見出し画像

雑記 48 伊豆山神社の黒猫 〈秋山眞人と行くミステリースポット巡り〉

ケーブルテレビの懸賞で、旅行が当たった。
今はJ:COMとか何とかお洒落な呼び方をするのだろうが、当初は、中野区でもケーブルが敷かれた場所しか見られず、何だか田舎臭い響きがしていた印象だ。

お年玉付き年賀はがきなど時期を過ぎれば使いようがない。思いついて、それを使って懸賞に応募した。懸賞応募など人生で何度目だった。

葉書を出してから、2ヶ月ほどして、自宅に電話がかかってきた。

「〇〇さんのお宅でよろしかったでしょうか?」

こういう切り出し方は大嫌いだ。確かめてダイヤルしてきたのではないか? 
よろしかったでしょうか、なんて、自問自答するな。
そういう電話には、あなた、調べて、かけてきたんじゃないの?と冷たく聞き返すことが、それまで2、3度あった。(今はもう諦めて、こういうことはしない。)
けれど、その時は、こちらが呼吸を整え、反撃の言葉を放つ前に、

「ケーブルテレビのミステリーチャンネルの懸賞が当たりました」

と言う。
懸賞って何だっけ?

自分でも応募していたことを忘れていた。
「秋山眞人と行くミステリースポット巡り」です。

ああ、お正月にそんな応募をしたような。。。記憶が戻ってきた。懸賞って当たることもあるのね。

内容もろくに読まず応募したので、詳しくは知らなかった。「秋山眞人」に会ってみたいな、という程度の興味だった。聞くと、旅行は1泊2日、熱海富士屋ホテルに宿泊、マイクロバスで、熱海伊豆のミステリースポットを「秋山眞人先生」のガイド付きで回る、と言うのでびっくりした。

UFOだの超能力だの、それほど興味があるわけでもなく、暇つぶしの話題にはいいくらいに考えていた。
それなのに、時々そういう話になるのは、もしかしたらUFOの方が私に用があるんじゃないか、と思う。
「UFO来ているんだけど、見る?」という知人のお誘いがあったのも、この少し前の話だった。
今では、UFOも多くの人が知るところとなり、比較的身近な物体だが、その当時は、UFOを見た、というだけで、「危険人物」として予期せず交友関係を断たれることもあり、覚悟が必要だった。

そして、ミステリースポット巡りでは、スポットをあちこち回り、夕方には熱海の海岸に出て、UFOを呼ぶ、という試みもなされた。
その時は、残念ながら、UFOは出現しなかった。

ミステリーと言うのはいろいろあるが、この旅行中UFO以上にミステリーだと思ったことがあった。

伊豆山神社に行き、参拝して、裏手の樹齢何百年の楠木に触ったりもしたが、神社の本殿に登っていく階段の途中に小さな祠があった。
皆は構わず階段を登って行ったが、秋山さんは立ち止まって、その祠に向かって手を合わせた。

その時、祠の後ろ側から、黒猫が現れた。
その黒猫の少し首を傾けた姿が、ミステリーチャンネルのロゴマークになっている黒猫と同じだった。黒猫はそのままの形で、じっとこちらを見ていた。

また、階段を登り始める前、青く晴れ渡った空を飛行機が音を立てて飛んで行った。ふり仰ぐと、飛行機雲が、途切れ途切れになっていて、カタカナの「ハ」に似た形がいくつも描かれていた。
飛行機のスピードは、それなりに早いので、いくらその場でエンジンを吹かしても(車じゃないからそんなことは無理かも知れない)一定距離は雲が繋がって帯になるはずだが、
空に、
ハ ハ ハ ハ ハ ハ

横に「ハ」という形に似た白雲が連なって残っていた。

↑夜の集まりで教えてもらったスプーン曲げ。イメージを持つだけでスプーンは柔らかくなって曲げられる。その後、たくさん曲げたが、当たり前のことだが、曲がったスプーンは使いにくい、という結論で、近年はやっていない。

何よりのミステリーは、懸賞に応募した葉書が当たったことかもしれない。そのようにふと思い立って池に石を投げ込んだようなことが、その後の私の人生の方向に大きく影響を与えることになった。

(旅行は、2006.3.19)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?