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祖谷山ランバージャック (全8話 7,631文字)


1.プロローグ


徳島の山奥に大歩危(おおぼけ)、小歩危(こぼけ)という渓谷があり、その山奥の村に住んでいた頃の話を書こうと思う。

ラフティングのツアーガイドという仕事のため、この山奥に住み始めたのだが、週末の2日間しかお客さんが来ない日々が続いていた。

それでも最初の頃は、先輩とラフティングのトレーニングとしてボートで川を下ったり、カヤックの練習でスキルアップに努めていた。

しかし、客を乗せない事にはお金にならないので、山菜を採ったり、畑で野菜を作って何とか凌いでいた。

ラフティング

山師と呼ばれるキコリの仕事をされている人が周りに何人かいた。その中の1人、国さんと呼ばれる親方から声がかかった。

「暇しとんやったら、山行かんかえ?」

杉や桧の木を伐採する仕事だと言う。当時の僕は、二つ返事で

「明日からお願いします」

と答えた。山師の仕事は朝が早い。弁当を持って7時に親方の家まで行き、トラックに乗り換えて現場へ向かう。

現場にはもう1人、地元の山師のおじさんが来ていた。

だいたいはこの3人で仕事をする。ラフティングの予約が入っている日はその仕事を優先させてもらっていた。

雨が降ると山師の仕事は、休みになるのだが、多い時は週に5日、親方のところでお世話になった。

また山師の仕事は多岐にわたる。まずはチェーンソーを使って50〜60年生の立木を根元から伐倒する。

後で伐倒方法を説明しようと思うが、20町歩の山を皆伐するという壮大なスケールの仕事であった。親方は、

「あの向こうに見えてる山のてっぺんから、谷を挟んでこっちの山まで全部や」

とざっくり説明してくれた。1町歩が約1ヘクタール(100m×100m)なので、20町歩はだいたい縦に500メートル横に400メートルといったところか。

要は全て伐り倒す。これが最大の使命であって、

「倒す方向がどうのこうのなど、細かいことは、気にするな」

と初日の数時間だけ、親方にチェーンソーの使い方と伐倒方法を教えてもらった。

「失敗を経験して、覚えていくもんや」

これが国さんのスタイルで、男らしく、いさぎよい感じが好きであった。

4年に渡って経験した山での出来事を少しずつだが思い出して綴ろうと思う。


2.山師の格好

2004年に徳島県の山奥、祖谷山村で山師の仕事をはじめた。
世間一般では、林業と呼ばれ、森林組合や大きな資本のある会社がやっている事業とやり方は違うが木材の素材生産というゴールは同じである。

