ているはず。
しかし10年後まで続く企業は、約1割という話があります。スタートアップ企業についてはもっと厳しく、10年後生存率は約6%とも言われています。
倒産する企業では何が起きているのでしょうか?
倒産企業で何が起こっているのか
東京商工リサーチでは、毎年春になると「倒産企業の財務データ分析」を公表しています。このレポートによると、倒産企業の約4割は前期比増収(売上が前期より多い)、約5割は黒字倒産となっています。
倒産する企業について、どのようなイメージを持っていましたか?
売上が減って赤字になり、お金がなくなって会社をたたむと思っていたのではないでしょうか?
実際には、売上を伸ばしながら倒産してしまう会社や、黒字なのに倒産してしまう会社が倒産企業の4割〜5割も存在するのです。
なぜ売上が増えているのに倒産するのか?
なぜ売上が増えているのに倒産するのでしょうか?
黒字なのに倒産するのでしょうか?
お金がなくなってしまったからです。
黒字倒産という言葉を、一度は聞いたことがあると思います。決算書の利益は資金の増加ではありません。
利益の発生タイミングと入金のタイミングは同じではないからです。
利益が出ているからと安心していると、資金が減ってしまい、倒産に追い込まれるのです。
特に気をつけなければならないのは、会社が成長するときです。
成長するためには先行投資が必要なので、売上が伸びるときには先にお金が出ていきます。ガソリンの残量を気にしながらアクセルを踏むように、資金残量を意識しながら先行投資をしないと、会社は潰れます。
大切なのは資金繰りの「予測」
ここで大切なのは、資金残量の「予測」が経営に不可欠だということです。
それができている中小企業はほとんどありません。
いくつか理由がありますが、大きな理由の一つは、経理体制を作っていないからです。
成長期においては、いかに売上を伸ばすかに集中しがちです。バックオフィスの計画的な構築に配慮できる経営者はほとんどいません。経理社員を採用しようとしても、最低限のことだけ整えようとするので、能力の高い人材が入社することはありません。
簡単な伝票処理を社員にやらせて、あとは税理士に丸投げ。
税理士の方も、月次試算表を作ろうとしないか、できたとしても2ヶ月先ということはザラです。
そもそも、税理士を選ぶときに、何を基準に選んでいますか?ほとんどの場合は価格です。創業当初は、固定費を抑えるために価格を抑えてもいいと思いますが、会社の規模が大きくなれば、安いだけの税理士事務所を使い続けるのは危険です。
ところが、美容院と同じで、税理士事務所は一度決めると変えるのがとても面倒です。
自社社員の能力も高くない、税理士事務所の強みも、サービスよりも低価格。
このような状況では、会社で今、何が起きているのか把握のしようがありません。現状が把握できなければ、将来予測も立てられません。
現在の天気図がわからない限り、天気予報ができないのと同じです。気圧の配置、雨雲の過去から現在までの動きが把握できるから、この先の天気の見通しが立つのです。
会社の成長に合わせてバックオフィスの体制を整える
これから生き残る中小企業になるためには、数字に基づいた経営を行う必要があります。
将来を予測して先手を打つのです。
そのために、現在の経営状況を正しく把握できる体制を整えなければなりまえん。
この5年で、会計ソフトウェアは大幅に進歩しています。これを積極的に活用して、経理体制の構築を支援してくれる税理士事務所が増えています。
レベルの高い税理士事務所でも、目が飛び出るような顧問料を取るわけではありません。年商1億までなら、月2〜3万円で質のよいサービスが受けられると思います。パート社員を雇う場合の人件費と比較してみてください。決して高い費用ではないはずです。
増収、黒字での突然死を迎える事態を避けられるかどうかは、真剣に数字を見て経営するかどうかにかかっています。右肩上がりに日本経済が成長していく時代はとうの昔に終わっています。生き残るためには、数字を見ながら経営戦略を立てることが不可欠です。
そのために数万円を惜しむのは、ナンセンスではないでしょうか?
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