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ポスト・コロナ|経済再開、コロナ後の世界を考える

3月から始めた隔離生活も、ついに2ヶ月半が経過しました。最前線で働いている医療関係者や患者さんのことを思うと、自分の隔離生活なんてつらいどころか贅沢なことのように感じてしまう…。けれども、ここ数日は数時間にわたり、救急車のサイレンが鳴り響く日もあり、精神的につらいときもありますが、なんとか無事に過ごせています。

私の住んでいる地域では、4月7日に緊急事態宣言が出され、5月31日まで継続されることが決まりました。この約1ヶ月間、医療崩壊は防げているように思える反面、コロナの検査数は全く増えず、発熱したり具合が悪くなっても検査できない、という問題は全く解決していないようにも思います。

緊急事態宣言が出されてから数週間、静まりかえっていた街も、徐々に経済再開へ向けて動きだそうとしていますが、私はPCR検査数を増やして、感染者を正確に把握出来ない中での経済再開は準備不足な気がしてなりません。

感染者数が世界の中でも爆発的に増えたホットスポット、ニューヨーク州では、州知事のクオモが毎日記者会見を開き日々情報をアップデートしています。昨日の会見では、CVS(アメリカ最大手のドラッグストア)の60店舗で検体を採取することが出来るようになった、とアナウンスがありました。ニューヨーク州では現在、700箇所以上で検体の採取が可能で、検査数をとにかく増やし、より正確な感染者数を把握しようとトライしています。

日本でも経済再開へ向けて様々な案が出されていますが、感染拡大を抑制しながら経済再開を目指すニューヨーク州は、職種別にフェーズを4つに分けた経済再開プランを発表しています。最前線で働く医師やナース達を最優先で検査するだけでなく、フェーズ1(建設業、農業、製造業など)で経済再開する人達が優先的に検査できることも、昨日アナウンスされました。つまり、無感染者であることを確認してから経済の前線に送り出すことで、再び感染拡大するリスクを最小限に抑え込もうとしています。

アメリカでは既に30歳以下の770万人が失業し、300万の人たちが就業出来なくなっています。これは第二次世界大戦以降、最も高い失業率で、アメリカのリーダー達は、何とか解決しようと様々な案を模索中。失業者問題は既に世界規模になっていますが、日本は把握できているだけで、7700人がコロナにより失業しています。

コロナによる失業や経済再開案については、毎日追いきれないほどのニュースがありますが、昨日読んだ「The New York Times」の「770万人の若者が失業。私たちには新しい’Tree Army’が必要だ」という記事にとても共感しました。

1933年アメリカ。ルーズベルト大統領は若い世代の失業に直面していました。彼は失業中の若者の雇用を生み出すべく、林業や土壌保全を目的としたプロジェクト「市民保全部隊」通称C.C.Cを設立。1943年までに340万人が参加し、ルーズベルトの’Tree Army’は30億本の木を植え、野生動物の保護区や公園を作り、何千キロもの道路を舗装しました。

アメリカは現在、8000万エーカーもの広大な国立公園に修復が必要で、危機にさらされている12000種類以上の野生動物や魚、植物が保護を必要としています。

つまり、タイムズのこの記事は、国が現代版C.C.Cを創り、雇用を生み出すべきではないか?と訴えていて、そこがとても共感できるポイントでした。

日本で特別給付金の支給が決まったように、アメリカでも日本円で約11万の支給が始まっていますが、いくらお金を配ったところで「経済」特にレストランなどのサービス業や様々なリテール業がパンデミック前のように戻るのは、その性質上かなり難しいのではないか、と思います。ソーシャルディスタンスをして、とりあえず経済再開という一時的な解決策ではなく、長期的に解決するには新しい仕事を作るべきで、そうすることで、いつ失業するか分からないという心理的負担からも解放されるのではないでしょうか。

コロナ・パンデミックが始まって以来、衝撃的につらいニュースが多い中、破壊されていたオゾン層が信じられないスピードで回復していたり、世界の空気が綺麗になり30年ぶりにインドからヒマラヤが見えた記事を読みました。2050年には世界規模の食糧不足が起きる警告が毎年強くなり、毎年暑くなる夏や、信じられない豪雨を経験する度に、環境破壊は深刻すぎてもはや手遅れなのではないかと絶望的に思っていましたが、本気になれば、まだ改善できるのだ、と希望を持ちました。

コロナの特効薬やワクチンが無いどころか、検査すら出来ないという深刻な状況で経済が再開しようとする中で実感しているのは、私たち1人1人が責任ある行動をすることで、世界の流れは確実に変わるということです。今回のパンデミックで、私が、私たちが、学ぶべきことはなんだろうか…と毎日考えています。

コロナ・パンデミックの原因には様々な説がありますが、そのどれにしろ、私たち人間の自己中心的で行き過ぎた行動がまねいた結果なのではないでしょうか。

私たちは、今回のパンデミックを真摯に受けとめなければ、セカンドウェーブを乗り越えても、また新たなパンデミックを繰り返してしまうのではないかと… 

とりあえずソーシャルディスタンスしながら、お互いに気をつけていこうね、というレベルの話ではなく、私たちは今、人間らしさを取り戻すことが出来るか否かを試されているよう感じます。

コロナ・パンデミックが過ぎ去った後、私たちは、元の世界に本当に戻るべきなのでしょうか。

私は、今こそ勇気を持って、より良い未来へ向けて大きく舵をき切るべきなのだ、そう強く思っています


Bibliography:ニューヨークの取り組み、CVSがコロナ検査拡大













































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