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第2回ウェルビーイングアワードにて、GOLDを受賞

2020年7月にスタートした、富士通グループをやわらかく、面白くする取り組みが、第2回ウェルビーイングアワード(組織・チーム部門)にてGOLDを受賞しました。

本noteでは、3月13日に東京都中央区の「東京ミッドタウン八重洲」にて行われた決勝プレゼンの内容をお伝えします。

当日は、4分間という時間制限や、会場の規模と来場者数に圧倒され、伝えたいことを飛ばしてしまった箇所もありましたので、追加や補足をしております。

まずはこちらのスライドをご覧ください。

2020年に行われた社内イベントのアンケート結果をまとめたものです。

(会場にいらっしゃる)皆さんの会社は大丈夫だと思いますが、当時は、富士通のカルチャーについて、このように感じている社員が少なくありませんでした。

富士通はホワイト企業だと思いますが、いつの間にか少しカチコチになっていたようです。

このような背景のなか、2020年から、デジタル・トランスフォーメーションの取り組みが全社規模でスタートしました。

その中でもカルチャー変革は、特に重要な要素となっています。

そこで私たちデザイナーは、自社の課題と社員の潜在ニーズを踏まえ、「頭と組織をやわらかくする」という共通テーマを導きました。

<補足>
この辺りの背景については、プレゼン時間の都合でシンプルにしております。詳細については書籍『社内SNSを活用して企業文化を変える やわらかデザイン』をご覧ください。

そして誕生したのが、学習と実践コミュニティ「やわらかデザイン脳になろう!」です。社内では「やわデザ」の愛称で呼ばれています。

<補足>
活動スタート時は、「やわらかデザイン脳になろう!明日のシゴトが楽しみになる初めの一歩」でした。現在の社内SNSではシンプルに「やわらかデザイン」となっています。
カバー画像は、現在も社員の顔写真を並べたものを使っていますが、活動スタート時はデザイナーが作成したイラスト画像を使っていました。
対話型イベントの最後にキャプチャした記念写真がたくさん溜まったタイミングで、カバー画像を差し替えました。
アイコン画像は、以前は「やわデザ」ロゴでしたが今は書籍のデザインに合わせています。

本取り組みは、社員一人ひとりのウェルビーイングを大切にしながら、社員の主体的な行動チャレンジを引き出すユニークな仕組みを、さまざまなデジタルツールを活用して実現しています。

<補足>
活動をスタートした時点では、「ウェルビーイング」というキーワードを使っていませんでしたが、ウェルビーイングな状態を目指した取り組みでした。
特に、コロナ禍で富士通グループから失われてしまった「対話の場」をなんとか(オンラインで)取り戻したいと考えていました。

現在、コミュニティに参加する社員の数は3000名を超え、全国各地、様々な部署から、多様な立場の社員が参加する取り組みとなっています。

ここに至る過程では、たくさんの試行錯誤がありました。本日は、主要な取り組みを2つご紹介します。

まず最初に、組織を越えて集まった社員同士の間に(オンラインでも)顔が見える関係をつくるために、たくさんの対話型イベントを企画・実施しました。

その中の一つが「やわらかセッション」です。

これは、課題を持った社員と、関心のある社員をサクッとつなげて、2時間のオンライン・ディスカッションを行うものです。自社の課題だけでなく、お客様の課題や社会課題まで幅広く行われました。

<補足>
昨年は、国境を越えた社員間でも「やわらかセッション」が行われました(もちろん英語です)。

次に、イベントでつながった多様な社員が気軽に交流したり、相談できる場を目指して始めたのが、富士通グループを横断する大規模なチャットグループです。

誰もが出入り自由となっており、何でもOKの雑談チャットが4つの他に、AIや英語学習など社員の関心が高いテーマ別のチャットがいくつかあります。
雑談だけでなく、どこよりもスピーディーな問題解決の場としても活用されています。

<補足>
Teamsのチャットグループは仕様上、250人が上限となっていますが、ある時、Teams会議のチャット機能を活用することで、250人の壁を越えることができると気づいた社員がいました。最近誕生したテーマ別の「やわらかチャット」では、Teams会議のチャット機能を活用しています(笑)。
例:「やわらかAIチャット」が548名(2024年3月現在)

本取り組みの成果はいろいろありますが、一言でいうと、組織を越えてつながった多様な社員が、共感と信頼でコラボレーションすることが当たり前になったという事実につきます。

<補足>
現在、富士通グループの社内SNS上には、大小合わせて1万を越えるコミュニティが存在しているそうです。従って、この話は「やわデザ」コミュニティに閉じた話ではなく、社内SNS全体に広がっていると言えるでしょう。
このような状況になると、社内インフルエンサーと呼ばれるような社員が自然発生的に生まれ、社内に広めたい情報をインフルエンサーにお願いするといったことが日常になっています。社会では当たり前の現象が、企業内でも起こっているのです。
さらに、クラウドソーシングの社内版、クラウドファンディングの社内版のようなものも誕生し、進化し始めています。

その証拠がこちらの書籍の出版でした。

出版に協力したいメンバーを募集したところ、約160人の社員が集まりました。「やわらか出版チャット」を開設して、その中で意見交換しながら、みんなで一冊の本を完成させることができました(しかもたった80日で!)。

<補足>
「やわらか出版チャット」の開設から原稿完成までの様子を約2minの動画にまとめ、以下のnoteで公開しています。

1つの目標に向かって、所属や立場を越えた多様な社員がコラボレーションする、この新しいカルチャーこそが、富士通グループの未来を切り拓いていくと信じています。

最後に、コミュニティメンバーに、ウェルビーイングなポイントについて聞いてみました。

短期間にも関わらず、約80件の回答を得ることができました。

<補足>
プレゼン資料準備の都合もあり、反応が早そうな「やわらかチャット」参加メンバーに回答をお願いしました。約800名くらい参加していると思われるので、回答率は約10%です。
ちなみに、スライドの背景は回答頂いたコメントを縦スクロールの動画に編集して流しています。

それらの声を、流行りの生成AIを使って分析したところ、5つの要素に集約できました。

・心理的安全性
・多様性の尊重
・コミュニティのつながり
・自主性と選択の自由
・オンラインツールの活用

本コミュニティにおける、このようなウェルビーイングな要素が、自社のデジタル・トランスフォーメーションやカルチャー変革に貢献しています

ご清聴ありがとうございました!

以下は、幻となったグランプリ受賞コメントです。

本日は、このような栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。
コミュニティメンバーを代表して、心より感謝申し上げます。

今回の受賞は、10年以上も前から富士通グループの各部署で行われていた組織横断の取り組みが、コロナ禍でのリモートワークシフト、社内SNSというテクノロジーの導入、フジトラ(DX)活動によって、タイミングよくオンラインで花開いた結果だと考えております。

これまで私たちの活動を支えてくださった全ての皆様にお礼申し上げます。

富士通グループは、国内だけで約8万人もいる会社です。ウェルビーイングな企業かと言われると、違和感を感じる社員もまだまだたくさんいると思います。

しかしながら、今回受賞したような、富士通グループをやわらかく面白くする活動は、「やわデザ」に限らず、この数年で爆発的に増えました。社員一人ひとりの行動が変わることによって、ウェルビーイングな企業になりつつあることは間違いないと信じています。
今回の受賞によって、それが加速することを心より願っています。

そして、私たちの取り組みが、他の企業や組織の参考となり、社会全体におけるウェルビーイングの実現に貢献できれば幸いです。

最後に、この受賞にあたり、ご尽力いただきました皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

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