大きな違いは、大人数でやるか、3人で全てを終わらせるかという所である。自分は山師の方法しか知らないので、それを少しずつ紐解いていこうと思う。

前回の伐採の方法について、もう少し詳しく書こう。教科書には、

「ロープと滑車を使って一本一本倒す方向に引っ張る」

と書いていたりする。しかし、3人で20町歩の山を切って出すことを考えればその方法では到底無理だ。


谷に向かって勢いよく伐り倒す。これを親方から教えてもらった。奈良県の吉野林業では山側に倒すと言われているから真逆の方向である。

「受け口なんか下に向いてて、三角になっとったらええねん」

と講習では2時間以上かけて、説明するところをたったの10秒で終わらせ、実際にやって見せてくれた。そして2本目を

「ほな、伐ってみるか?」

と山仕事を始めてまだ数分後の僕にやらせてくれた。

生まれて初めてのチェーンソーは直径40センチ程の杉を伐り倒した。木を切り倒す方法として受け口・追い口・ツルという基本的な技がある。

それぞれ極めるには、それなりの年月は必要かもしれない。しかし、谷側に伐り倒すのは基本的にそれほど難しくない。

まず伐倒方向に受け口を作る、それの反対側から追い口を入れ始め、チェーンソーバーの2枚分くらいまで切り進むとクサビを入れ込む。

このクサビというのは薄いくさび形の道具で強化プラスチックで出来ている。堅い木で作ってもいいのだが、すぐに割れるので市販の物を使う。

クサビ

これをセットハンマーで打ち込むのが、伐倒では1番大変な作業である。ちなみにこのクサビを入れずに切り進むとチェーンソーの刃が挟まれ悲惨な事になってしまう。

その初歩的なミスはベテランでもやらかす事があり、この対応はまたの機会に書きたい。

そうして立木の伐倒という作業は、チェーンソー、クサビ、セットハンマーがあれば何とかなりそうだ。また、腰に鉈(なた)と鋸(のこ)をぶら下げるのが祖谷の山師スタイルである。

もう一度だけまとめよう、肩にチェーンソーを担ぎ、腰袋にクサビとセットハンマーを入れ、鉈と鋸をベルトにぶら下げる。

これで一人前の山師の出来上がりである。


3.危険な仕事


2004年に徳島県の祖谷で山師の仕事をはじめた。前回の伐倒方法とその格好についてもう少し詳細を書こうと思う。

基本的に杉や桧などの立木を谷側へ伐倒するのは簡単である。なぜなら、枝は斜面に沿って生えており、立木の荷重はほとんどが谷側にかかっているからだ。逆に山側に倒すのは、とても大変である。

まず、立木の直径4分の1を目安に受け口を作り、その反対側から追い口を入れていく。

前回にも書いたが、ある程度切り進むとクサビを打ち込む。追い口はなるべく水平に切っていくのがポイントである。

また、チェーンソーの刃の長さが18インチ(45センチ)だったので、それ以上の太い幹を切る場合は、途中で左右を入れ替えなければならない。直径が90センチまでの立木は切れるということだ。

そしてクサビも2本、3本と必要になることもある。当初は、セットハンマーを使っていたが、大径木を主に切るようになるとクサビを打ち込むのは斧を使うようになる。

大径木の伐採


これは斧の刃先ではなく斧頭と呼ばれる刃の反対側でおもいっきり叩く。

「斧を担いどるとこ見ると、ホンモンのキコリみたいじゃな」

と友達によく言われた。ここでもう一度、山師が伐採で山に入る身なりを見て見よう。

まずチェーンソーと斧を肩に担ぐ、そして腰袋にクサビ、ナタとノコをそのベルトに吊るして歩く。

あと、ガソリンを4リットル2本、チェーンオイル1リットル。そしてお弁当と水筒を持って山に登る。

車から現場まで、1時間以上かけて歩く場合もあるので、車に戻る行為は2時間の無駄となる。

「林業は危険な仕事だ」

とよく言われた。確かにそうであろう。

このような重装備のいで立ちをして足場の悪い急傾斜で作業をする。天候は変化して、現場の状況は常に変わる。

前に少し触れたが、ある教科書ではこの状況でロープと滑車を使って倒木すると書いてある。

机上の空論とはこのことで、実際に現場でそれをやろうとすれば、3倍の人手と時間が必要となる。

森林組合や資本力のある企業では、可能かも知れないが、3人しかいない我らには到底無理であった。

架線集材イメージ



4.祖谷の追い山


2004年に徳島県の山奥で山師の仕事をはじめた。約20年前の記憶を綴ろうと思う。

前回まで伐倒の話を主にしてきたので、今日は弁当の話を書きたい。当時は山小屋のような所で一人暮らしをしていた。

その頃、僕は自炊の経験が乏しく、ラフティング仲間ともたまに会う程度で、近くにご飯を作ってくれる人はいなかった。

そんな僕の弁当作りだが、まず、炊飯器のタイマーを夜にセットすれば、翌朝、炊き立てのご飯が食べられるのを知る。

また朝起きて、まずコーヒーを飲む習慣がある。インスタントの味噌汁を大量に買い溜めて、コーヒーと一緒に作った。

自炊を始めた頃、土方弁当と呼ばれる型のお弁当容器を使っていた。

(ドカベン)


