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またいつか会える日まで、、、<0日目>

「スノースポーツ研修を受けようと思ったのは何故だろう」

 そんな事を考えながら、私は始発の電車に乗って、空港に向かっている。

 時は遡り約4ヶ月前になる、学生の特権である、夏期休暇の終わりに差し掛かった頃、大学からメールが送られてきた。

 いつもの、どうでもいい内容かと思い見てみると、
「体験型研修・スノースポーツをしませんか」
 という題名だった。

 コロナ渦で体験型研修なんて出来るのかと思いつつ、私は興味本位でメールを開いてみた。
「体験型研修を実施します。そのガイダンスをzoomで行うので来ませんか」
「研修開催場所は北海道、期間は4泊5日、レッスンを受けたり、フリーで滑ったりと5日間みっちりスノースポーツをやりましょう!」
 というものだった。

 場所も期間も壮大だなと、瞬間的に思い、同時に大学生っぽいことが出来そうとも思った。

 なんせ今の大学生はコロナのせいで、制限に制限を重ねて、それらしいことが一切出来ないでいたのだ。

 試しにzoomに入ってガイダンスを受けてみたら、朝から晩まで滑って良いホテルで朝食と夕食がバイキング、その上、約7万で良いという。

 私の心は即決で行こうと決めていた。

 しかし、ここで1つ問題があった。体験型研修というからには大学の授業として開催される。そして、開催される校舎は、私が普段行かない校舎なのだ。月1でzoomでミーティングをすると言うが、私の時間割上にその時間にその校舎には行けない。、、、完全に孤立してしまった。

 数日がたち、1回目のミーティングが訪れた、緊張と孤独感で押しつぶされるような感覚になりつつもzoomに入ってみると、

 意外だった、割と多くの人、いや、ほぼ全員がzoom参加だったのだ。

 さっきまでの不安は何だったのか、霧が晴れたようなスッキリした気持ちになり、1回目のミーティングは終わった。

 その後も月一でミーティングをしたが、その後も変わらずzoomで行い何となく研修への気持ちの準備をしていた。

 研修出発日の1ヶ月半前に生徒同士で話そうという機会が設けられた。そこで2人の学生とzoomで話をしたが、その時はまったく覚えられなかった。

 それもそのはず、私が誰か人を覚えるときは直接会って、その人の顔の輪郭、髪型、目の位置・大きさ、声のトーンやスピード、癖、体格、身長、歩き方やスピード、歩幅、などなど、その人を見たとき私が観察出来る全てを読み取って、頭の中で3Dモデルを作れる位でやっと顔と名前が一致される。

 だから画面を通されると何も分からない。

 結局、研修当日まで誰とも知り合えず、完全アウェーのまま過ごすしか無かった。


 次回、いよいよ研修1日目、トラブルと出会いは紙一重


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