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今週消費した10のこと 歴史的に大きな意味をもったハーフタイムショー/なぜ私たちは集中力がなくなったのか

・歴史的に大きな意味をもったハーフタイムショー

LAヒップホップ界の大物Drドレとスヌープドックの「The Next Episode 」で幕が上がった今年のハーフタイムショー。
ドレがTupackと1995年にリリースした懐かしの「California Love」が次に続き、サプライズゲストとしてなんと50セントが登場!2003年にドレがプロデュースしたメガビット曲「in da club 」を披露し、会場が一気に盛り上がる中、ついにメアリーJブライジが…!!51歳になったブライジは90年代の人気絶頂期よりパワフルで、力強さが増していて、歳を重ねるって素敵だなぁ、と思いながらテレビに見入っていました。 
その後、エミネムが自身最大のヒット曲「Lose yourself 」を歌う側で、なんとアンダーソン・パークがドラマーとしてサプライズ出演。ショーはドレの「still DRE」で幕を閉じました。

途中でケンドリック・ラマーが出演しているものの、今年のショーはほぼオールディーズ(懐メロ)で、ついにヒップホップがアメリカのメインストリームとして迎えられ、そのアイコン達をエンタメ界のエスタブリッシュメントに押し上げた歴史的瞬間を目撃したような気持ちになり、胸がいっぱいになりました。

アメリカメディア各紙が取り上げ、ショーの中で一番注目されたのは、エミネムがパフォーマンスの最後に行った、コリン・ケイパニックへの敬意を表した片膝をつく演出でした。

私が一番印象に残ったパフォーマンスは、ショーのラストにドレとスヌープドッグが「still DRE」を歌い始めると同時に、大勢のダンサーが刑務所服を着て飛び出してきた瞬間でした。ダンサー達はLAの地図がプリントされたグランドの上で踊っているのですが、私にはそれがLAは多様化してはいるものの、実は巧妙に住み分けされた地域であることの問題提起のように思えました。
生まれた地域によって刑務所に行くか、大学に行くかが決まっているというアメリカが抱える刑務所問題への痛烈なパンチを決めたのは3年連続ハーフタイムショーの演出を行ったJay-Z 率いるRoc Nation。

ショーはドレの「still DRE」を出演者全員で歌いクローズするのですが、人種差別による問題はまだ終わっていないことを強調するかのように、ドレが強烈なライン「still not loving police」を押し込んだのがとてもとても印象に残りました。

・キング牧師と公民権運動に参加した女性詩人のこと

とにかく「正しいこと」をしよう。
「正しいこと」は急に物事を解決しないかもしれないし、利益を生まないかもしれないけれど、魂の充足感を与えてくれる。そして、それが自分を守ってくれる。

ハーフタイムショーを観終わってから、しばらく無言でこのツイートを見つめていました。
私たちが日々の生活で出来る「正しいこと」は本当に限られているように感じることも多いのですが、実はその積み重ねが未来を作っていることを痛感させられました。

・ハーフタイムショーの広告から見るアメリカの今 

アメリカの2大ポテトチップス社「プリングルス」「Lay’s」は共に結婚式をテーマにしたcmを作成し、Michelob Ultra ビールはボーリング場でcm撮影するなど、大勢の人が集まることをテーマにしたcmが好まれたそう。
昨年は完全に消えていた旅行会社のcmも復活していましたが、今年注目されたのは暗号通貨やEVの広告で、過去2年間のパンデミックのことは語らず、代わりに未来について語ろうよ!という前向きさがなんともアメリカらしいなぁ、思いました。

インフレ加速中に消費行動を促し景気を良くするには、アメリカに住む人が「今後も価値が上がっていくから今買っておこう」と信じることが大事だと思うし、そういう幻想を生み出すのも政治の役割だとは思うのですが…、ハイパーインフレ化しそうな気がして頼まれてもいないのに心配しています。

・やっぱりリンジー・ローハンは最高

スーパーボウルの広告で1番好きだったのは、リンジー・ローハンが自身の過去のゴシップをネタにしているPlanet Fitnessの広告です。
自分の暗黒時代を明るく笑い飛ばせるって凄くいい!

•ホワイトハウス特派員ディナーの司会はトレバーに!

4月30日に開催される予定で、これはとっても楽しそう!

・オミクロン株は子供にも影響しているのか?

