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乳がん発症

パジャマに血がついていました。
胸のあたり直径3cmくらい。
最初は血糖値を測った手で拭いたのかなと思って気にしませんでした。
何回も同じところに血のシミが出来るので不思議に思い始めましたが原因が分かりません。
お風呂から出て体を拭いている時にタオルに血がついているのを見つけ、ブラジャーにも血がついているのを見つけ、やっと乳腺から出血していることが分かりました。

かかりつけの病院に行きましたが、私が精神疾患を持っていることは話してあるので、妄想と思われ「様子見で」と言われました。
妄想、妄言と思われた事にショックと憤りを感じながら自分で胸を触ってどう血が出るのか観察しました。

下から上に押さえつけると血がポタポタ滴ってきたので、もう一度病院へ行き先生の目の前で見せました。
流石に妄想、妄言ではないと理解してくれて大きい病院に紹介状を書いてくれました。
先生の言い訳として専門じゃないからと言っていましたが、精神疾患持ちへの偏見は医者の間でも根強いことに暗澹たる気持ちでした。

卵巣がんの時は激しい腹痛が有ったため即入院でしたが、乳がんは通いで検査の連続でした。
母も同行していましたが、付き添う、寄り添うとはかけ離れていて、ただ私の後ろを付いて回っているだけで、子供が親の後をついて来るという感じでした。
本当に親子逆転です。

検査の結果、両胸に癌が出来ていました。
ステージ1ではあるものの年齢が若く癌家系であること、20代で卵巣がんを経験していて遺伝性の癌の可能性が高く、乳房を残して癌だけを摘出した場合ほぼ確実に再発しますと言われました。
その為両乳房、乳腺とも全摘出が最善策ですと説明されました。

不安でしたし恐怖でした。
でも涙は出ませんでした。
先生を信じて最善を尽くすのみ。

私は体の発達が早く、小学生の時にもう胸はかなり大きかったです。
バスト87cmFカップ。
男の子達の視線が嫌でした。
胸が大きいというだけでエロい女みたいに見られて居たたまれない気持ちでずっと猫背でした。
それがぺたんこになってもうエロ女判定されなくなるんだと思うと、爽快だなと思いました。
私は昔から中性的な人に憧れていたのです。

手術の前に癌がどれくらい広がっているか色が変わる注射をして6時間の手術を終えて、半径6cmの広がりがあったので全摘手術で正解でした。と先生に言われました。

入院は1週間。
退院してもフラフラ状態です。
そう直ぐに元気に動き回ることは出来ません。
けれどこの時私は親と完全に縁を切っていたので入退院手続きも家での養生も独りでした。

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