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ミュージアムへのいざない。アートだけではない楽しみがある

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入り口までの期待感や周りの風景を取り込んでいること、アートの展示だけでないミュージアムの魅力。アートとよい関係をもつミュージアムに物語を感じる。素敵なミュージアムを求め旅に出よう。
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#美術館

建物には建築家の思いも込められて

建物には建築家の思いも込められて かつて見た大きな吹き抜けに建築家の思いも感じて 2年半の間、九州で単身赴任で過ごした。その間に九州 で様々な建物や空間にふれた。博多にあるこの大きな 吹き抜けもその一つ。設計を手掛けたのは、当時39歳 であった黒川紀章。この建物に九州で出会わなければ、 他の建物にも興味を示していなかったかもしれない。 九州で途方もない建物に出会い、建築家の作る空間を 体感した。そしてノートを綴り、その思い出にひたる。 黒川紀章が手掛けた空間への旅も続け

建物では写真家の思いが受け継がれて

酒蔵で至福のひとときを過ごした後は また奈良の街並みを歩いての旅へ。まだ続く旅のこと を考えて、酒蔵では利き酒だけに留めておき、確かな 足取りでその先へと進む。次の写真家の思いが受け継 がれる建物は、以前から気になっていた場所でもある。 今は内部がどのようになっているか気になる所 その日は水曜日で閉まっていて こちらの動画で入江泰吉について学び かつての展覧会の動画で、残された作品にもふれて 様々な角度で開かれた展示会から その写真家のたどった道を垣間見る そ

きぬかけの路には美術館も

龍安寺を後にし、きぬかけの路を北へと小さな自転車 を走らせる。路の途中では、傾きつつある太陽の光に 染まる白亜の建物が、圧倒的な存在感で迫ってくる。 1966年に開館し、2018年にリニューアルオープン した堂本印象美術館。大正から昭和にかけて京都で 活躍した日本画家の堂本印象により、外観から内装 までのすべてが自らによってデザインされたという。 日本画の域を超え彫刻、陶芸、ガラス、金工、染色 なども手がけた、マルチアーティスト・堂本印象の 集大成として、75歳の時に建て

100年先への思いに応える美術館

ゼロからわかる江戸絵画を満喫した後は もちろん美術館の建築も楽しもう。すでに美術館が姿 を現した所から、あふれ出すメッセージに目が止まる。 その佇まいは喧騒を静寂へと導いていく。こぢんまり とした入口から吹き抜けの空間へ。統一された納まり によって、建物全体がそのデザインの気配に覆われる。 副館長による楽しい案内動画。英語も勉強しないと 様々なこだわりや思いが込められた福田美術館 福田美術館。オーナーの福田氏は、安田氏が日建設計に 在籍中に設計したポーラ美術館を見た上

美術館は時代を超えてその先へ

京都市京セラ美術館。1933年にオープンのその建物は 公立美術館として日本に残る最も古い建築だという。 創建当時の和洋が融合した本館の帝冠様式。建築意匠 を最大限保存しつつリニューアルされ、伝統と革新 が混じりあう京都のランドマークであり続けている。 その美術館では、戦後に駐留軍に接収され展示室が バスケットボールコートになったこともあるという。 時は流れ現代へ。そして2014年、開館80周年を機に 京都市美術館将来構想が策定され、2015年の公募型 プロポーザルで青木淳・

旅では美術館にも立ち寄って

鳩居堂を後にして京都をめぐる旅は続く。寺町通りを 越え、御池通りから仁王門通りへ。今まで意識していな かった通りで旅を振り返る。そしてその先の美術館へ。 旅先の美術館は目的地のひとつ。その場所が持つ歴史、 建物に流れる歴史、内包されるアート、外部の彫刻など も楽しんでいる。次は建物自体に歴史をまとい、古さと 新しさが混じり合う京都を象徴する美術館へ向かう。 素敵なカフェへはまたいつか らせん階段にコンラッドとリボンチャペルを思い出す 美しくリニューアルされた京都市京セ

最後に教会と美術館を訪れて

五島の旅も終わりが近づき、帰りのフェリーの時間を 気にしながらも教会と美術館へ。最後まで五島の旅を 満喫しよう。五島市立図書館を後にし、まずはすぐ近く の福江教会へ。祈りの風景をめぐった旅の最後の教会。 夜にはライトアップで異なる印象にも ごとうチャンネルで武家屋敷通りについても学ぶ 天空の城ラピュタの制作のためにスタジオジブリへ もののけ姫の背景も山本二三氏によって描かれた 亡くなられたのはこの旅のほんの1ヶ月前のこと 旅の途中であった山本二三氏。 またその魂は

