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火には水で対応できるが、レッドオーシャンには?

特に首都圏では、コロナ禍でより日常的な存在となったフードデリバリー。また各社クーポンをガンガン売って、激しいシェア争いを続けている。

 「現在の事業環境に鑑み、経営資源を集中すべくサービスを終了させていただくこととなりました」…2014年5月に始めたフードデリバリーサービス「dデリバリー」だ。21年6月にはすべてのサービス提供を終える。…調査会社のエヌピーディー・ジャパン(東京・港)によると、20年の市場規模は6030億円の見込みという。19年に比べて44%増と急拡大した。市場が伸び盛りの今、なぜドコモは撤退の道を選んだのか。…「(独自で展開すると)すごくもうかるわけではない一方で、マーケティングコストはかかる。検討を重ねた結果、キャッシュレス決済などに注力してフードデリバリーサービスは一度終了することにした

詳しくは上記記事に書いてあるが、出前館からUberEatsやmenu、そしてWattsにフードパンダへとデリバリーの競争相手はどんどん広がっている。

ここからはどこが「勇気ある撤退」をしてくるか、という市場に変化していると思うが、フードデリバリーという成長市場も、既存プレーヤーは赤字だらけなのに、新たなプレーヤーが入ってきて、正に直ぐに真っ赤なレッドオーシャン化へ。誰が勝ち抜けるのだろうか、また他業種のような三社寡占?に近い形に収斂してくのか。

話は変わって金融業界へ。所謂サプライチェーン金融にて事業拡大をしていた、英国のグリーンシルキャピタルの破綻について。同社にはソフトバンクグループのビジョンファンドが投資していたり、クレディスイスの資産運用部門も損失を被り、部門再編へと動いたりしている。

英金融サービス会社グリーンシル・キャピタルの経営破綻が波紋を広げている。…ただ今回の騒動で先行きへの不安が増しつつも、事の重大さへの理解が広がらないのは、グリーンシルの資金融通の仕組みにも起因する。「サプライチェーン・ファイナンス(SCF)」。…一般に、企業の商取引は一定期間内での取引額をまとめる「掛」での取引が主流だ。実際にお金を支払う・受け取るという決済と、取引の間には時間差が生じる。グリーンシルはこの差を使い、請求書をはじめとした売掛債権を同社でいったん買い取ることを生業としてきた。企業側にしてみれば支払資金の繰り延べにつなげることができたり、反対に期日前の早期受け取りが可能になったりする。…買い取った売掛債権を証券化。小口に分けたり、ファンドに組み込んだりして投資家に販売することで、融通資金を得ていたというわけだ。

ここで問題なのは、日本の保険会社である東京海上ホールディングスのオーストラリアの子会社が、グリーンシルが持つ売掛債権が回収できなくなった場合、損失を補償する契約を結んでいた、という事実であり、契約対象は約8000億円分とのこと。同社の今期決算の大きな損金(積立金)になるだろうが、それ以上にこの問題は、保険業界が収益を生みにくくなってきている、規制業界なのにレッドオーシャン化している、ということではないだろうか、と考える。

また上記記事の保険大手のチャブやハートフォードも合併へ、とより規模追求型の業界へと変わりつつあるのでは、と感じる。レッドオーシャン化する市場に勝ち続けるには、やはり資本の力と規模追求、なのだろうか。



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