【二次創作】やる気が出ない…同人誌が出せない…という人への処方箋3【お悩み解決:絵描き向け】

GW大型イベントも終わりました。
今現在、ちょうど一息ついてる人も多いのではないでしょうか。

「イベントだったのに新刊用意できなかった」
「オフ本の予定だったのにコピー本になってしまった」
「途中で体調悪くしちゃって何も出せなかった」

周りを見るに新刊が出せないという悩みは、なかなか減らないなと感じています。

このnoteでも「同人誌が発行できない悩み」に関しては過去2つ記事を出しています。

過去記事2つは、どちらかというと気持ちの持ち方、メンタル面に関しての内容でした。

<参考 過去記事2つ>
【二次創作】やる気が出ない…同人誌が出せない…という人への処方箋【お悩み解決:絵描き向け】
【二次創作】やる気が出ない…同人誌が出せない…という人への処方箋2【お悩み解決】

今回の記事は主に漫画同人誌を出すサークル向けに「具体的なテクニック」「具体的なスケジュール」に焦点を当て記事にしていきます。

原稿の進みが思うようにいかない…。
気持ちはやる気だったのになんでか本が出せない…。

こんな方は読んでみてください。


①フォーマットから決めていく


漫画同人誌を出す時、まず何から決めているでしょうか。

ネタ出しやプロットから骨組を作っていくでしょうか?
それとも表紙やタイトルから決めて中身を考えるタイプでしょうか?

もちろん何から想像してどう作っていくかは自由ですし、そこに個性も出るものです。

けれども「なかなか同人誌が出せない」悩みを抱えている方は、フォーマット、つまりページ数から決めてください。

ネタよりもデザインよりも、ページ数を一番に決めるのです。

「え…描きたいものが何も思い浮かばないのにいきなりページ数から?」と思われるかもしれませんが、そうです。
ネタはとりあえず後回しです。

カレンダーを見ましょう。

本を出したいイベントはいつですか?
その日に本を出すためには、印刷所の早割/通常入稿の締め切り日はいつになるでしょうか?調べてください。

締め切り日が解ったらカレンダーに丸をつけてください。
丸が付いた日は、あと何日なのかを数えてください。

それが残されてるあなたの時間です。
この時間/日程内で本を作ります。

過去に漫画同人誌を出したことのあるサークルならば、自分がだいたいプロット/ネームに何日かかるのか、表紙に何日かかるのか、本文1ページあたりにどの位の時間がかかるのか平均値が解るはずです。

おのずと「脱稿できる可能なページ数」が残されてる時間から判明するのではないでしょうか。


以下、具体例を出していきます。

8月6日が印刷所の締め切り日だったとしましょう。
「本を出そう」と決起した日が6月1日だったとします。

この間は66日です。
この66日を段階に分けてスケジューリングしていきます。

そして、必ず「3日以上を余力日/保険日を設ける」ことをしてください。

最初に全部の枠線とセリフ入れ(セリフの場所はおおまか、ふき出しは後で)、そして下描き、ペン入れ、ベタとトーン、最後に表紙を描く、という順番でスケジュールを組むとします。

全体スケジューリングとネタ出し/プロット/ネームは5日、全部の枠線とセリフ入れを1日、下描きは1日1ページ、ペン入れ1日2ページ、ベタトーンは1日4ページ強、表紙/裏表紙/中表紙/奥付は3日でできるものとします。

これを逆算したところ、漫画本文30ページ、中表紙/奥付含めて32ページ、表紙と裏表紙含めた全体が36ページの同人誌が発行可能です。

以下が詳細です。

・6/1~6/5…スケジューリングやネタ出し、プロット、ネーム(5日間)
・6/6…全部の枠線とセリフ入れ(1日)
・6/7~7/6…下描き1日1ページ(30日間)
・7/7~7/21…ペン入れ1日2ページ(15日間)
・7/22~7/28…ベタトーン1日4ページ強(7日間)
・7/29~7/31…表紙/裏表紙/中表紙/奥付(3日間)
・8/1~8/4…余力とする日(4日間)
・8/5…夜脱稿