石とガラスとスチールが織りなす空間へ

出島を後にして長崎の旅を続けよう。港の風景の中 を進み、海沿いに建つ美術館へ。そこは2005年に竣工 した隈研吾氏により設計された長崎県美術館。運河を またいで建つ、ルーバーのデザインが際立つ建築だ。 ここには都市型のヨットハーバーも 軽やかに連なっていく石材、風景を映しこむガラス、 リズミカルに並ぶスチール。素材が語りかけてくる 水と運河と自然とつながる長崎県美術館 美術館では、建築そのものも楽しもう 開放的な長崎県美術館は地域と人をつないでいく 動画で長崎県美

九州のロケ地巡りを楽しもう

何度となく紹介している大分むぎ焼酎二階堂のCM。 日々の晩酌に、むぎ焼酎を頂いている。その香りを、 まろやかな舌ざわりを楽しみつつ、いつものように パソコンに向う。訪れた場所の写真を見返しながら、 記事をまとめ、もう一度旅をした気分を味わっている。 残されたのは記憶をノックするにおい という言葉にひかれて三池炭鉱宮原坑へ 月明かりすら照らさない場所でそっと咲いている という風景を求めて三池炭鉱万田坑へ どうかタイムマシンが発明されませんように という言葉に共感し、

そして丘の上に建つ美術館へ

さあ目的地の美術館まで後少し。歩いてくる場所では ないかもしれないが、階段の先にその姿が見えてきた。 双眼鏡のような美術館と呼ばれる北九州市立美術館。 その丘の上に建つ美術館まで、なんとかやってきた。 建物から突き出したフォルム。特徴的なデザインだ。 小さな正方形が組み合わさり大きな正方形を、そして 長方形、立方体を形作る。設計は建築家の磯崎新氏。 昨年12月に惜しくも逝去された建築界の偉人である。 建築家 磯崎新氏の独特の存在感。群馬県立近代美術館 もいつか訪れよう。そ

音楽にまつわるアートを集めた美術館

亀の井別荘の門の奥の風景に憧れている。いつの日か きっと訪ねようと思いながらも、ゆふいんの旅は続く。 またもくあみの杜の前を通り、次は山手へと向かう。 そこに音楽にまつわるアートを集めた美術館がある。 アルテジオ(artegio)とは、arte(美術)、gio(1日)または giocco(楽しみ)というイタリア語からの造語で、音楽 用語のアルペジオになぞらえて名付けられたという。 アルテジオには、美術と音楽が関わりあう美しい作品 が展示されている。音楽を感じるとても居心地の

ゆふいんで感じる自然と建築と芸術と

ゆふいんの旅。リュックにはタオル。どの日帰り温泉に 立ち寄ろうかとチャンスを逃しつつも、今日の目的地 のひとつの美術館に戻ってきた。予約した14時には雨 も上がり、雲間の向うに雄大な由布岳が姿を現した。 COMICO ART MUSEUM YUFUIN。2017年、隈研吾氏 の設計によって建てられている。そして2022年新たに アネックスが増築された。外壁には時間と共に風景に なじんでいくように焼杉の板張りが使われ、外部には 石や水、内部には和紙が用いられるなど、自然との共

七尾湾を見下ろす丘に建つ美術館

石川県能登島ガラス美術館は1991年に本館、1998年 に新館が建てられた。ここも前回の玉名の旅で訪れた 玉名市立歴史博物館と同じ毛綱毅曠氏の設計である。 以前に、その美術館を訪れた時は雨だった。七尾湾に 面した小高い丘の上に建つ美術館。建物の回りの至る 所にガラスの屋外彫刻が展示され、建物の外も楽しい。 晴れていれば、建物の回りを散策し、海や雲や山並み、 ガラス彫刻が作る光と影の風景も楽しめたに違いない と思う。またいつか石川県を訪れる際は訪れたい建物。 国内初の公立

再び大阪中之島美術館へ

今年3月末の小雨の中、大阪中之島美術館を訪れた。 その時は展覧会は開催されておらず、ひっそりとした 雰囲気を楽しむことができた。今日は、うってかわって 気持ちのよい青空。緑は青々とし、美術館の建物の表情 も明るい。シップス・キャットの赤い体も輝いている。 今日の目的は岡本太郎展。岡本太郎氏の作品のほぼ すべてを所蔵する川崎市岡本太郎美術館と、岡本太郎 記念館が主催で開催され、過去最大規模のスケールで 大阪、東京、愛知を回る。岡本太郎の世界を楽しもう。