本の棚 #187 『数値化の鬼』
数字との向き合い方によって
人の成長スピードは異なる。
そんなことを最近感じる。
数字がなくても、もちろん前に進むし
成長していくんだけれども
そこに数値化による正しい不足の認識があり
努力の方向性が合っていたならば
おそろしい成長曲線を描くのが「人」だ。
これは歳をとっても変わらない。
変わらないどころか、歳をとったら
もっと注意が必要となってくる。
ベストセラー『リーダーの仮面』の次は
どんな内容が書かれているのか。
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「この資料作成、なるはやで頼む」
「はい。わかりました!」
このコミュニケーションのあとに
待っているのは…
「何時頃完成しそうだ?」
「明日の夕方にはできます」
「えっ、それじゃあ遅い、明日の朝に必要なんだ」
「…他のスケジュールを調整して、すぐにとりかかります」
これはとてもシンプルな例ではあるが
「期限」という明確な数字がないため
なるはや、という言葉に食い違いが発生し
結果どちらも困るし、周りも困る。
いつまでに、どれくらいなど
具体的にできるところは、
最初のコミュニケーションで押さえておく。
まず自分の頭の中と相手の頭の中は
全く別物だ、ということを認識することだ。
その上で会話の中で使う
形容詞、形容動詞、副詞には要注意だ。
多い、少ない、ゆっくり、すぐに、
普段使いまくっているけど
ビジネスのなかでは危険ワードだと言える。
「数字のプレッシャー」について考えると
そもそも数字そのものは単なる数字だ。
プレッシャーを感じるのは
そこに関わる人間の感情が絡まっている、
例えば達成しなければ
月次会議で感情的に詰められる…
に感情が入ってくるため
「目標数値の未達」
↓
「会議での不必要な詰め、責め」
↓
「プレッシャー」
となるケースが多いのではないか。
数字、数値目標があることが
決して悪いことではなく
むしろ数字という、
誰が見てもズレがないものと向き合い
自分の不足を正しく認識することで
前に進むスピードを加速できる。
まずは行動量を増やす、確率に惑わされるな。
確率を上げるのは行動量をあげたあと。
そして行動量を落とさずに、というところがポイントだ。
打率5割でも故障が多くて
10打席しかたってないなら安打は5本、
それなら打率3割100打席で安打30本のほうが
評価は高くなるわけだ。
ベテランになると確率に惑わされ
量を著しく落としてしまうプレイヤーが
意外と多くいる。
%は便利なこともあるが
間違った数字の捉え方をしてしまう
そんなトラップにもなりえる。
「考えるべきこと」と「考えてもムダなこと」がある。
定数と変数の話を思い出す。
定数に対して不満を言う暇があれば
変数に目を向けて、さらには
その変数のなかでも最も効果的なものを
見つけ出して、取り組んでみる。
注意すべきは、変数ではあるけど
効果が小さいものに、長い時間をかけてしまう
もしくは
変数は放っておくと増えるという点だ。
「変数を捨てる」
これができなければ、増え続ける変数に対して
管理コストがあがり、マネジメントの難易度が上がる。
〇〇さんだから、マネジメントできる、
これでは組織は困るのだ。
つねに効果の高い変数を探し、改善する。
数字から逃げずに
「足りないところが何なのか」思考する。
他者の成功をすぐに真似る。
これは悪くないことだとぼくはおもう。
ただしそれが自分にとっての変数かどうかは
わからない。
フィットすれば、それは今の自分にとっても
効果的な変数であるため、磨けばいい。
そうでない場合もある、ということを
念頭に置いておかなければならない。
他者の成功パターンが、自分の成功パターンに100%なるならば
世の中はハッピーだけれども
それは「その人の場合は」という
あくまでも仮説であるわけだ。
真の変数がなんであるかは
数字と向き合って分析して
一度決めた変数を信じて
行動をやりきるところからしか
見えてこない。
この「順番」について安藤さんは
考え抜いていると感じる。
必要と不要、ランクの上下ではなく
正しい順番があるという。
ここがスーパー論理的で
うん、そうだ。となるのはぼくだけ?
何から取り組むかを決めるときに
原理原則に従って考える思考があれば
短期的なトクだけにとらわれず
長期的に成長していくことができる。
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