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本の棚 #201 『マーケティングとは「組織革命」である。』

昨日の初耳学で教壇に立ち

キャリアに悩む人たちの声に

誠実に回答している姿に

ぼくは森岡毅さんという人に

ますます興味が湧いた。

日本は"マーケティング発展途上国"です。

そんな言葉が著書にあるように

まだまだ発展段階な部分があるこの世の中を

どんな切り口で切り拓いていくのか。

その思考プロセスやいかに。

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ノウハウを"実行できる組織"を同時に構築できなければ、業績を継続的に向上させることはできません。

どんなに効果的な策があったとしても

それを実行できるかどうかは別の話。

スラムダンクで例えると

「ゾーンプレス」という手法は

最強王者山王のあのメンツだから

成し遂げられるわけであって

本当に体現できるチームは少ないのだ。

知っていることとできることの間に流れる川は

思いのほか広くて、流れも急だ。

少しでも気を抜けば、あっという間に流され

知っている、状態に留まることになる。

この状態が長く続くと、

経験不足の頭でっかちになってしまう。

これは個人だけでなく組織にも言える。

「これを試してみよう」と号令をかけて

実際に組織が行動にうつすにあたり

その速度、行動量、改善の仕組み…

このあたりが実は大切であり

策は素晴らしいけど結果につながらない

その原因は組織の体制にあるかもしれない。


私にとって組織とは「一人一人の能力を引き上げる装置」です。

強い組織は、人の強みを引き出し

人の強みを組み合わせてボトルネックを消す。

これは弱みを放置していいということではない。

弱みも人並みのレベルまでには

もっていったうえでの話だ。

苦手といえば逃れられることばかりではない。

むしろそれが組織の足を引っ張ることに

なったりするから怖い。

部活の基礎練習がそれにあたるように思う。

ドリブルが苦手であっても

ドリブルなしには試合での使いどころが

とても狭くなってしまう。

しかし強みではない分、コツコツやらないと

急激に成長する領域ではないのも事実。

そこをクリアした組織には

「強みの世界」が待っている。

強みを輝かせるために

スポーツにはポジション(役割)がある。

センターの赤木はゴール下で

圧倒的な存在感を示しながら

外で待つ三井の3ポイントシュートという

強みを輝かせている。

逆に3ポイントの恐怖が

戦場であるゴール下にいる赤木に

ほんのわずかなチャンスを与える。

これは支え合うという

持ちつ持たれつの関係性ではなく

お互いの強みをさらに尖らせる関係性。

こういう組織が強い。


理想とする組織モデルは「人体」
「感知→判断→行動」の超高速サイクル

人体はとんでもない数の細胞の集合体で

一つの人間を運営している。

この人体の在り方に組織モデルのヒントが

あるのではないかという。

なかでも優れた人体機能として

「脊髄反射」がある。

熱いお鍋に触れたとしよう。

多くの人は「あつっ!」と感じると同時に

手を引っ込める。

危険な状態に遭遇したときに

人は思考よりも早く、反射によって

大怪我を回避する。

これを組織に例えるとミドルマネジメントが

機能している組織は脊髄反射が

再現できていると言える。

現場で起きた問題に対して

ゆっくり上長に確認していては

手は大火傷。そうではなくて

あらかじめ判断基準をもっていて

すぐにその場で対処する。

そうすると問題は大きくなる前に沈静化。

そのためには組織として

内容に対する明確な判断基準を決めたり

権限を委譲できる体制にしておくことだ。

安西先生がいなくても湘北は強かった。

これは「安西先生ならどうするか」を

チームが理解して行動できる組織だからだ。


作ったものを売る、から売れるものをつくる会社へ

マーケティングの領域は

ぼくが思っていたよりも広いようだ。

売れる必然を設計すること

もちろん勝率100%は難しいだろうけど

そこを目指して取り組む。

おもしろい世界が待っている。

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#読書 #ビジネス #組織

#個の力 #USJ    #刀 #森岡毅

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