双極性障害と薬膳②私の場合

 初めてうつ対策に薬膳を使おうと思ったときは、実は「そわそわタイプ」の対策でした。入院中も、そわそわすることが多かった。そして、そわそわしてくると、止せばいいのに「何故そわそわしているのだろう?」と考え始めてしまうのでした。そして、人間なんていろいろ経験してきてますから、たくさんのそわそわの原因を見つけ出してしまうんですよね。そして、「ああ。私はダメな人間だ」と着地する。そして目がはれるほど、ほっぺたがかぶれるほど、泣く。入院中はそれで何度も看護士さんにお世話になりました。
 ある日、「理由があってそわそわしているのではない。脳内の何かのせいでそわそわを感じるだけだ。」と気づき、理由を考えないようにしたら泣かずに済むようになりました。看護士さんに「そわそわしてきた~。」とすぐに伝えて、その時用の薬を出してもらって飲んで、ベッドで横になっていればそのうち眠りに落ちる。そして目が覚めたらそわそわは消えている。
 その経験から、「スルーする」という攻略法を編み出しました。
 「スルーする」という能力はとても大事なものだと痛感しています。何事にも真っ向勝負、という生き方もありますが、全てを全力で受け止めることだけがいいことだとは、今は思いません。自分にとって大事なもの・ことを、大事な時に全力で受け止められるように、スルーすればいいことを見極めることからはじめてみませんか。いざという時に、別件で手を取られていて、大事な何かを見逃してしまう事の方が辛いですよね。
 それから、病状が少しずつ回復してくるにつれ、そわそわして泣くに至っても、「また涙出てきちゃった~」と笑えるようになりました。それから本を読めるようになってきて、禅や薬膳の勉強を再開したのでした。その当時の社長がお見舞いに来てくれて、治ったらまた薬膳セミナーの仕事もするかと訊いてくれたことも、後押しになったのかもしれません。
 そして、あの時に使っていた薬は、今は処方が出来なくなっている。
ということで、食材や漢方薬で対応するしかない状況になりました。似たような症状になった方にも、ここで紹介した食材や漢方薬をお伝えして、感謝してもらったことも一度や二度ではありません。勉強を続けておいてよかったと思います。

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薬剤師で薬膳師であり、鬱で入院経験のあるやわるしす塾長が、経験を織り交ぜつつ、薬膳に限らずこころのケアをご紹介します。 一括料金です。月が…

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