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総合商社に見る、企業の収益力とは

昨日はソフトバンクGの2020年度の決算発表があり、ほぼ5兆円の純利益と発表。ただ多く記事で書かれているように、その大部分が未実現の評価益であるため、稼ぎ切った利益ではないものの、そこまでの所謂収益力を持ってこれる、孫さん(IRR43%の男、とご本人は仰っていましたが)はさすがだな、と思いました。

上記ソフトバンクGのように投資会社へと変革しているのは、日本の大手総合商社だと思います。ソフトバンクGはAI革命を軸に、未上場ユニコーン企業へのベンチャー投資に特化してますが、商社は様々な地域の(特に成熟したビジネスが多いですが)の企業へ投資を行い、異なる事業群から収益を上げている、という仕組みです。

2020年度の決算概要や比較は下記記事にまとまっておりますので、ご確認ください。

こちらの記事にもありましたが、個人的に気になったのは住友商事の収益力の低下、であります。特に2020年度の大きな減損案件を考慮しても、2021年度に来るであろう、コロナ禍からの回復という景気循環を取り込めない状態になっているようです。

(一過性の損失を除くベースで)
2020年度の利益水準ー1980億円の黒字
2021年度の目標ー2300億円、2022年度ー2600億円、2023年度ー3000億円

例え景気回復がなされても、目標は前年比で10%程度の成長のみを見込んでおります。また10%増の大部分は資源権益関連(鉄鉱石、石炭、金銀銅、モリブデンなど)。ここで個人的に疑問に思ったのが、下記のとおり。

『あれ、資源あまりやりたくない、とか言ってませんでしたっけ?でも稼がせてくるれるのは、結局資源?。他の資源以外の事業は要するにこれから成長しにくいってこと?』

またこれからはESGへの気遣いも重要となり、石炭系事業は採算がとれ、途上国などのエネルギーニーズに適しているにも拘らず、投資家や他のステイクホルダーからは、マイナスの見方をされることも多いでしょう。実際にENEOSホールディングスは石炭事業から撤退、をするそうですし。

企業の収益力向上は一夜にして築けるわけではなく、日々の地道な貢献がものをいうと思います。同時に日本の優秀な方々が集まった総合商社でも、ソフトバンクGのように、伊藤忠は強いリーダーシップのもと大きく成長していますが、一方で住商のように持続して成長することが難しいというのも、組織の作り方も含めて転換点のようなものがあるのかな、と感じました。

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