7/6、7/21、7/28、7/31にもカレンダーに丸をつけてください。
これは「途中経過点の締め切り」になります。

66日で脱稿できる36ページの同人誌、こんな感じのスケジュールになるはずです。

背景は人物が全部できてから最後に入れていくという人もいるでしょうし、ベタはペン入れと同時進行するという人もいるでしょう。

「そんなに早く下描きもペン入れもできないよ…」という人もいるでしょう。

自分のペースを考慮してスケジュールを組んでください。
2日で1ページの下描きでもかまいません。
もちろんその場合は全体のページ数を減らすことが必要です。

「描きたいコマから描きたいんだけど、こんなきっちりスケジュール組んだら最初っから順番通りに描かなきゃいけないの?なんかやだな」と思った人もいると思います。

その場合「下描き1日1ページと決めてるなら、通算1ページになるような下描きを1日で終わらせる」ようにするべきです。
「22ページ目の見せゴマを2コマ、10ぺージ目の日常シーンを3コマ、だいたいこれ足すと1ページ分かな」こんな感じです。

その辺りは自分でスケジュールをアレンジしていきましょう。

絶対にしておいて欲しいのは、最初に必ず全体のスケジュールを組むこと。

そして、66日間の中でも細かい自分だけの締め切りを段階的に作るのです。
「途中経過点の締め切り」です。

上の例でいうなら、下描き締め切りは7/6、ペン入れ締め切りは7/21が締め切りになります。
もっと細かく言えば、6/7の締め切りは1ページ分の下描き、等です。

人間は簡単なことでもクリアすると頭にドーパミンが出る生き物らしいです。
毎日「今日1日分の締め切り1日1枚クリアしたぞ」「下描き全部予定通りにクリアしたぞ」と思うと、脳に快楽物質が出ます。
ドーパミンが出だすと後半になるにつれノルマをこなすのが苦痛ではなく快楽になってくるはずです。

そして、最低3日以上の「余力日」はどんな作画順序の人だったとしても絶対に入れた方がいいと個人的に考えています。

想定外の体調不良や仕事での残業、家の急用があればそこで補填できるはずです。(それ以上の緊急事態、急な解雇や冠婚葬祭が入ればさすがに修復はできませんが)

勿論「余力日があるから今夜はちょっとサボっても大丈夫」とは途中で思わないことです。
何のための余力日、保険なのかわからなくなります。

あくまでもこの例であれば、作業を終わらせるのは7月31日の夜と考え、余力日は体調の回復や誤字脱字がないかの見直し日、他サークルのいいねチェックやRT、遠征するならホテル宿泊や交通の確認日としましょう。

「夏休みの宿題とか…最後まで終わらなくて困ったタイプなんだよね…こんなんできるかな…」と思った人も大丈夫です。
私YAYAも終わらせられなくて泣いたタイプです。

学校の勉強と同人誌の作業は似ていて非なるもの。

同人誌の完成は、わかりやすい快楽(収益や自己肯定感、達成感、萌えの共有、画力/文章力のアップ)をわりとすぐ体感できるため、学生時代の宿題とは感覚が違うのです。

繰り返しになりますが、コツは「細かい自分だけの締め切りを段階的に作る」ことです。

自分で決めた1日分の作業工程が終わった時の「今日の分終わったぞー!」という快感は、毎日繰り返していくたび確実に癖になります。


②話が長くなりそうな時の対処法


下描きやペン入れをしていて「このシーンを追加で入れたくなった」と思うこと、同人誌を複数回発行していたら1度や2度ははあることでしょう。

そうなった時「ネームを途中追加し、ページ数を増やさねばならない」とほとんどの人は思いがちです。

私YAYAはそれこそ避けるべき判断であると考えます。

もちろん「どうしてもこのシーン入れないと話のつじつま合わなくなる」「このシーンがあることにより深みが増す」と作業途中で思うことはあります。
そういう本当に重要なシーンは勿論入れてしまって良いと考えます。

ただし、その場合は他にいらない部分が存在するはず。
そこを削ってください。

最初に決めたページ数を厳守するのです。

コマを詰めてしまってもかまいません。
なんならそこまで重要ではない場面は、セリフや文章だけのコマを(ハンターハンターの様に)2~3個作ってそれで乗り切ってしまってもいいです。

