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【動画付】政策起業家イベントPEP

皆さんは「政策起業家」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

私たち一人ひとりが当事者として、政・官・民・学・NGO/NPO等が垣根を越えて社会課題解決のために真剣に政策過程と向き合う、つまり政治家や官僚といった伝統的に政策を作ってきた人たちだけでなく、多様なセクターに属しながら、政策を作り実現に向けて働きかけていく存在のことです。
自己利益の追求ではなく社会をよくしていきたいというところがロビイストと少し違います。

20年近く、官僚という立場で政策づくりにどっぷり浸かってきた僕が過ごした時間は、正解を知りたくて民、学、NGO/NPO、政の分野にアウトリーチしてきた時間でした。

その過程でたくさんの仲間が出きたわけですが、退官した後も自由な立場になって以前からの仲間や新しく仲間になった人たちと、政策をつくったり、社会をよくする事業をつくったり、発信を続けたりしています。

そうした活動をしている中で、政策起業家のプラットフォームとして立ち上がったPEP(Policy Entrepreneur’s Platform)のイベントが開催されるということで、登壇のお声がけをいただきました。

そのコンセプトは、僕が理想の政策を作るために追い求め続けているものと極めて近いですし、他の登壇者も素敵な方ばかりなので、参加させていただきました。

今日は、その報告です。



1. イベントの概要と登壇者



【イベントHP】
https://peplatform.org/event/2020summer/

そうそうたる顔ぶれの中で新参者として参加させていただきましたが、とても楽しかったです。

僕が登壇したパネルディスカッションは、こちらです。

Session 1 – B 政策のラスト・ワンマイル:政策アウトリーチ
〜「申請主義」からの脱却。必要な人に必要な支援を届けるためには〜
[モデレータ] 藤沢烈 一般社団法人RCF 代表理事
駒崎弘樹 認定NPO法人フローレンス代表理事
千正康裕 株式会社千正組 取締役
山本香苗 公明党 参議院議員
渡辺由美子 NPO法人キッズドア代表

藤沢烈さんは、被災地支援に取り組む一般社団法人RCFの代表で災害支援の他、最近では国家公務員のNPO兼業の推進や各種NPOの運営支援にも取り組んでいる方で、まさにセクターを超えて社会課題解決のために活動している方です。僕自身も、8年くらいの付き合いになります。

駒崎弘樹さんは、社会起業家として有名ですが、NPO法人フローレンスで保育や子育て支援などの事業を展開するとともに、民間の立場から様々な政策の働きかけをして実現してきた人で、まさに「政策起業家」を地で行く人です。はじめて会ったのは、やはり8年くらい前だったと思いますが、厚労省時代から政策面でも色んな話をしていて、今でも一緒に政策を作る仲間です。

山本香苗さんは、参議院議員で元厚生労働副大臣です。彼女の厚生労働副大臣時代は僕はインドの日本大使館で勤務していたので(身分的にもこの時は厚労省の職員ではなく、外務省の職員)、直接お仕えしていたわけではありませんが、長く厚生労働分野に取り組んでこられた方なのでもちろん知っていますし、僕が色んなNPO関係者のところに遊びに行くと、本当によく名前が出る方で現場の方の信頼が本当に厚い方です。僕が役所を辞めてから、困っている人を救うために色んなお話をフランクにさせていただいています。

渡辺由美子さんは、子どもの貧困問題に取り組むNPO法人キッズドアの代表です。厚生労働省の有識者会議の委員をやられていたりしますし、NPO業界では有名な方なのでもちろん存じ上げていましたが、このイベントではじめてお話する機会をいただきました。当事者への優しさと政策実現のために伝えるための理性の両方を持ち合わせた方で、やはり代表的な「政策起業家」だと思います。


申請主義からの脱却というのは、僕が現役の官僚時代から福祉のパラダイムシフトが起こっていると学生向けの業務説明会や各種講演などで伝えてきたことです。

コロナ禍でも、様々な政府の支援策が中々必要とする人に情報が届かないという課題、本当に困っている人ほど声をあげられないという課題に微力ながら取り組んできました。


当日の様子が配信されましたので、よかったらご覧下さい。(PEPチャンネルから千正が登壇したもの以外のセッションの動画も見られます)



2. ラストワンマイルの秘密


なぜ、政策が届かないのか、当事者のニーズに合った政策を作り、届けるためにはどうしたらよいかというのを、官の経験から語らせていただきました。

何を話したかは、YouTubeを見て頂ければと思いますが、当日使ったスライドをあげておきます。

スクリーンショット (454)

スクリーンショット (455)

スクリーンショット (456)



3. 伝えることを続ける

PEPのイベントには、以下のような多様な方が参加されていたそうです。
・民間企業の方(政府や行政とのコミュニケーションを担当する方など)
・学生
・NPO関係者
・自営業の方
・教育関係者、医療関係者
・国家公務員/地方公務員
・政治家
・弁護士

僕は、本当に生活者に届く理想の政策をつくるということを実現したいという夢のようなものがありますが、そのために伝えていきたい方々が集まってきたような感じがしています。

参加された方や動画を見て下さった方が、考えるきっかけやヒントを少しでも持っていただいたり、多少なりとも色んな方の取組みをエンカレッジできればとても嬉しいです。

ただ、こうしたイベントだけでは、とてもじゃないけど退官後の活動も含めた僕が伝えたい「政策のつくりかた」をお伝えしきれません。

企業やNPO等のコンサルティングは、社会をよくする人たちとパートナーシップを組んでダイレクトに僕のノウハウを使っていただいて加速できる貴重な事業ですし、民間の人と一緒にものごとを前に進めていく経験が僕の血肉にもなっていてとてもありがたいことです。

でも、コンサルも限られた人にしかノウハウをお伝えできません。

もっと、多くの人に伝えていかなくては。
それが、僕がこのイベントに登壇して感じたことです。
そのための方法を今考えています。
形になったらお知らせいたします。

気軽に千正と交流したり、政策のことなどを聞いたり、議論したりしたい方はこちらをのぞいてみて下さい(↓)。


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