一番底にインスタントの味噌汁、そして大きい器に白ご飯。さらにオカズを入れるであろう容器の中に缶詰めを入れていた。

最速2分で出来る弁当の完成である。缶詰だと容器を洗う必要もない。冬場に焚火で暖める、さばの味噌煮缶の弁当は最高に美味しかった。

「缶詰めばっかり食っとらんで、アマゴ釣りんさい」

と親方が家の前でアマゴを釣ってきた。アマゴはとても賢い魚で、人影を見ると食い付かない。岩に隠れるようにして釣る方法を覚えた。

仕事から帰って日暮れまでに5、6匹は釣れるようになった。この経験が今でも生きている。

冬になり魚が釣れなくなった頃、親方が、

「追い山に行かんかえ?」

と追い山と呼ばれるイノシシ猟へ連れて行ってくれた。国さんは地元の猟師として有名で、犬を5匹も飼っていた。


一面真っ白な銀世界の雪山では、虫の音ひとつ無く、ひたすら静寂が広がっている。そこに発信器をつけた猟犬と並んで歩く。

犬と自分の呼吸音だけが、静かな森に聞こえていた。

「猪の足跡を見つけたぞ」

と誰かが言った。親方は皆んなの持ち場を決め、犬を放す。するとさっきまで静寂の世界から一転して、急に凄まじい喧騒がひろがった。

けたたましく吠える犬と牙を剥いたイノシシの命を賭けた闘いである。

さっきまで優しく接していた犬たちが、目を血走らせて、何倍も大きなイノシシ相手に飛びかかっていった。

「早く撃て!!」

と無線で親方から指示が出るが、僕は手が震えて狙いが定まらない。

「ズドーーン」

耳が裂けるような音がした。そしてイノシシは頭から血を流してバタンと倒れる。後から駆けつけた猟師が撃ってくれたのだ。

群がる犬を払い除け、剣なたでトドメを刺す。心臓から血を抜きとるのだ。

真っ白な雪の上を大量の血が流れ、苦しそうにしていた猪の息が絶えた。


5.追い山は犬しだい



2004年に徳島県の祖谷山で山師の仕事をはじめた。前回の狩猟の続きを書こうと思う。

祖谷(イヤ)の村にも狩猟期間というものがあり、毎年11月から翌2月末までが追い山と呼ばれるイノシシ狩りができる。

また、年末ごろに雪が積もり始めるので年明けから2月末までは毎日犬を連れてイノシシ猟に出ていた。

「追い山は犬しだい」

と親方は何度もその言葉を口にした。この猟犬は自分たちでリーダーを決め、団体で行動する。

そのリーダーの良し悪しで捕獲の大きさと数が決まるらしい。

少し小柄だが人懐っこい紀州犬がいた。名前はハル。自分より身体の大きい4匹を従えて、猟に出れば決まって獲物を捕まえた。

彼らは20から30キロの体重で、100キロを超す猪に立ち向かっていく。しかもイノシシの牙は鋭く、まともに闘えば勝ち目はない。

それでも血走った目をして、果敢に飛びかかっていく姿はとても恐ろしく見えた。

僕は何度か犬を病院に連れて行った。猪の牙で腹を裂かれ、何針も縫う手当てを受けたこともある。

「追い山は犬しだい」

ある日ハルが怪我をしたので一時期、療養していた。その間は別の犬がリーダーとなり、猪を追ったが、捕獲出来ない日々が続いた。

たまに獲れても小さい猪であった。

そうしてハルが戻ってきた。すると他の4匹の動きが違って見え、いきなり大きな獲物を捕まえてきた。

「ハルがおらな、追い山にならんわい」

と親方の横でシッポを振るハルは猟師たちを和ます力も優れていた。剣山の麓は国立公園の原生林が広がっている。

その日は少し遠出して追い山をすることになった。

やがて大きなイノシシの足跡を見つけ、親方は持ち場を決め犬を放した。いつものようにハルが先頭で4匹の猟犬が続いて走る。

