「僕のとこからじゃないと、この虹は見えないよ」 って君は言うけど、そんなことはない あの人の腕の中だって、虹は見えた 君はよく「一緒に」とか、「大切だから」とか、「君のためを想って」 という枕詞で私を縛る 目には見えない言葉の鎖で私の身体を縛りつける 最近うまく呼吸ができなくなってきた 少しずつ君を体内に取り込んでしまっているからかもしれない 今日もまた「どこにも行かないよ。」と言ってしまった 君の一番の味方でいたかった 私も 君が「大切で」、「一緒に」生きていき
雨の音しか聞こえない夜に思い出したあの人や、 連想ゲームのように出てきたあの人を 大切にしなきゃいけない気がする。 雨の日に限って白いパンツが履きたかったり、 髪の毛がしっくりきたり、 乗るバスを間違えたり、 でもそんな日があるから たとえ今私が死んだとしても、 新しい法案は可決されるし、 オリンピックは金メダル取るし、 イケメンは結婚するんだよね。 私の人生の主人公は私でしかないけれど、 あの人の人生にとっては登場人物Cにも満たない、 ただの電柱役
天気雨は晴れ女の涙なのか、雨男の嘘の笑顔なのか。 お気に入りのジーンズの裾が濡れた。 この天気雨のせいだ。 あなたは女みたいな女の子が嫌いだといった。 だから今日わたしはジーンズを履いた。 なのにお気に入りのブルージーンズは夕立のような天気雨のせいで色が変わった。 それでもわたしは笑っていた。 あなたの隣にいるという事実が重要だったし、 あなたの真っ赤なスマホを震わすあの子よりは近くにいると実感できる。 いつも後ろ向きに置かれたスマホがまた震える。 わたし
直接的で第三者を匂わせずに 自分が悪いと言うのが前提で、 相手を傷つけないが相手の心に残る言葉 相手の過去だったり、 お互いの思い出を軽くかいつまむ たまにはいかにも蒸し返して、 軽く未来のことを挟んでみて 描く自分の理想像に足りないところを加えて、 そこで一度自己嫌悪を挟み、 私があなたでないといけなかった理由と、 あなたが私でなかったらいけない点を理解させ、 最後に残り香のような笑顔を見せる 私はあなたのことが好きで、 あなたも私のことが好きで、
人によって幸せの価値観は違う。空が綺麗なだけで幸せと感じる人もいれば、新しい命を目の当たりにしても、幸せを感じられない人もいる。幸せに答えはない。ただ一つ言えることは、幸せでもそうでなくても明日は必ず来る。 日替わりカレーライスセット600円(税込) 「600円でカレーにサラダにドリンクに、食後のデザートまでつくなんて、最高！んー、幸せだなぁ。」 君はすぐ、幸せという言葉を使う。僕は君のそういうところが好きで嫌いだ。嫌いは言いすぎたかもしれない。苦手くらいにしておこう。い
変なやつに出会ってしまった。不思議な初めての夜だった。人から求められることが通貨のこの世界で、求め合わない幸せを君は私に教えた。 深夜1時過ぎにフラッと入ったさびれかけたラブホテルのベッドの上で私は1人誰にも言えない思いを抱えながらなぜか泣きそうであった。 身体と身体を重ねることはなく、フレンチキスであなたは幸せそうにおやすみと言った。すっかり拍子抜けして自分のペースも自信も失った私は優しいあなたの気持ちを棘だらけのこころで寄り添って勝手に壊した。そう言う女なの。 女は大切
