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いざ!社会復帰

 うつ病から脱出する時、その状態を、時間を横軸とした折れ線グラフにすると、アップダウンはあるものの右肩上がりである話を書きました。(こちら
 今回はその続きです。
 右肩上がりに上がってきて、その先には、社会復帰が目標になってきます。社会復帰というのは、仕事があるかないかは別ですので、どなたにも発生する「次の目標」です。
 自分の「社会」がどういう規模や範囲なのか。

 例えば家族という社会があります。
 本来はこの最小単位の社会で、慣らし運転をしたい。そうはいかない家族が、意外に沢山あるのも知ってはいますが、これを機にそう出来るようになるのがいいとも思います。ここはかなり個別案件になります。
 ですので、今回はこの家族という特殊な社会の慣らし運転は飛ばしまして、「いわゆる社会復帰」について。そう。
「復職」です。

「仕事に行かなくちゃ、と思ってるうちは、まだ全然治ってないから」

 まず、私自身が主治医に言われて衝撃だったのが、これです。「普通の人」は働きたくないもんだよ、と。今なら「先生も?」と尋ねて2人でニヤニヤするなどするんでしょうけど、この時は鬱で頭の回転が10%ぐらいに落ちているので、
「そうなのか!ガーーーーン!!」
ってなったのでした。
 このセリフは、人事部在籍期間に何度もパクらせてもらいました。生活費を稼ぐためもありますが(それに関しては実際は、傷病手当が出るのでそれほど気にせずとも良いのです、ほんとは)、多分それ以上に、仕事にアイデンティティを見出している人が多いのじゃないかと思います。働いている私、職場の私が一番エネルギッシュである意味キラキラしている、ような気がしている。辛くても頑張っていたり、困難に立ち向かってクリアしたり、というような、褒められるシチュエーションは職場に落ちていやすいですし。
 ですので、このポイントには2つの重要なクリアすべきハードルがあります。
 1つ目は、早く仕事に復帰しなきゃ迷惑になる、という考えを捨てること。
 2つ目は、仕事以外に興味を持てるモノゴトを見つけること。
 病気療養中なのだから、ゆったりした気持ちで、仕事以外の何かを楽しめるくらいに体とこころが復活するまでは休むべきです。でないと、激流に棹一本で踏み込むようなものです。
 特に、鬱病の場合は「何かを楽しめる」ということが復調の目印でもありますので、大事なハードルだと思います。ただし、楽しみすぎて休憩や睡眠が減ると悪化しますので、気をつけなくてはいけません。

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薬剤師で薬膳師であり、鬱で入院経験のあるやわるしす塾長が、経験を織り交ぜつつ、薬膳に限らずこころのケアをご紹介します。 一括料金です。月が…

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