見出し画像

薬膳麻婆豆腐

 薬膳と敢えてつけていますが、生薬っぽいものは使っていません。ご安心を。昔々四川料理屋さんでバイトしていた時に教えてもらったものをご家庭でも作りやすいようにして書いてみます。
 バイトしていた頃はまだ薬膳を学んでなかったのですが、その後、基礎理論が分かってくると、麻婆豆腐は肺を元気にする薬膳だなと気付いたんです。そのチカラについては最後に書くとして、まずはレシピから。2人前だと思いますが、私は1人で食べてしまう時も。

①深めのフライパンや中華鍋など、焦げ付かない系のお鍋に油を入れます。少し多めにすると仕上がりがこってりして美味しい。そこに、すりおろし生姜1かけ分と、豆板醤スプーンの先にちょいっとを入れ、弱火で香りを出します。ニンニクは1/2~1かけ、入れるならここで一緒に。

麻婆豆腐 (1)

麻婆豆腐 (2)

ほぐしたところ。いい香りがむわーっとしてきます。
豆鼓20粒くらいを刻んでおきます。豆鼓醤の方がスーパーでよく見かけますが、醬だと全体に混ざってしまって味がのっぺりするので、豆鼓を刻んでアクセントにする方が好きです。大徳寺納豆みたいな見た目。
 タレも作っておきます。豆100%赤味噌大さじ2砂糖小さじ2みりん大さじ1を入れ、練ります。ペースト状になったら、醤油小さじ2を入れて伸ばします。四川風のは豆100%の赤味噌を使います。でも、愛知以外だと手に入りにくいと思いますので、お醤油だけでもいいと思います。お醤油の場合は砂糖を少な目にして味醂も少なくします。
 片栗粉大さじ1くらいを倍量の水に懸濁しておきます。容器の底にたまるので、一先ずおいておきます。

画像8


③次の写真、見づらいですが、豚肉80gくらいに塩を揉み込み、焼き付けます。豚肉は、普通のミンチだと出汁になり軽く、粗びきだと具材として食感が楽しめます。ボリュームが欲しい時は、切り落としなどで。少し焦げるくらいがうまみになります。
④そこに、1.5センチくらいにカットした豆腐1丁を入れます。絹ごしだと食感が滑らかで高級感出ますが崩れやすいです。木綿は好みが分かれます。うちではソフト豆腐というのを使っています。
  お豆腐が崩れないように軽く混ぜ、少し表面が焼けて締まるイメージです。

麻婆豆腐 (3)

⑤豆鼓とネギ小口切り1/2本分を投入。再度軽く混ぜ、香りを全体に馴染ませます。

麻婆豆腐 (9)

⑥水を入れ、鶏がらスープの素を。表示より少な目で大丈夫です。豆鼓や豚からも出汁が出ます。タレも入れ、豆腐に火を通します。火が通ってからしばらく煮たら、水溶き片栗粉を再度懸濁し少しずつ入れていきます。この時、鍋を水平に回しながらすると、ダマができにくいです。へらを使って混ぜると豆腐が崩れます。崩れた豆腐はタレが絡みやすくて、それはそれで美味しいです。
 片栗粉がとろっとしてきてから、まだ鍋を回しながらしばらく加熱します。片栗粉がカラメル化してくるので、そこまで我慢できたらします。香ばしさが加わりプロっぽくなります。

麻婆豆腐 (7)

⑦皿に移して、花椒をかけます。粉のタイプもありますが、粒を自分で挽けるのがあればより良いです。麻婆の麻は痺れるという意味もあり、花椒がこれにあたるとも言われます。
 豆板醬の唐辛子の辛味と、花椒の痺れの組み合わせを楽しんでください。

麻婆豆腐 (11)

 と言うわけで、肺の薬膳の蘊蓄いきます。
 ※肺の基礎知識はこちら「肺について

 まず、肺の働き「宣発粛降」。これは、取り込んだ気を全身に散布する働きで、気の巡りの要の一つでもあります。この働きを保つためには、肺の元気を補ったり、宣肺というチカラを持つものを使います。ですが、食材では宣肺のチカラを持つものがあまりありません。芥子菜くらい。なので、辛味や発散のチカラを持つものを上手に使います。
 ここで豆板醤や生姜、ニンニク、などの辛味が生きてくるわけです。
 でも、宣発機能を高める時、辛味や発散を使うとどうしても乾燥しやすくなります。肺は乾燥をとても嫌う臓です。潤いを与えたい。
 そこで、お豆腐の登場。帰経は脾胃大腸で、肺には入らないのですが、生津潤燥の食材です。香辛料で乾燥した分、お豆腐で潤す。このバランスが絶妙なところが、あなたにとって美味しい麻婆豆腐の味になります。レシピ通りだけでなく、色々試してみてくださいね。



ほとんどの記事を無料公開しています。 なので、「新しい記事待ってるよ!」「頑張れ!」「おもしろかったよ」など思っていただけたら、ご支援いただけますと嬉しいです。 100円から可能です。お気軽にどうぞ。