アメリカでオミクロン株に感染した子供やティーンの入院が増えている、というcdcのレポートで興味深く思い読みました。
入院が増えているのは0-4歳のワクチンが打てない年齢の子供と12-17歳のティーンで、内ワクチン未接種者が90%を占めているそう。
ワクチン接種について会話する時は、人を注意深く選んで行わないと、それまで良好だった人間関係に亀裂が走ることもあるようで、もはや人間vsウィルスではなく、人間vs人間の戦いに変わってしまったように感じることも増え、いつの間にかそれが日常になってきていて本当にむなしい。
私はワクチン接種により自分だけでなく、ひいては他の誰かを助けることにも繋がるのであれば、お安い御用だなぁ、という気持ちです。

・日々ごはんのお弁当

 

高山なおみさんの「帰ってきた、日々ごはん」最新刊を拝読し「おまけレシピ」にあった焼き飯を作った日。
高山さんのご飯は、その日に食べたいものを自由に作っている感じがして、とにかく楽しい。

・ご飯の島の美味しい話

食のエッセイが好きでよく読むのですが、飯島奈美さん初のエッセイ本にあった「しらすとキャベツと納豆のサラダ」を作りました。
誇りを持ってフードスタイリストひと筋でやってこられた飯島さんだからこそ、食にしっかり根を張りながらも、世界中の人との出会いによってしなやかに食の世界が広がっていく生き方が素敵で、隅々まで拝読。
飯島さん、うちのご飯を美味しくしてくれてありがとうございます、といいたくなるほど美味しいサラダでした。

・私たちはなぜ集中力がなくなったのか

Vox「Conversations」はニューヨークを拠点にするメディアのポッドキャスト。
その時に話題になっている時事ニュースについてゲストを招き会話しているのですが「その着眼点はなかったー!」という内容があり、非常に面白いです。

私たちは今、1つのことに集中するのが史上最高に難しい時代に生きている。読書や執筆作業だけでなく、少し長めの映画を集中して観ることすら難しい。それは一体なぜなのか?という内容でした。

エピソードの要旨はこんな感じでした。

•直近の50年間で食生活が大幅に変化したために、人間はパンや砂糖から手軽にエネルギー補給できるようになった反面、エネルギー持続力が低いために集中力もすぐに切れるようになった。
•食生活より重大な問題はインターネットである。私たちの集中力はFacebook 含む巨大テックカンパニーのアルゴリズムによって盗まれている。
例えば、「ドナルド・トランプの投稿にいいねを押す」その後「母親とオムツについてDMでやり取りする」とFacebook のアルゴリズムがそれをスキャンし「この人はトランプ元大統領が好きなら多分、保守派。頻繁にやり取りしている相手とオムツについて話ているから、子供ができたのかも」と分析し、このプロフィールの人が購入傾向にある広告や投稿の優先表示を開始する。
•仕事で目標設定したり、ギターを練習したり、良い親でいる、などの莫大な情熱と集中力が必要なことが達成しにくくなってきている。何故ならスマホに集中力を奪われているから。
•その結果、ネガティブになる。
心理学で昔からよくいわれる「ネガティブバイアス」が働き始める。人間は喜びより怒りの感情の方が持続するというもので、例えば、道端で起きた交通事故はジーッと見てしまうのに、道端に咲いている綺麗な花はジーッと見つめられない、というもの。
実は、アルゴリズムもこの法則を理解していて、私たちがスマホを見ている時は現実世界が楽しくない=よりスマホに集中している、と認識している。
だから、私たちはこのサイクルから抜け出せなくなる。

なんとも恐ろしいなぁ、と感じたエピソードだったのですが、私たちが選択したものに対する集中力の積み重ねが人生だ、と私は思うので、集中力を注ぐべきモノに対するコントロールを失うことは人生そのものを失うことなのかもしれないなぁ、と考えさせられた良いエピソードでした。

・NFT理解深まる

Fuck you money(誰に嫌われても生きていけるお金がある)を手にしたマーク・アンドリーセン率いるベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロヴィッツのポッドキャスト。
基礎的NFTの情報が整理されていて、理解が深まりました。将来的に、メタバース内でアーティスト本人とやり取りできるようになれば、身体的なハンディーキャップのある方もアートの世界で成功できそうだなぁ、と思い未来への期待が膨らみました。














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