「田舎でのんびり起業」はマクロに見ても価値あることなのでは?
僕は今八ヶ岳南麓(山梨県北杜市)で暮らしています。「新しい働き方。暮らし方」でハッピーになろう!という企業パーパスのひとり法人を立ち上げてコンサルティングや地方関係人口創出に関することが仕事です。(ヘッダー画像はnoteギャラリーから挿入しました。hananosuさんありがとうございます!)
今回は「田舎でのんびり起業」はマクロに見ても価値あることなのでは?というタイトルで改めてこの意義を振り返ります。
田舎でのんびり起業とは?
僕がおすすめしている「田舎でのんびり起業」はお金よりも人生を大切にするライフスタイルです。もちろん生きていくにはお金は大事。だけどお金だけを目的にしたギラギラ起業とはちょっと違う。人生を楽しむための起業です。詳しくはこちらの記事も参照ください。
立て続けに観たNHKクローズアップ現代
僕は八ヶ岳の家には地上波のアンテナを設置してないんです。とはいえニュースとか地上波の情報は必要なんで、NHK+とTVerで気になる番組を観ています。
で、NHKの番組って結構好き(特にEテレが好き)でよく観てるんですが、今回立て続けにクローズアップ現代を観て「お、これはまさに田舎でのんびり起業じゃないか!」って思ったんです。
まずスモールビジネスの番組を観た
まずはスモールビジネスについての番組を観ました。小さな事業を営む人たちを紹介しています。いやこれ。まさにこれが僕の目指す「田舎でのんびり起業」を実現している人たちです。(のんびりしてるかは分かりませんけど)
番組で紹介しているのは必ずしも地方の例ではないんです。原宿とか御徒町の例も紹介されています。でもポイントは大資本ではなくスモールビジネスということ。
街の個性っていかにスモールビジネスが元気か?ってことだと思うんですよ。下北沢が世界で最もクールな街の一つと言われてますよね。下北沢がクールなのは大資本の店ではなくスモールビジネスの街だからこそ、ですよね。
実は僕が暮らしている八ヶ岳もスモールビジネスが多いエリアなんです。(だから楽しいですよ)
で、その少し後に地方創生の番組を観た
で、その少し後に地方創生についての番組を観ました。番組は消滅可能性自治体の話と、若い女性がなぜ地方から転出していくのか、という内容です。
番組では地方の課題として高学歴女性の活躍する職場がないこと、旧態依然とした男性優位の文化が残っていて女性が暮らしづらいこと、行政の支援も子育て支援に偏っていてそもそも子供を産む前の女性活躍を意識していないこと、などが挙げられました。
僕もまさにこれは同意なんですよね。今や大学進学率が60%を超えている時代。一旦大学で都市部を知ってしまったらお茶汲み事務仕事しかない地方に戻りたいとは思わないですよね。
都市には高学歴女性が活躍できる環境と刺激がある
地方ではまだまだ旧態依然とした男性優位な文化が残る地域もあります。女性にはお茶汲み事務職しかなかったり、非正規雇用しかなかったり。
例え理解ある会社があっても社会・地域が女性活躍を意識してないので「都会の大学を出てきた女が(以下略)」と言う視線もあるかもしれません。
それと比べて都市(特に東京)の仕事は高学歴女性にとって魅力的でしょう。給与も地方より高いですし、女性にも責任ある活躍できる仕事がたくさんあります。
営業職、企画職など会社の中核業務を担う女性もたくさんいます。諸外国と比べると少ないですが女性の管理職や役員も珍しくはありません。何より仕事に打ち込んでも「女がそんなに頑張らなくても(以下略)」という空気もありません。
都市には若い女性が頑張れば頑張るだけ先へ進める環境があるのです。
仕事だけじゃなく刺激あるプライベートも楽しめる
都市の魅力は仕事や給与だけではありません。プライベートでも刺激を得られます。最先端のトレンド。多彩な飲食店。芸能やアートを体験できる場所もたくさんあります。夜遅くまで遊んでいても安心できるインフラ。若い人にはたまらない刺激ですよね。
かく言う僕も長年東京の外資系IT企業で働いていたのでビジネスでもプライベートでも刺激がある東京以外で暮らすことなんて考えてもいませんでした。(コロナ禍で考えが一気に変わったけど)
都市の刺激は無限に続く競争と表裏一体
でも都市の刺激って頑張り続けないと楽しめないんですよ。最先端のトレンドも多彩な飲食店も芸能やアートも。お金がないと楽しめないんです。
楽しむためにはもっとお金が必要。そしてお金を得るためには周囲と競争して成功し続けなければなりません。都市で成功のルートから外れれば楽しみは得にくいもの。部屋にこもってわずかなお金で周囲より貧しい暮らしを強いらることになります。
周囲と比べることで競争は無限に続いていく
