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世界経済の牽引役、中長期ではガス欠懸念も

コロナ禍において、唯一経済成長を遂げている、コロナウイルスの発生国でもあった中国。2020年7-9月のGDP成長率は前年同期比で4.9%成長と発表があり、市場予想(5.2%)を若干下回ったものの、4-6月期の3%成長からも上向き、とのこと。

GDP世界第二位の中国や第一位の米国の最悪期脱出もあり、世界全体のGDP見通しは少しずつ上方修正(マイナス成長率の幅が縮小)へ行っている模様。前回のリーマンショックの際でもそうでしたが、世界経済成長回復には中国の大きな回復が不可欠であるんだな、と改めて感じた。

一方で中国で2010年近くまで敷かれていた、所謂一人っ子政策による人口抑制政策と、その政策が終了した後も、経済的に裕福になったことも起因し、他のアジア諸国(日本、韓国、台湾など)のように、出生率が1台ということで、人口減少は免れなさそう。争点はどれまで人口減少するか、ということだろう。

若者の急速な減少が背景にある。10年の国勢調査から試算すると、18~30歳の人口は12年の2.9億人から20年の2.3億人まで6千万人も減り、24年には2億人を割る。90年代に全国に広がった一人っ子政策の効果が本格的に出てくる。...国連の基本シナリオでは2100年の中国の人口は10億人を維持するが、人口問題が専門の米ウィスコンシン大学の易富賢研究員は「3億5千万~4億5千万人」と試算する。仮に3億5千万人まで減れば、人口で米国に逆転されかねない。

マクロ経済学の中で重要な『経済成長』において、3つの要素が経済成長に影響を与えるとされている。それは①資金量(所謂マネタリーベース)、②労働力(所謂就業者数)と③生産性(残差部分)であり、ここの重要な一要素の労働力がマイナスになった場合にどうするか、という議論である。

既に日本では直面している問題であり、アベノミクスがうまくかみ合っていた時は、①日銀の量的緩和による資金量の増加と②経済成長による、女性推進や外国人労働を活用した、労働人口の増加と共に、③鈍い生産性向上を補っていた。

米国が世界経済のドライバーであった時から、一瞬そのバトンは日本へ移り、そして米国に戻ったかと思いきや、2000年代には中国へと渡った模様。今後中国の人口や移民政策などによっては、『経済成長』のバトンはもしかしてインドやインドネシア(東南アジアや南アジア)へ移るかも、とは思われるが、政治基盤が軟弱だったり、ポピュリスト台頭も見られ、一筋縄ではなさそう。



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