ところが、いつまで経っても犬の鳴き声がしないのと発信器が届く距離を超えてしまっていた。

慌てて車で探したが、見つからず、その日は帰る事になった。それから数日は無線機を持っていろんな所を走り回って探した。

しかし見つからず、諦めかけた7日目にひょっこり5匹の猟犬が帰ってきた。

「こんのど寒い中、どこほっつき回っとったんや」

と親方に怒られるハルの姿は、雪山の中、何日も旅をしてきて、とても逞しく見えた。


6.架線集材

2004年に徳島県の祖谷山村で山師の仕事をはじめた。因みに、この年、熊野古道がユネスコの世界遺産に登録される。

皆伐という山にあった全ての木を伐り倒した後の工程を書こうと思う。

谷を挟んで両側の山の木が全て倒されている状態で、集材機を使って丸太を集める。まず、この架線の構築から見ていきたい。

ロケット屋と呼ばれる2人組がやってきた。そして土場から谷向こうの山に向けて打ち上げ花火の巨大な物をセットしていた。親方は、

「山の上の方まで撃ち込んでくれんかねー」

と彼らの作業を見ながら言った。この大きなロケット花火には、ナイロンロープがついていて最初に張るワイヤーロープの代わりになる。

「ドッカーン!」

大きな音の割には角度が甘かったか、

「国さん、すんまへん。.....思ったより下やった、、、」

一気に機嫌が悪くなった親方は

「拓よー、おまんが行って上げてこい」

と僕は川を越えてロケット落下の地点まで登った。さらにロケットについてあるロープを引っ張りながら、山の尾根近くまで持って上げた。

その辺り一帯だけはアンカーをとるため立木を残してある。とりあえず適当な木を選んで滑車を取り付けナイロンロープを引っ張った。

そして途中に3ミリ程の細いワイヤーロープの先端がきたところで引っ張るのを止め、次は滑車にワイヤーロープを通し直して、逆に引いてもらう。

集材機(ウインチ)

土場には集材機という装置があり、ここからは基本的にそれが全てを操作する。

またワイヤーロープが通れば徐々に太くて強度の強い物に換えていく。それに伴い山上のアンカーもより強固な物に変えていかなければならない。


索張り(さくばり)と呼ばれる架線の構築は山師の仕事の中でも一番難しく、また危険でもあった。

この書いている現場は僕が初めて経験した頃の事で、当時は何もかもが新鮮でとても思い出深い。

またの機会に集材作業や架線でワイヤーが切れた時の話を書ければと思う。


7.マムシの脱出


2004年に徳島県の祖谷山村で山師の仕事をはじめた。この年に新潟県中越地震が発生してマグニチュード6.8の最大震度7を記録した。

今回は集材機(ウインチ)を使った架線集材について書こうと思う。

索張り(さくばり)を終え、丸太を集める最初の作業は緊張がはりつめる時間である。

無線のトランシーバーで、ウインチを操作する山師のシゲさんと重機に乗る親方、荷掛けの僕が声を掛け合う。

「おろしてー!」または、「下げー」

と無線で言うだけで搬機が止まり、それについている滑車とワイヤーが降りてくる。

そして倒れている原木をワイヤーで結んで、合図を送る。

「上げ〜」

と、この言葉1つで杉の原木は宙に浮き、搬機に吊られて土場(どば)まで一直線に運ばれる。

また、土場には親方がプロセッサという重機に乗って、運ばれてきた原木を造材する。

「昔は、一本一本、手で寸法してチェーンソーで切っとったんやで」

と親方はこのプロセッサーが林業のやり方を変えたと言っていた。50年生の杉は約25メートルあり、4メートルで玉切りしたら5本は取れる(先端の部分は切り捨てる)