最初に決めたページ数を厳守。
スケジュールを厳守。

これなのです。

本が間に合いそうにない…困った…という状況になるのは、2つの場合しかありません。

1、作業ペースが予定していたより落ちている
体調不良や仕事が激務になった、作業をサボさぼった、予期せぬトラブルを抱えてしまった時などがこれです。

2、発行予定の本のフォーマット(ページ数)を途中で改変している
予定していた間に合うはずの本のボリュームを、途中で増やそうとする。

1の場合は不可抗力なこともあります。突然の交通事故等はもうどうしようもありません。

2の場合は100%自分でコントロールできることです。

「もっといい話にしたいからこのシーンを付け加えたい」
「途中で思いついちゃったんだから付け加えても良くない?その方が萌えない?」
そうスケジュールの途中で思ってしまうこと、あると思うのです。

けれども、初志貫徹。
最初に決めたフォーマットを守るべきと考えます。

理由としては、もっといい話にしたいからを言い訳に「ページ数増えちゃったから今回間に合わなくてもしょうがないよね~」という自己擁護に入るからです。

むしろ間に合わない言い訳にわざとページ数を増そうとする心理すら芽生えてるかもしれません。

間に合うならまだしも、完成度のハードルを自ら途中で引き上げ、その結果同人誌発行に至らない…これは本当によくありません。

この「自己弁護のためにページ数を増やしたり、描きたいシーンを増やし、間に合わないことにする」タイプは多いと感じます。

もしかしたら、このタイプの人は完成させることが恐いのかもしれません。
「未完なら、本を出さなければ、私のこと上手い絵描く人だと周りは思ってくれるかもしれないし…」こんな邪な思いはないでしょうか。

このメンタル部分に関しては私YAYAからは何もアドバイスができません。
(過去記事2つの中に改善策が含まれてる箇所はありますが、完全ではないでしょう)

あくまでもこのnoteは「同人活動をして副業をしよう」という趣旨なので「とにかく本出して萌えを共有しつつ貯金もするぞ」という人のために書いています。
「私のこと、もっと周りの皆、好きになってよ…」という気持ちには残念ながら寄り添うことができません。

極論ですが、どんなにメンタルダウンしてもスケジュール絶対厳守で手を動かし続ければ漫画の同人誌は出ます。

小説同人誌はメンタル問題で文字がなかなか思い浮かばないことは多々ありますが、漫画同人誌の場合ネームまで終わればあとは筋トレと一緒なのです。
手を動かし続ければ原稿は終わります。

この「毎日手を動かし続ける、1日1日のノルマ達成をしていく」ことを日課にしましょう。

「なんかこの話面白くないかも…」
「私みんなより絵が下手なこと今更実感しちゃった、本出すの恥ずかしい」
原稿中、誰しもが思います。
壁大手であろうが、島中サークルであろうが、原稿中はマイナスな気持ちに傾きがちになります。

その後ろ向きな気持ちはとりあえず横に置いておいてください。

脱稿してから悩みましょう。

「あ、ここなんか絵が変だったな」
「次に本出す時はこんな場面だったらページが切り替わるようにしよう」
本を出し終わってからでないと、わからないこともあります。

モニタ越しに見る自分の絵と、印刷されて本になった自分の絵は、不思議なことに違う見え方をします。
その感覚も回数をこなさないと解ってきません。

とにかく同人誌を完成させてください。
1冊完成させられると、身体が感覚を覚えてくるのか次の本はそこまで辛くなく脱稿することができます。

何事も慣れです。
自分の気持ちと身体を、同人原稿作業に慣らしていきましょう。

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いかがだったでしょうか。

「ぺージ数厳守したんだ。体調管理もしたんだ。それでもなんでか駄目なんだよ」
「むしろ途中でページ数を減らしてるんだけど…自分は本出せてない…」

こういった困ったさんがもしいましたら、以下有料になりますが最後のダメ押しテクニックを5つ記載します。

気になった方は読んでみて下さい。
そして困ったさんの人達、頑張ってください。ひとりじゃないです。


③(以下有料)それでも「絶対に」出す方法5つ


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