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過去投稿からの進化・変化⑳対応も俊敏に

昨今の中国政府による、ITプラットフォーマーへの圧力や民間の教育事業者への非営利化への指導など、急激な方針転換がみられた(下記投稿を参照ください)。

その方針転換を受けて、企業側も変化に対応してきました。一つの例として従前米国でのIPOを目指していた、TikTokを保有するバイトダンス社ですが、既に2021年末の香港上場を目指して最終ステージ、という具合の模様。

After postponing its overseas listing this year, ByteDance has spent the past few months addressing Chinese regulators’ data security concerns, one of the people said, including providing more detail to authorities on how it stores and manages consumer information. “We are expecting final guidance from ByteDance in September. They are submitting all the filings with Chinese authorities right now and are going through the review process,”

また中国の国営企業は去る5月に米国での上場廃止が決まった後に、今度は上海上場へ進んでいるとのこと。国家データセキュリティ法や対中国政府対応にも、やはり中国国内の市場に上場すれば、指導が少ない?といった具合でしょうが。

5月に米国の証券取引所の上場廃止が決まった大手2社は近く上海証券取引所に上場する方針で、試算を含む資本調達の見込み額は1.7兆円規模に達する。事業戦略面でも国内重視が鮮明だ。かつてはグローバル化を志向していたが、米中の対立や規制を背景に海外展開はしばらく停滞することになる

加えて今回の教育事業における方針転換で、所謂抜け穴探しを直ぐに封じ始めている中国政府も俊敏だな、と感じた。

上海市は9月の新学期から小学生の期末試験で、これまで実施していた英語の試験を除外する。試験の回数も減らす。学生の負担を軽減するためというが、同時に「習近平思想」を必修にして思想教育は徹底する。...習指導部は「(受験競争の激化が)放課後の自由な時間を奪い、小・中学生に多大なプレッシャーを与えている」と問題視する。放課後の学習塾や家庭教師の利用は教育費の増加につながっており、少子化を助長する要因にもなっている。中国最大の国際都市である上海市の取り組みは今後、ほかの都市にも広がる可能性が高い。

勿論既に民間企業は義務教育での塾などはやってはいけない、という制約になっているが、学校での試験や要求を変更させることで、更に”抜け穴塾”のようなところへ通わせるインセンティブを減らす、というダイナミックな対応にすごいな、と感心する。

変化に対する政府と民間でのいたちごっこは今後も続くだろうが、互いの変化へ順応する速さは、やはり目を見張るものだと思う。



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