ふたり十兵衛

拙作『柳生剣法帖 ふたり十兵衛』(角川文庫)が重版かかるみたいですよ

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 昨日既にTwitterでは報告したのですが、『柳生剣法帖 ふたり十兵衛』(角川文庫)、近々重版がかかるそうです。

 柳生十兵衛というと隻眼の剣客のイメージがすごく強いですが、彼の描き残したものは異様なまでにロジカルで、かつ古典作品からの引用が多く、すごく学者肌な印象を受けるんですよね。一説には沢庵和尚の薫陶によるものという話もありますが、いずれにしても、軍学者っぽい柳生十兵衛という新しい像で描き、でもこれじゃチャンバラができないということでパブリックイメージの柳生十兵衛そのまんまである従者一兵衛とのコンビにしたバディ小説です。

 実は本書、わたしの年譜の中でかなり浮いた本になってしまったな、という印象があります。
 本書はまさにエンタメ小説のつもりで書いたのですが、実はわたし、ここのところドエンタメから遠ざかり始めています。実はわたしは今はあまり流行らない心境小説的なものに親和性が高く、実はエンタメ的な手法の活用はプロになってから覚えた面があります。もちろん、今後もエンタメ手法の研究はしていくつもりですが、エンタメど真ん中みたいな小説はなかなか書くことができないと思います。恐らく、『しょったれ半蔵』(小学館)がドエンタメのラスト作になるんじゃないかと思います。

 奇しくも本書、『ふたり十兵衛』とつながっているのですがそれはさておき。

 諸般の事情で今はドエンタメから離れていますが、実はわたし、『ふたり十兵衛』の世界観は結構好きなのです。
 柳生の剣バーサス西洋剣術! 共依存する男二人! 小田原に迫る影! 燃えますね。
 というわけで、重版しました際にはまた書店さんに並ぶと思いますので、お見かけの際にはお手に取っていただけましたら幸いです。

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