過去投稿からの進化・変化㉓-気候変動による保険値上げと四半期決算開示とは

過去投稿からの進化・変化が見られたトピックがいくつかありましたので、少し纏めてみたいと思います。

以前の投稿にも書いたように、足元温暖化はより加速しており、多くの国々が温室効果ガス削減への抜本的な取り組みを表明しています(実施されているかはまだわかりませんが)

その気候変動の影響を我々レベルでも感じることができるのが、所謂自然災害を通じた保証金を支払う側である、火災総合保険会社による火災保険の値上げがあります。気候変動は我々のお財布にもマイナスな影響が出てきている、という例の一つだと感じます。

損害保険大手は割安な10年の契約を廃止し、5年ごとの更新に短縮する。対象は2022年10月以降に契約する火災保険。保険料は契約期間が長いほど割安で、契約期間の短縮は実質的な値上げとなる。台風や豪雨などの自然災害が頻発し、リスクの予測が難しくなっていることが背景にある。気候変動の影響が身近な火災保険にも及んできた。…火事や災害で生じた住宅の被害を補償する火災保険は36年間という超長期の契約も可能だったが、15年に最長10年に短縮した。わずか7年で再び短縮するのは、近年の災害発生が想定を上回り、保険金の支払いが増えていることが背景にある。保険会社にとっては保険料を見直す機会を増やす狙いがある。

もう一つのトピックは、上場企業の四半期決算開示に関する話題です。

岸田首相の考えでは、株式市場の短期志向を是正する一つの策として、四半期決算開示の要求を緩めるのでは、と言われています。

一方で上記記事によると、海外の研究事例は多いものの日本の研究はまだまだの模様。

日本では03年に証券取引所のルールで上場企業に義務付けられ、08年には金融商品取引法の対象になった。東京経済大学の藤谷涼佑専任講師が01年3月期から09年2月期までのデータで変化を調べたところ、義務化後に企業による投資が増えていた。情報が増えると投資家は株式に投資しやすくなり、結果として企業の資金調達コストが下がり設備投資などが増えるとの研究は海外にも多い。内外で研究結果が異なる理由の一因は市場の圧力の違いとの見方がある。00年代の日本企業は「株式市場からのプレッシャーが欧米に比べて弱く、開示がないと経営者は守られていて思い切った決断をしない傾向があった。日本の経営者の短期志向はもっと別の要因だ」と藤谷氏は説明する。エルンストベルガー教授の研究でも投資家からの圧力が強いほど短期志向の行動が増える。

これから株式市場・資本市場からの圧力にどう上場企業たちが立ち向かうか、若しくは非上場化するかも含めて、各プレイヤー(東証などの市場提供者、証券会社、上場企業側、投資家)での立場によって見解が分かれそうだ。



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