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【完売】大学でポエムを売った話

インターネットで生存確認できる知り合いの大学生がnote更新していたので、「そういえばわたしもやってたな」と思い書き始めました。

そういえば大学を退学したいと思っています。未だ教務に退学届もらいに行っていない(そもそも授業サボってる)ので、ほぼ口先だけですが。
そのきっかけになったのが次。タイトル通りポエムを売った話です。

佐賀大学美術館の前でポエム売り

7月某日。
佐賀大学美術館前、無断でポエムを売りました。
兼ねてより書き溜めていた詩を製本し、少しでも多くの知らない人に届くようにと決行しました。

Twitterで事前に告知していたこともあり、佐賀大学芸術地域デザイン学部内で自身のクローンを生成しているのではないかとウワサの活動家が一番初めにやってきてくれました。美術館前の階段に2人して座り込み、彼は当然のように販売を手伝ってくれました。道行く人々に「ポエムありまーす」と大声で呼び込みをしていました。特に授業と授業の間の10分間は起立して呼び込んでいました。「夏はポエム」「夏の水分補給、ポエム補給足りてますか~?」なんて言ってました。今思うと品がないなと反省しています。

特にクローン疑惑の彼の力は凄まじく、ちらほら通りを歩く人々がこちらへ笑いかけ「何をやっているんですか?課題ですか?」と聞いてきます。中には「ミクストメディア専攻ですか?」と聞いてくる人もいました。
いいえ、「完全に趣味で、日本画専攻です」。
やはり、芸術の名がつく学部を有する大学というだけあって、特異なことをする人はみな、課題か突飛な行為に追われていると思われがちです。わたしはただ純粋に自分のポエムを読んで欲しいだけなので、「面白い行為の加担」と思われると少し困ってしまいますが、ポエム読んでくれるならなんでもOKです。
用意した14部は13:15~15:00の間で全て売り切れてしまいました。およそ半分の人が浅かれ深かれ、彼の知り合いだったと思います。


ポエム売りで特に嬉しかったこと

  •  知り合いが購入してくれた

  • 見知らぬ人が興味を持ってくれた

  • 興味がなさそうな人も声掛けへ会釈してくれた

まず、知り合いが購入してくれたこと。
以前から作品を購入してくれる方が、おそらくこのポエム売だけのために大学へチャリかっ飛ばしてきてくださりました。しかも差し入れまでいただきました。本当に嬉しい…。
わたしは自分の作品に対して「見てくれた人がどう思うか」を最優先しているので、作品について語ることはほぼありません。この(便宜上)常連さんから、わたしの作品についての感想や意見を直接頂いたこともあまりありません。
だからこそ、信用出来るし、お互いに期待もかけないでいられるのかなと今はそう思っています。とまあこういうことをペラペラ喋るとお相手にも自分にも「言わぬが花」の美徳があることを、「言うこと」で証明しているようなものなのでここは一旦終了。

次に、見知らぬ人が興味を持ってくれたこと。
先述したように、クローン疑惑の彼が持つ人脈のせいかわたしの知らない人々が興味を持ってくれました。そうでない人でも、警備のおじちゃんや道行く2人組なんか。
私が作った詩集に興味を持っているというよりか、「ゲリラで大声出してポエムを売っている」という行為自体に興味を持っている感じがありましたが…。

しかし、それがきっかけでポエムを読んでくれるのであればなんでもOKです。「ポエム冷えてますよー」と偽りのセールストークをした甲斐があります。


最後に、興味が無い人も声掛けに対して会釈してくれた。
そういえば世には「ティッシュ配り」なる労働がある。その手の行為を今までやったことはありません。実際やって見ると大凡、会釈したり視線を向けてくれたり、言葉をかけてくれる人でした。大学構内だったので「学生がなにかやってる」と思われるとそういう意識になるのかな?企業のイベントや、大人数のグループという雰囲気よりも、みすぼらしい学生…という雰囲気でやっていたので反応があったのかも。とりあえずは認知されている気がして嬉しかったです。


そして最後の1冊になったところでかすみ草を持ったグラサンの兄ちゃんがやってきました。先程とは別の以前から購入希望をしてくれていた知り合いです。
わたしはすっかりそのことを忘れていたので、一目見た瞬間「あっぶねえー」と心の底から思いました。危機と安堵が同時やってくるってこういうことなのか?
この兄ちゃんがわたしの詩を読んでなんと思うかはわかりませんが、嬉しいし感謝しているということはお伝え出来ればと思います。

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お時間ある方はどうぞ。




ということで、大学を辞める話へ繋がります。この日、ポエムを売ったあと、作業中に大号泣することになりました。泣くという行為は重要ではなく、その後の経過や思考回路が自分にとって大きな問題でした。

わたしはポエムを売ったことで、燃え尽きた可能性があります。


正直、売ったあとは達成感や充足感よりも「課題の作業を進めなきゃ」という気持ちでいました。自分にとってかなり珍しい体験をしたはずなのに余韻に浸ることなく、次のなすべき事へ向かおうとしていました。わたしはそれが辛かった。
おそらく自分は大学に入りある程度、絵の展示やグループ展の手伝い、作品制作など一通りやりたいと思っていたことはやってしまっていました。そしてその最後にあったものが、「詩集を出して手売りすること」

それをやり終えたわたしは、急に大学にいる理由がないことに気づきます。向上心もなければ分野に対する探究心もない。
今やりたいことをあげるとするならば、ひっそりと何にも触れられないところで絵が描きたいということ。

この願いは大学という柔軟で活発、自主的で他と刺激し合う場所では到底叶いません。

と、今は考えています。大学辞めるのも続けるのも私の人生ですから、こんなところに綴る必要ないけれど、自分のために整理してみました。

この日以来授業は全部欠席して、家で泣きながらご飯とyoutubeと排泄と睡眠をする日々です。くら寿司行っても元気が出ず、家族の前ではずっと泣きわめいています。

売ったポエムの表紙

これがポエムを売った大学生の末路です。
得られたものは事実だけでした。このまま大学に居座り続けると精神状態保っていられないので休学か退学は視野にいれて生活します。その先のひそかな暮らしも思い描きながら生きようと思いまスシロー。

皆様もお体にお気をつけてお過ごしください。

(おわり)


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