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#8鎌倉ぐらし-「なんで結婚したいの?」という疑問も、お見合いという選択肢も持っていい-

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ウェブマガジン「鎌倉めぐり荘の暮らし」
シェアハウスめぐり荘のメンバー:リーダーきむにぃ、ヒーラーさゆりさん、料理人ほっしゃん、私やつぽん の4人の暮らしを、ゆるゆる綴ります
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この日のめぐり荘のゲストは、ゆうちゃん。ほっしゃんが穂高養生園で料理修行していたときの、もと同僚だ。フィリピンの語学留学から帰国したその足で、鎌倉まで来てくれたのだという。

家の片付いてなさバレる!笑

こんがりと日に焼けていて、襟足が見えるくらいのショートカット。
はつらつとした明るさがあって、スポーツクラブのインストラクターさんみたいに見えるゆうちゃんだが、職業は鍼灸師さん。癒す人だ。

癒す人、鍼灸師ゆうちゃん

いっしょにごはんをたべて、おしゃべりタイム。

ぽん:ゆうちゃんはいつから鍼灸師(しんきゅうし)なの?会社員をしていたときもあるの?

ゆう:あるよー。今から10年くらいまえ、なんか違う気がする!って思って会社をやめて、養生園に行ったんだ。25、26くらいかなあ

ぽん:ちょうど今の私ぐらいの年齢だ。なんで養生園だったの?

ゆう:本か雑誌で見たんだよね。それで、よくわからないけどこれだ!っていう気がしたの(笑)そのときは鍼(はり)の資格も持ってなかったけど、養生園で働いていた鍼灸師さんやヨガのインストラクターさんを見て、私も癒す仕事がしたいって思って。養生園を出たあとに鍼の学校に通ったんだ。

ぽん:へぇー。

ゆう:それからいろいろなクリニックで働いてきたんやけど、そろそろ独立したいと思って。今場所を探してるんだ。

きむ:そうなんだ!どんな場所がいいとかあるの?

ゆう:梨木果歩さんの小説「西の魔女が死んだ」みたいな、ああいう世界観をつくりたいんよね。自然のなかで、丁寧に暮らしながら人を癒す場所にしたくて。

ぽん:「西の魔女が死んだ」私も大好き!

きむ:え、鎌倉なんてどう?笑(きむにぃは鎌倉逗子移住プロジェクト決行中)

ゆう:鎌倉ね、海も山もあってすてきな場所なんやけど、ちょっと湿気が多すぎるなという感じ。もう少しカラッとしていて、風が吹き抜ける場所がいいんだよなあ。それも、海からの風よりも山からの風。

ほしゃ:やっぱり長野じゃない?

ゆう:長野はいいかもね。あとなー、結婚したいねん。どこかの地方でお見合いしようと思ってるんよね。

ほしゃ:ふーん。なんで結婚したいの?

ゆう:結婚、してみたいねん!これまで私、自分のやりたいことを思う存分やってきたから、そろそろね。

自分でクリニックをしたいから、自然豊かな土地を持っている人に出会いたくて。

ぽん:なるほどー、だから地方でお見合いなのね。

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自分の正解は、自分で決めたい

私は今25歳なのだけど、同年代の友達と大人数で会うと、「最近どう?」という会話から始まり、だいたい仕事の愚痴、そして恋愛の近況報告になる。

不思議なもので、1対1や少人数で会っているときはもっと幅広い話が出るのだけど、大人数で同年代が集まったときにはだいたい一通り展開される鉄板の流れがある。

例えば、

恋愛について
28歳までに結婚するためにはそろそろタイムリミット。今付き合っている人に決めるのかどうか。結婚を考えられないなら、そろそろ次を探すべきである。(ちらほら婚約発表をする人も出てきて、すると祝福しつつも自虐を始める人がいる)

仕事について:
仕事つらい。楽しくない。パッとしない。就職してそろそろ3年だから、ようやく転職できる。なにしよう。

なぜこの流れをたどるのかというと、みんなが共有する、もしくは理解できる価値観だからなんだと思う。(※あくまで私の周りのいくつかのコミュニティの話)

流れを遮って、

「なんで結婚したいの?」「そんなに嫌な職場を、すぐにやめないのはなんで?」なんて野暮な質問をする人はいない。

結婚することがしあわせのしるしであることや、3年間頑張ることが、その場では前提とされているから。

他にも、高収入・高学歴・イケメンの彼が「良い」とか、洗練された都会の暮らしが「良い」とか、暗黙の了解がいくつもある。

私はそれらの考え方を良いとも悪いとも思ってなくて、その人が良いと思うならそれで良いと思うのだけど、大人数が一様に同意している様子を見るともやもやっとしてしまう。

うそやーん、こんなにみんな同じこと考える?って。
こんなにみんな、同じ正解もってるの?って。

かく言う私も、まだ親の価値観を生きているところがあり、誰が決めたの?っていう正解に縛られて消耗することはたくさんある。

だから、めぐり荘のメンバーやゆうちゃんのような、自分の正解を自分で決めて、自分の人生を生きている人の話を聞くと、ああ、いいな。と思うのである。

本当は誰もが、「なんで結婚したいの?」という疑問を持ってもいい。

自分自身の目的のために地方でお見合いするという選択肢を持っても、いいはずなのだ。

かくして、めぐり荘のテーマ「自分に還る」ということを、またひとつ考えさせられる夜だったというわけ。

ゆうちゃんのクリニックができたら、みんなで遊びに行きたいな^^

#鎌倉 #鎌倉ぐらし #暮らし #シェアハウス #日記 #長谷 #エッセイ #めぐり荘 #自分に還る


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