しかもこの成長への競争は無限に続きます。年収中央値である396万円を超えて、平均年収と言われる458万円を超えて。でも年収500万前後では東京の暮らしは苦しいですよね。
ならば年収1000万円?国税庁のレポートによれば年収1000万円を超えるひとは日本で4.9%しかいないそうです。でも想像つくと思いますが東京で年収1000万円では全然リッチには暮らせません。
服がしまむらからユニクロに変わる。外食がすき家からレストランに変わる。発泡酒がビールになって、出社前のコーヒーがコンビニからスタバになる。年収1000万円で得られる変化なんてその程度です。
もっと頑張ってタワマンに暮らせるようになっても高層階の住民との格差を実感するだけです。どんなに頑張っても周囲と比べて劣等感を感じてしまう。無限の競争が続くのが都市なんです。(だって都市の尺度はお金だけだから)
(おまけ)そうは言っても東京も所詮地方都市なんですけどね
福岡が九州中から若い人を吸い上げ、大阪が近畿中から若い人を吸い上げ。でも福岡や大阪を含めた地方大都市から東京が若い人を吸い上げてる。日本はそういう構図です。
では東京はゴールなのか?といえば僕は行き止まりなんだと思います。アジア太平洋地域では多くの地域本社が東京ではなくシンガポールに集中しています。
ソウル、上海、シドニー…アジア太平洋地域で考えれば東京も日本から外に出ない人限定のゴール、結局は(九州を出ない人にとっての福岡と同じ)地方都市に過ぎないと思うんですよね。
都市の無限競争が行き止まりを作る
とはいえ多くの若い女性は九州から福岡へ、近畿から大阪へ、北海道から札幌へと都市へ集まります。そして地方都市から東京へと集まります。そして無限競争の中で多くの若い女性は結婚・出産は目指しません。(もしくは諦めます)
もっと刺激と仕事を楽しみたいからです。そして都市で楽しむためには無限に競争を続ける必要があります。仕事もライフスタイルも。もっと上を目指さなきゃ。無限競争の中では結婚や出産などの中断は大きなハンデになるのです。
世帯年収2000万円でもお金が不安で子供は持てない…?
お互いに年収1000万円クラスの夫婦、いわゆるパワーカップルでもお金が不安で子供が持てないと聞きます。出産・子育ての間、妻の収入が下がると生活が続かないわけです。
(ま、服をユニクロからしまむらに。外食をレストランからすき家に。ビールを発泡酒に。スタバをコンビニコーヒーに変えれば暮らしていけるんですけどね)
都市で一度手に入れた生活水準を手放す、と言うのは無限競争に「負ける」ことなのでなかなか怖くてできないのです。
ならば「田舎でのんびり起業」がオプションになれまいか?
だったら無限競争というゲームに「負ける」のではなく、そもそもゲームに参加しない、ゲームを「降りる」というオプションもいいのでは?と思います。
スモールビジネスには自由と刺激の両方がある
「田舎でのんびり起業」はスモールビジネスが基本です。無理な成長戦略もなければ激しい競争もありません。では退屈かというとそうでもなく毎日が刺激的です。
スモールビジネスとは言え事業です。自由に事業の企画・実践ができる体験はやりがいもあり楽しいものです。むしろ大企業の中で歯車のような体験しかできない仕事よりもダイナミックなものだと思います。
スモールビジネスが元気な地域は若い女性が活躍している
僕はワーケーションや地域関係人口創出に関する仕事もしていて、いろんな地域を訪れます。地域活性化の中心になっている人って若い女性も多いんですよ。
地元へのUターン、気に入った土地へのIターン移住。スタイルはそれぞれですが、みな生き生きと新しい(そして小さい)ビジネスを営んでいます。そして面白い人の周りには自然と面白い人が集まってくるんですよね。
マクロに考えても意義があることかも
僕は「田舎でのんびり起業」については個人の暮らし方、つまりミクロなものとして提唱してきました。街づくりなど大きな目線ではなく個人としてハッピーな働き方、暮らし方を選択できるように、という思いからです。
でも、今回もしかしたらこれはマクロに考えても意義があることなのかも?と感じました。もしかしたらこのミクロの集合体がマクロにも影響するかもしれない。
地方創生!とか若い女性の地方転出がー!と大きすぎる話題にするのではなく、まず小さなビジネスがたくさん生まれる街にする。
その結果、起業する若い女性の中からその土地でパートナーを見つけ子供を産む人も出てくるかもしれない。いきなりマクロな課題を解決しようとすると大変だけど、ひとりひとりがハッピーな環境をミクロに作れば、そのうちマクロも良くなってくるかもしれませんしね。
参考情報:田舎でのんびり起業を考えているなら
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