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ソーシャルメディアが生み出す雑音

私の周りでは「最近SNSは見るのが専門なんだよね」という声をよく聞くようになりました。「アップする写真は”完璧”にしなきゃいけないし、仕事の写真上げたら”キャリアウーマン”って皮肉られるし、その時自分が楽しくてハマってるから上げた写真だったとしても、その先ずっと◯◯さんは◯◯系だよねとラベリングされて疲れる」という話になり、確かにそうだなぁ、と思いました。 

その一方で「承認欲求」は誰もが持っているのも事実です。実際、私もここで何かを書いて、誰かが共感してくれたり、SNSで感想を送ってくれると凄く嬉しいので、ソーシャルメディアがなかったら自分が何か書いたものを、どうやって発信したらいいのか分かりません。

「承認欲求」問題は難しいな、と思うことも増えているのですが、自分の価値を他人の評価(いいね)に頼っていると、自分がやりたいことや、自分が楽しめることよりも、他人の目を気にした選択をするようになってしまうように思います。自分を喜ばせるよりも、他人に受け入れられようとしてしまう。その息苦しさがSNS疲れや、本来抱かなくていい劣等感につながっているような気がします。

アメリカでは昨年頃から、SNSが与える心理的影響に警告を発する記事が増えてきました。

その中で、私が興味深いなと思ったのがペンシルバニア大学で学生143人をランダムに2つのグループに分け、1つのグループはいつも通りSNSを使い続け、もう1つのグループは毎日30分に制限してSNSを使い、3週間後に精神的あるいは心理的にどのような変化が現れるか、という実験でした。

社会的支援、何かを逃しているんじゃないかという恐怖(通称FOMO)、孤独感、憂鬱感、不安感、自尊感、自律性、自己受容、という項目で実験を行いました。

3週間後、SNSの使用時間を制限したグループ全員に孤独感と憂鬱感の症状の減少が見られ、重度の鬱症状がみられていた学生にも、大幅な症状減少が見られたという驚くべき結果が出ました。

アメリカではFOMO(Fear of missing out)という「自分もそこに居ることができたはずなのに、自分はいないという取り残された感情が、だから自分が思っていたほど、相手にとって自分は重要な人間関係じゃなかったんじゃないか」と思う症状が、食事や水と同じように重要になってきている、と警告する記事が増えています。

私がこの実験がいいなと思ったのは、100%ソーシャルメディアを遮断して生きていくのはもはや不可能だ、という点を理解しているところです。そして、ソーシャルメディアに関わる時間を減らせば”自尊心を保って自分らしく生きていける”よと希望がある結果が導きだせていることです。

ソーシャルメディアは本当に一長一短ですが、他人の評価を基準にして生きる癖がつかない程度に付き合ってきいたいな、と思います。

そして、SNSで「note読んだよ」とメッセージをくれたり、共感してくれたり、感想送ってくれたり、ここにコメントを残してくれたり、投げ銭してくれた皆様、どうもありがとうございます。

誰かが読んでくれているって、凄く嬉しい!



Bibliography:ソーシャルメディアが憂鬱感と孤独感を増加させている











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