アセットライト?ヘビー?海運業の変化に見る時間軸のながれ
私自身はあまりエクスパートでないものの、他力本願的に海運業の突風的な好況と株価上昇に支えられ、三日坊主のブログで閲覧数が一番多い記事は海運関連です。
リーマンショック後は、それまでの好況下で造船の注文をしていた海運業者が、市場の(船の)供給過多が原因となり運賃低下となっており、日本の海運会社は資産売却(アセットライトモデルへの転換)を迫られました。一方で海運で自社船保有率の高いマークス社の株価が、他の海運株(自社船比率が引き銘柄が下落基調)と相反する動きをしているようです。
背景には、需給逼迫で未曽有の高水準にあるコンテナ船の市況について「運賃は今が天井。来年2月の春節まで横ばいでそこから下落に転じる」との見方が市場で強まっていることがある。なぜ市況が悪化するとマースク株が注目されるのか。カギは自社船を多く保有する戦略で知られる同社の船舶資産の重さにある。通常、重い資産は減価償却費負担や減損リスクから効率経営でマイナスとされる。...しかし、運賃市況の悪化時には重たい資産が不況抵抗力を発揮するケースがある。海運会社では、他人から船を借りる際に支払う用船料が上昇したり、海運会社が受け取る運賃が低下したりすると採算が悪化する。...「逆ざや」はありえない話ではない。先々の運賃低下リスクに加え、用船料の上昇も顕著なためだ。
海運業で運用に関して、大抵船主とオペレーターが異なり、また依頼主とオペレーターが長期契約に加えて、短期(スポット)契約等を結び様々なアレンジをします。一方で造船は注文をしたのちに、納品されるまでかなり時間が掛かるとされ、海運各社(所謂オペレーター)はあまり積極的に行わない、といった事情があります。
アセットの機動的切り替え(売買)が難しい、インフラのような業界において、経済のサイクルがグローバル化、短期化する中で、どのように企業が経営判断を逐次下していくか、面白いな、と感じました。
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