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トイレとカンヌとユニクロと

先日カンヌ国際映画祭で
主演男優賞に役所広司さんが選ばれたという
とても嬉しいニュースがあった。
映画のことを調べてみると、
そこにはいろいろなストーリーがあって、
さらに映画への期待が高まったので、それを記録しておきます。

日経新聞の「文化」欄にあった記事。
内容としては
我々はこの数年、様々な事象により
分断を感じずにはいられなかった
でも、そんな分断された中でも、
我々は無言のまま生活し、
そして小さな共感が生まれている

我々は人を断罪せず、
生活の中にかすかな希望を抱き
その希望によって幸せを感じている
のだ。
それをそれぞれ違う作品で表現した
是枝裕和監督「怪物」と
ヴィム・ヴェンダース監督の「パーフェクト・デイズ」
が今回、賞に選ばられたのではないかと
いうもの。

役所広司が男優賞を受けた「パーフェクト・デイズ」はトイレ清掃員の日々の暮らしを通して、人生の喜びを描く。ドイツのヴィム・ヴェンダース監督が東京で撮った。

描かれるのは虚飾のないシンプルな暮らしだ。早朝に起き、丁寧に仕事をし、夕方の銭湯に入り、立ち飲み屋で一杯飲んで、安アパートに帰る。好きな本を読み、音楽を聞き、写真を撮る。ホームレスや子供への温かなまなざし、貧しい若者や死期の近い男への気遣い。寡黙な男があえてこの仕事を選び、社会の片隅で生きる人々に寄り添い、一日一日を丁寧に生きていることがわかる。

ほとんどセリフがない役所の演技は現地メディアに称賛された。「孤独な日々を送る人物の感情を顔にきざむ役所の磁場をもつ演技は無声映画を思い起こさせる」(ルモンド)。「役所広司がすべての動きを深く魅力的なものにする。ひげを調える様子、自動販売機から缶を取り出し、朝の空気を吸い込む姿。美しい見せ場だ」(プレミア)。

小津安二郎を敬愛するヴェンダースは「東京画」で「小津が東京の変化を撮り続けたように」1983年の変わりゆく東京をとらえた。そして「今回もそれを続けた」と語った。「83年の東京はSF都市のようで世界の中心だと感じる街だった。その後、90年代のつらい時期を経て、パンデミックも起こった。今の東京は再生の途上にある。私の心にある東京と現実の東京が再びつながった」

日経新聞「痛みの先の希望と再生」より

そして不思議なことに、この映画の裏には
こんなストーリーがあった
そう。
素敵なnoter Chiaraさんの記事で
その裏側を知りました。
建築家安藤忠雄さんと、トイレ、それからユニクロさんのつながりです。

このつながりの中心にいらっしゃったのは、
ユニクロの柳井正会長の次男さん、
柳井康治氏
個人の資産管理会社の出資で、
この東京トイレプロジェクト、
そして映画ができたのだそうだ。
映画は17日間で撮影、製作費は3億5千万円。
型破り、間違いない。

日経新聞より

「トイレも服もみんなが使う」
分断が意識されるいま、
実はとても大切なことを語っていらっしゃるのではないか

そう感じた出来事と記事。
作品を見るのがさらに楽しみになりました。

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