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【BOOK ガチ要約】 金儲けのレシピ

 本書は、精神論・根性論ではなく、理論に基づいた金儲けの技術を伝えるものとしてまとめられた本である。しかしながら、「レシピ」と言うだけあって、具体的な実行方法や、活用方法をまとめた本ではない。その為、前提条件として、このレシピを元に現状のビジネスはどのように成り立っているのか?また、どのようなことができそうか?と想起して、自分なりに試行錯誤していくことが必要である。

■著者について
 著者は、普通よりも貧乏な大学生(社会人)だと語っている。それが今では年商○○億円の会社を持ち、SNSアカウントの合計フォロワーは○○万人を超えるようになった面白いストーリーの持ち主である。成功ストーリーを描いている本、と言うより、著者が知り得た金儲けのパターンについて、わかりやすく言語化した著書となっている。
 これから副業、サイドビジネス、起業、新規事業を作る人たちに向けて、金儲けのパターンを理解して、成功をつかんで行って欲しいとのことで著者は本を出したようだ。

■金儲けのパターン(レシピ)
 金儲けのパターン(レシピ)は、以下の15個+1個からなる。
  ●レシピ0 商売の原理原則
  ●レシピ1 消費者から買う
  ●レシピ2 客に作業させる
  ●レシピ3 まとめると高くなる、切り分けると高くなる
  ●レシピ4 1:n構造を作る
  ●レシピ5 両方から金をもらう
  ●レシピ6 合法的に麻薬を売る
  ●レシピ7 確率をいじる
  ●レシピ8 空気を売る
  ●レシピ9 意思決定に介入する
  ●レシピ10 仕入れで儲ける
  ●レシピ11 他人の財布を狙う
  ●レシピ12 高いものはいいものだ
  ●レシピ13 勝手に「権威」になる
  ●レシピ14 信者ビジネス
  ●レシピ15 究極のレシピ


■結論
  ①プロセスを見直す
  ②視点をずらす
  ③仕組みを作る
 上記3点が本著書の結論とする。
 本著書では、金儲けのパターンとして、15個+1個のパターン原理原則を伝えているが、大きく分けるとこの3つの結論から成り立っているように思える。

 ①プロセスを見直すは、全てのプロセスを疑い、それらを見直すことである。バリュージャーニー(価値の旅)と言う言葉があるように、価値を生み出すのは、流れ・プロセス(旅)がある。モノを作ろうとするところから、作って、運んで、売って、買って、使って、評価して、シェアして、再購入したりして、価値の流れ・プロセス(旅)が生まれる。それらを見直すことで、新しいビジネスモデルが生まれたりする。

 ②視点をずらすは、与えているもの、与えられているもの、存在するもの、存在しないものの視点をずらすことである。その与えているものは、与えられているものかもしれないし、与えられているものに変換することができるかもしれない。視点をずらすことで、新しい価値やビジネスモデルが生まれたりする。

 ③仕組みを作るは、優位な状況を利用する・作り出すことである。お金を払う障壁を限りなく小さくしてしまい、またそれを当たり前な環境にしてしまうことである。
 これらの3点が結論として導かれる。
 以下、これらを元にした具体例をまとめる。

■具体例
①プロセスを見直す
 ●レシピ1 消費者から買う
 消費者は、消費のプロフェッショナルである。10円でも安い野菜があれば、 スーパーをはしごしたりする。1円でも安いガソリンがあれば、隣町のガソリンスタンドに行ったりする。消費者が目にしている消費物の価格は、常に消費者の意思決定の基準になり、消費行動の基準となる。しかし、売る立場となるとその力は弱まる。全くのど素人になるのだ。ここに目をつけたのが中古市場の企業たちである。中古車購入のガリバーや、本屋雑貨の買取のブックオフ・ハードオフ、最終形態に関しては、売りも買いも消費者に任せてしまうCtoCメルカリなんかも当てはまる。
 今まで中古市場のプロセスそのものを見直すことで、この新ビジネスが出来上がっていった。今までは、中古品は、下取りか無料回収などで、企業間同士の売買が通常だったが、消費者からそのまま買い取ってしまったのだ。消費者は、そもそもお金にならなかったものや、下取り額よりも大きいお金を手に入れることが出来るので、メリットが働き、かつ、購入する企業も企業間同士でやっていた金額より小さいお金で購入することが出来るのでメリットがでかい。
 まさに、プロセスを変えてしまったことで出来たビジネスモデルである。


②視点をずらす
 ●レシピ2 客に作業させる
 与えているものか、与えられているものか、そもそもを見直す。
 提供していたサービスそのものを客に与えることで、新業態・サービスを作り出した例がある。視点をずらすことで、客は喜んでそれらをやる。客に作業をさせる良い例として、IKEAやニトリなどの家具業界がある。自分たちで家具を組み立てる楽しさを伝えているのである。本来、家具の組み立ては、サービスの一貫であり、提供側が負担する人件費・工数だったはずだが、それごと客に作業させたのだ。作業させていると思わせないようなサービス提供の仕方がうまい。自分で作ると愛着が湧く、楽しい。もう一つの例として、焼肉屋がある。肉を焼くと言う作業を客に任せているのである。自分の好みで肉を焼くことが出来るので、客は作業をしていることに全く気づいていない。
 これらは、今までサービスとして家具の組み立て、肉焼きをしていたものを客にやらせると言う視点をずらす戦略で構築したものだ。セルフ〇〇は、全てここに当てはまる。


③仕組みを作る
 ●レシピ13 勝手に「権威」になる
 優位な状況を作り出せばいい。信者ビジネスの話とどちらが当てはまるか、考察してみたが、事実上信者だと思っていない人たちを信者として、ビジネスを成り立たせている、と言う点で、勝手に「権威」になるが仕組み作りとしては非常に面白い。
 これは、勝手に協会やヒエラルキーを作り出すことで、権威として地位を築き上げることである。具体例としては、漢検や英検、食べログや帝国データバンクなどの第三者機関で認定書や格付を行なっているところが挙げられる。勝手に認定書を作って、勝手に格付けランキングを作って、お金を作り出す。まさに、仕組み作りにより作り上げられたビジネスモデルと言える。
 競争優位により優位環境を作り上げるパターンは、コミュニティマーケティングの手法にもよく似ているが、勝手に「権威」になると言うパワーワードは、非常に面白い。

■まとめ
 本書は、金儲けのビジネスモデルについて、するどいパワーワードで簡潔にまとめている。まさに、レシピである。料理は、基本体型を理解し、クリエイティブに試行錯誤することが楽しく、オリジナリティある料理を作ることが楽しさの一つである。これらと同じようにビジネスもそうあるべきなのかもしれない。本書は、200ページ未満の非常に簡単な書物であるが、そこにあるレシピを元にどう調理するのかを読者に問うている、非常に面白い書物だった。
 この基本的なレシピを元に、副業や新規事業、起業など新しい料理を作り上げていければ著者の本望だろう。


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