この作業をユンボのグラップルとチェーンソーでやっていたら、2人で30分はかかってしまう。もちろん枝払いもしなければならない。

それをプロセッサーは30秒でやってしまう。林業界の革命が起きたのだ。

話を僕の担当する荷掛けの作業に戻そう。木を切り倒した後の斜面は非常に歩きづらい。

しかも立木があれば、木陰で休むこともできるが、皆伐なので、木が全て倒されて、砂漠のように日陰がない。

冬でも山の直射日光は、暑く感じるので、真夏の集材は死ぬほど熱かった。あと虫をはじめ、蛇や蜂との闘いでもある。

そんな中、マムシが出ればラッキーと思うようになった。ウインチ乗りのシゲさんがマムシの捕まえ方を教えてくれたのだ。

頭が三角で灰色のしま模様が特徴のマムシは生きたまま捕まえ、ペットボトルに入れ、持って帰る。そして2週間、水だけを与えて飼育する。

その間、毎日水の交換をしてマムシの体内を綺麗にしなければならない。ちなみにマムシは1ヶ月水しか与えなくても余裕で生きている。

水を毎日交換して2週間後、焼酎の一升瓶にマムシを移したらマムシ酒の出来上がりである。これが2万円で売れた。

2,000円の焼酎が2万円になるので、マムシを見つけては必死で捕まえるようになった。

「拓よ〜、水を換えるときは気をつけやー」

とシゲさんに注意を受けていたが、ペットボトルの蓋を外し、水を棄てる隙に台所で逃げられたこともある。

その日の晩は、寝る前、ベットの周りにマムシがいないか気になって仕方なかった。そして、酒に酔った状態で水を換えるのはやめようと心に誓った。


8.エピローグ


2004年に徳島県の山奥で山師の仕事をはじめた。前回まで伐採、架線の索張り(さくばり)と集材の作業について書いた。

今回は作業道について書こうと思う。林内作業道には2つの種類がある。

1つはトラックなど、車両が通行できる道のことで、四駆の軽トラを走らせようとすれば、2メートルの道幅は欲しい。

2メートル幅の作業道を作るには3トンのユンボが最適である。切り株を抜き取ったり、盛り土をしたり、ユンボ1台で大体の道は出来る。

尾根筋を使って作業道を作れば、崩れることが少なかった。傾斜が急な場所はヘアピンカーブをきっていく。

この現場は皆伐する山なので、土場から尾根への道を1本だけ作った。

もう1つは人が歩いて通る道で、クワ1本で作る。クワで山側を少し削っただけだが、何度も通ることによって日々、道らしくなっていく。

「拓は山を歩くの早くなったなー」

と言われるようになったのは、クワで道をつけたからだと思う。ケモノ道とそのクワで作った作業道では、歩く速度が違ってくる。

最近だが、自伐型林業という講習会に行ってきた。こちらは2メートルから2.5メートルの作業道を高密度に張りめぐらせるといった新しい施業方法に興味をそそられた。

あと、皆伐は山にとってよくないと謳われており、それは山師を経験した者として納得がいくものである。

ここまで作業道の話なんて面白くないと思うので、祭のことを少し書きたい。

徳島で夏祭りと言えば阿波踊りである。

毎年徳島市では100万人が踊ると言われているが、県西部の田舎は池田町で小さな規模だが2日間に渡って行われる。

桟敷席はないが商店街にパイプ椅子を並べて、観客がちらほらいる。

「踊る阿呆に見る阿呆、
  同じ阿呆なら踊らなそんそん」

と見ているより踊った方が絶対に楽しい。地元の連に所属し、この日のために練習して本番を迎えた。とある地元の若い衆が、

「おりゃ〜、こっちが先に並んどんや」

などと田舎ヤンキーの喧嘩が毎年恒例であり、それらを所属の連長がたしなめて、商店街を踊り歩く。

鉦(かね)と三味線、大太鼓が踊りのリズムをリードし、篠笛がメロディを奏でる。

「ドン、ドドーン、ドン」

大太鼓のダイナミックな音が腹の底に響きわたり、躍動感で踊りをもりたてる。

「踊る踊りは阿波踊り
  アー ヤットサー、ヤット ヤット」

とお囃子が踊りを浮かせ、かけことばで大いに盛り上がり、声が枯れるまで声を出して、体力の尽きるまで踊り狂った。

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