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今日の安倍総理の会見よかった

※ この記事は政策の是非ではなく「コミュニケーションの仕方」の話です。


4月17日18時から安倍総理の記者会見
プッシュ通知がスマホに表示されました。

実は、
「また会見するのか。。。しょうがないな。見るか。」
という気持ちでした。

見てみたら、今日の会見すごくよかったです。


正直に告白します。


今まで安倍総理の記者会見「いいな」と思ったことは一度もありません


今日、初めてよいと思いました。

一生懸命伝えようとしていたと思いますし、説明も分かりやすく丁寧でした。


そして、何より真摯な姿勢を感じました。


説明の内容とよかった点を4つ、あげていきます。
※ 速報性を重視していますので、細かい言い回しは不正確なところがあると思います。


1. 政策の意図をちゃんと説明した


全国を対象とする緊急事態宣言と10万円の一律給付という、大きな政策の変更がありましたが、その「政策の意図」についてちゃんと説明がありました。

■ 説明の内容
3月の3連休の警戒のゆるみから、都市部から全国へ人が移動して感染を拡大してしまった。

7都府県の自粛要請の中で、一部にコロナ疎開という形で他の地域への人の移動が見られた。

まもなくGWを迎えるが、都市部から地方への人の移動があれば全国的な感染の蔓延を引き起こしてしまう。地方には感染リスクの高い高齢者が多い。

観光施設の休業も必要だろう。

期間をGWの5月6日までとして実施したい。


【千正のコメント】
10万円の一律給付の理由は、「みんなが求めているから」「国民との一体感が必要だから」という精神論の説明にとどまっているので、政策としての論理的な理由はありませんでした。

おそらく論理的に説明できないのでしょうからこれは仕方がありません。意図を一生懸命説明したところはよかったと思います。



2. 政争の具にしなかった


10万円の一律の給付について、一切政争の具にしませんでした。
また、一度決めた対象者を限定した30万円の給付を覆したプロセスの混乱へのお詫びもありました。


■ 説明の内容
ウイルスとの戦いを乗り切るためには、何より国民の皆様との一体感が必要。
一律に1人当たり10万円の給付を決めました。
厳しい世帯に30万円配ろうとしていたが、一律給付を求める国民の皆さんの声もありました。与党の皆さん、野党の皆さんの声もありました。
6兆円⇒14兆円を上回る規模になります。補正予算を組み替えて速やかに配りたい。

ここまでのプロセスで混乱を招いたのは私の責任。
お詫びをしたい。


【千正のコメント】
僕は、まだ今の社会に最適な政策形成過程をこの国は作ることができていないと思っています。また、国民の生活や価値観も多様化している中で全てを予見して政策判断することが難しくなっています。

だから、一度下した政策の方針を変えるということは、これからもあると思います。

むしろ、どのように変更していくのかということが大事になってきます。
今回はよかったのではないかと思います。

特に、この政策方針転換がどの政党の、あるいは政治家の手柄かということは、ハッキリ言って国民に関係ないので、そういう話をすると国民はしらけてしまうだろうと思います。


3. 外出自粛と医療を守ることの関係を分かりやすく伝えた。

今の皆さんの行動が、2週間後の感染の拡大を抑えることができることを明確に伝えました。


■ 説明の内容
(医療崩壊の危機を説明した上で。。。)私たち全員が、今不要不急の外出を防ぐことで、2週間後の感染を劇的に防ぐことができる。2週間後の感染は今の私たちの行動にかかっている。
間違いなく、2週間後の医療現場の負担を減らすことができます。

2週間後の医療現場の状況を決めるのが、まさに今なんです。
未来は、私たちの今の行動にかかっている。


【千正のコメント】

分かりやすかったと思いますし、話し方も国民に直接お願いしようという雰囲気が感じられました。

実は、上に書いた内容の前に、以下のようなこれまでの会見で多く見られた「感動するスピーチ」の教科書に載っているような装飾性の高い内容がありました。


現実に必死に立ち向かっている現場の皆さんに、
私たちは心から敬意と感謝を表すことができます。

現在の厳しい状況に全力で立ち向かっている医療従事者の皆さんに、
全国各地で拍手を送り、また、ライトアップを行って感謝の気持ちを示す取組が行われています。

ありがとうございます。

でも、私たちには、もっとできることがあります。
それは、目の前の現実に立ち向かうだけでなく、未来を変えることです。



コロナの会見で、こういうカッコイイのはなくてよいように感じました。



4. 話し方が気持ちも入っていたし、態度も真摯だったように感じました。


今までの会見は、政府がこういうことをやっていますという「説明」をしているだけで、国民に本当に行動を変えて欲しいということを、「伝えたい」という印象を全く感じませんでした。


今日は違いました。

政策の意図や変更の理由についても、丁寧に説明されていましたし、安倍さんの国会答弁の常套手段である反撃もなかったですし、誰かを悪者にすることもありませんでした。

そのことによって「国民に伝えたいんだ」という気持ちが伝わってきたように思います。

野党や批判的なメディアに反撃したら、そのとき安倍さんの心理はその野党やメディアに向かっているんです。その構図は視聴者に伝わってしまいます。

だから、こういう会見で国会質疑みたいに反撃しては絶対ダメなんです。(ホントは国会質疑でも止めてほしいですがとりあえず。。。)


若干、朝日新聞のマスクの質問の時にちょっと朝日新聞を揶揄しかけましたが、何とか我慢されたと思います。


現場の人への敬意も伝わってきました。

防護服やマスクを充分配れていないことにも総理大臣として申し訳ないと言ったのもよかったと思います。(全力で配布するための取組にも触れていました)


5.その他のお話(参考)

■ その他の総理の説明

その他、医療防護具、マスク等の増産、医療機関等への配布、初診のオンライン診療を解禁したので積極的に活用してほしいとのこと。

各地の医師会の協力を得て、検査センターを設立する。
自衛隊による医療の支援

資源を重傷者に集中することで医療現場の負担軽減。

医療従事者への処遇の改善


■ 質疑応答

記者からあった質問は以下の項目と思いますが、いずれも丁寧に説明されていたと感じました。

星野源さんの動画については、「若い人に外出を自粛して欲しいと伝えたかった。(賛否両論あったのだろう。」」と率直に思いを答えたのは、とてもよかったと思いました。

よかれと思って言った親父ギャグが滑ったお父さんみたいで、ちょっと好感持てませんかね?

・飛行機や鉄道に減便を要請するのか?
・10万円の現金給付の政策変更についての自民党内の手続
・布マスク、星野源さんとのコラボ動画など
・5/7以降の対応
・選挙をどうするのか
・総理記者会見の人数制限など在り方
・緊急小口資金の窓口の混雑や対応の課題
・WHOに対するスタンス

あ、ちなみにですが、
昭恵夫人のことを質問しなかった記者の皆さんもよかったです。


今日は以上です。
ちなみに、僕は安倍さんのファンではないし、自民党がいいとか言いたいわけでもありません。そこだけご理解ください。

一般の人と政策を作る人の距離を縮めて、
よい政策がつくれる環境を目指しています。


千正と意見交換してみたい、みんなと一緒に考えてみたいという方は、こちらのサークルをご覧いただけますと幸いです。(↓)


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