100年先への思いに応える美術館
ゼロからわかる江戸絵画を満喫した後は
もちろん美術館の建築も楽しもう。すでに美術館が姿
を現した所から、あふれ出すメッセージに目が止まる。
その佇まいは喧騒を静寂へと導いていく。こぢんまり
とした入口から吹き抜けの空間へ。統一された納まり
によって、建物全体がそのデザインの気配に覆われる。
副館長による楽しい案内動画。英語も勉強しないと
様々なこだわりや思いが込められた福田美術館
福田美術館。オーナーの福田氏は、安田氏が日建設計に
在籍中に設計したポーラ美術館を見た上で依頼された
という。その明るさの中の静謐さに合い通ずるものを
感じる。美術品を守るという蔵のイメージを持ちつつ、
開かれた美術館へ。そのコンセプトは形となり、素材と
なり、仕上げへと変換されて建物へと反映されていく。
こだわりは全体から細部へと行き渡り、建物と嵐山の
風景をつなげ、過去から未来へと美術を、そしてその
思いを運んでいく。100年続く美術館にしたいという
思いに応える建築で、ぜいたくなひとときを楽しんだ。