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「左近の桜」は、なぜ右側にあるのか?

見えない世界を伝える神社ナビゲーター市口哲也です。

神社によっては、「左近の桜」と「右近の橘(たちばな)」が、拝殿前などに植えられています。

鳥居をくぐって、拝殿に向かって進んで行くと、右側に「左近の桜」が、左側に「右近の橘」があります。

これは、神様から見て左側にあるのが「左近の桜」、右側にあるのが「右近の橘」ということです。

「左近・右近」というのは、平安京内裏の紫宸殿(南殿)の東に桜、西に橘が植えられており、儀式の際に桜の近くに左近衛が、橘の近くに右近衛が陣をしいたので、こう呼ばれます。

しかし、なぜ桜と橘を御所に植えるのかは知られていません。

伝統や文化には、時間が経つにつれて、その意味や理由が分からなくなり、形だけが残っているものがたくさんあります。

歴史書「ホツマツタヱ」によると、アマテルカミ(天照大御神)が、ハラミの宮(富士山南麓)から、イサワ宮(伊雜宮)へ宮遷しを行い、南の殿に橘を植えて『カグの宮』とし、東に桜を植えて『ウオチ宮』としたとあります。

「カグ」は橘の古称、「ウオチ宮」は内宮、皇居のことです。

そして、ここからが大事なことですが、それぞれの木には役割がありました。

それは、カグ(橘)は、政り事(政治)の是非、サクラ(桜)は、イセノミチ(夫婦の仲)の良し悪しを映す『モノザネ(物実)』とされたということです。

カグの木の花が咲かなかったり、枯れたりすると、政治に問題がある、サクラの木に問題があると、夫婦の仲に何か問題がある、という知らせとしたのです。

その後、カグの木の異変から、出雲のオホナムチの慢心が明らかになり、いわゆる国譲りとなります。

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