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2022年の谷津矢車の仕事について
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ようやく年が明けました。
昨年末辺りから、言いたいなあ、告知したいなあということの一つに、2022年の仕事がありました。とはいえ、「来年のことを話すと鬼が笑う」の格言の通り、あまりに気が早すぎるのもどうなの、というところもあり悶々としておりました。2022年になり、ようやく鬼に笑われずに済みそうなので、なんとなく、2022年の谷津の仕事についてお話ししてゆければなーと思っております。とはいえ、仕事の多くは「まだ発表してはいけないこと」ばかりなので、その辺は含んでいただけると幸いです。
既に決まっていること
今年の前半から中旬にかけて、将棋指しを主人公にした歴史小説が出ます。まあ、既にどういうお話かについても喋っている(鬼が笑うとはいったい)なのですが、
今、天野宗歩を書いているんですけど、「天野」が「尼野」に変換される症状に襲われております……。「天野」も「尼野」もよく変換するので、PCも考えあぐねている感。
— 谷津矢車(戯作者/小説家) (@yatsuyaguruma) December 2, 2021
江戸時代の将棋指し、天野宗歩の歴史小説となってます。
いやー、この人、色々と面白いんですよ。実力十三段と謳われる伝説の将棋指しで、現代も行なわれている棋聖戦の「棋聖」とは、この天野宗歩のことを指します。家元制名人(江戸期は将棋の家元が存在し、その家の中から名人を出す決まりでした)と実力制名人の境目、ほんとにギリギリの時代を生きたというのも面白いところで、実力制下の将棋界にもその棋風は影響を与えたようです。
そんな人でありながら、スキャンダルや失敗談、因縁の棋譜などなど波瀾万丈、さらに彼が客死した際、師匠筋に「病死という風に届けておいた」と書き残されている人物でもあります。
謎だらけですねー。そんな天野宗歩に迫った小説になっております。
あと、決まっていることというと、『ええじゃないか』の連載はしばらく続きます。
本作は吉田宿近辺での端緒を描く「三河国編」と、京都でのええじゃないかの終焉を描く「京都編」の二本立てで、連載そのものは「三河国編」でおしまいです。今、鋭意「京都編」を書いているところで、担当者さんとは「今年の後半辺り本にできたらいいですねー」などとお話ししています。
あと、ほぼほぼ決まっている、というか、今のところ戦力外通告は出されていないのでとりあえず一安心ですが、GetNaviWebさんや歴史街道さんへの寄稿はこれからも続けさせていただけるのではないか、という甘い希望を抱いております。なにとぞ!
未決事項
ぶっちゃけ、作家の仕事の多くは「決まっていないこと」であったりします。理屈っぽいことを言えば、そもそも作家の仕事が仕事として確定するのは出版契約書を交わした瞬間であり、それ以前のことはどんなに頑張っても仕事になっているかどうか不明という、綱渡りな稼業なのです。
それはさておき、わたしはわたしで結構な未決事項を抱えております。
来年に関わる話だと、あの作品とかあの作品とかあの作品が文庫化する方向ですよー、という感じでおりますのと、かつてわたしが「やってますよ」と告知した仕事についてはすべて水面下で動いていると思ってください。
イベントの際、岡崎琢磨さんに「まだ手直ししているんですか!?」と呆れられた心配された東京創元社さんのミステリ長編もじりじりと直しているところですよ~。
決まっているんだけど話せないこと
この稼業、案外秘密保持というか、話せないことも多いのですが。
一応わたしみたいな作家にもそういう「決まっているのだけど話せない」ことはいくつか抱えております。
ちょっとしたほにゃらららに参加したり、これまでやってこなかった、面白げなお仕事に登板させていただいたりの予定がありますので、お楽しみに!
中期的視野からみた谷津の2022年
作家の仕事について考えるには基本的に「一作」単位で捉えるべきであり、年単位での観測は無意味、というのがわたしの基本的立場ではあるのですが、それは「職人の腕」「実力の伸張」を見る場合であって、ビジネス的な観点、個人事業主としての判断をするにあたってはやや不適当とも考えています。そんなわけでわたしは三年をひとまとまりとして捉え、一期ごとになんとなく青写真を引いております。
わたしは今年の三月で十年目に突入するため、2022年で第三期を満了する格好になります。
第三期の谷津はおかげさまで新たなる代表作(『廉太郎ノオト』)にも恵まれた上、作家として濃密な時間を過ごさせていただきました。
というわけで、そろそろ谷津の第四期について青写真を引く時期には差し掛かっているのですが、基本的なところは第三期と同じ方向性をキープする形になると思います。
まとめ
色々書いてしまいましたけど、結局はここに尽きます。
2022年は、単行本2-3冊くらい、文庫化作は3冊くらい出ます。また、雑誌への寄稿やらアンソロへの参加なども積極的にやっていきたいと思っておりますので、皆様、わたしの新刊が出ました折には、なにとぞごひいきにしてやってくださいませ。
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