Yasuhisa Kato

書くのは嫌いじゃないです。

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フジコ・ヘミングさんのこと

フジコ・ヘミングさんのこと フジコさんといえば、僕が最初に名前を覚えた日本人ピアニストで(そういう人、結構多いんじゃないでしょうか)、母が大ファンだったので誕生日にコンサートチケットを贈って一緒に聴きに行ったことがあります。 その時は確かショパンか誰かのピアノ協奏曲を弾いたのですが弾き終わったあとに、フジコさんがおもむろに立ち上がって、「ちょっと今の演奏ぜんぜん納得いかなかったからもう1回やらせてくれない?(大意)」とおっしゃって、もう一度まったく同じ曲を演奏されたことがあ

    • ポール・オースターさんのこと

      ポール・オースターさんのこと。 自分にとって決定的な意味をもつ小説は何冊かありますが、ポール・オースターの『孤独の発明』もそのひとつです。 あの本の、特に前半部『見えない人間の肖像』で書かれた著者の父親についての文章は、20歳ごろの僕が父という人間について考えていたことと恐ろしいほど一致しました。 当時の僕は、父という地獄に苦しめられていて、だからこそ父という謎をなんとか相対化できる言葉を探していました。 そうしないことには生きていけなかったからです。 そんな時に『孤独の

      • 音楽のようなもの - 2024/4/21

        • 亀川千代さんのこと。

          亀川千代さん。 今でも十代の頃に観たライブでの立ち姿が強く記憶に焼き付いています。 貴方のベースラインが大好きでした。 ゆらゆら帝国は僕の青春でした。 ありがとうございました。 どうか安らかに。R.I.P. #亀川千代 #ゆらゆら帝国

        フジコ・ヘミングさんのこと

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        • 音楽のようなもの
          3本
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          4本
        • 小説
          8本

        記事

          音楽のようなもの - 2024/4/8

          音楽のようなもの - 2024/4/8

          音楽のようなもの - 2024/4/8

          目の前の風景 – 2024/4/3

           今日も雨が降っている。そして寒い。窓の外を見るかぎり、春を感じさせる風情はどこにも見当たらない。この前の日曜は27度もあったというのに、三寒四温にもほどがあるんじゃないだろうか。とはいえ、前にも書いたように、わたしとしては寒いほうが好きだし、体調も良いのでありがたい。とはいえ、桜の木や、冬眠明けの熊からしてみれば、いったい今は春なのか夏なのか冬なのかわからなくて迷惑な話だろう。  天気予報では午後から雨が降るということなので、今日は午前中にいなげやで買い物をすませる。やは

          目の前の風景 – 2024/4/3

          音楽のようなもの / それでは春の入場です - 2024/3/30

          音楽のようなもの / それでは春の入場です - 2024/3/30

          音楽のようなもの / それでは春の入場です - 2024/3/30

          ビヨンセの新譜、めっちゃ良いです...やっぱり凄い人だなあ...🎶😳🐎🇺🇸

          ビヨンセの新譜、めっちゃ良いです...やっぱり凄い人だなあ...🎶😳🐎🇺🇸

          音楽のようなもの ー 2024/3/23

          音楽のようなもの ー 2024/3/23

          音楽のようなもの ー 2024/3/23

          目の前の風景 ー 2024/3/21

           家を出ると、風が強く吹いている。そして寒い。もうすぐ四月だというのに、急に冬に逆戻りしたような天気だ。でもわたしには、冷たい風がむしろ心地よく感じられる。もともと寒いほうが体調が良いし、春の暖かさが昔から苦手なのだ。あの生暖かい風と、咲き誇るいろんな花の甘ったるい匂いを吸い込んでいると、なんだか具合が悪くなってくるのだ。春がこなくても、わたしとしては一向に構わない。なんなら夏も飛ばしてもらってぜんぜん構わない。秋と冬だけあればいい。でも残念ながらそういうわけにはいかない。冬

          目の前の風景 ー 2024/3/21

          音楽のようなものー2024/3/15

          音楽のようなものー2024/3/15

          音楽のようなものー2024/3/15

          ダーレン・アロノフスキー『ザ・ホエール』をやっと観たんですが素晴らしかったです...この人の映画はちと感情過多でお腹いっぱいになりがちなんですが、本作は戯曲原作の密室劇だからか、演劇的な過剰さがむしろどハマりしてます。父親の贖罪と救済という主題も『バードマン』的で泣けました...

          ダーレン・アロノフスキー『ザ・ホエール』をやっと観たんですが素晴らしかったです...この人の映画はちと感情過多でお腹いっぱいになりがちなんですが、本作は戯曲原作の密室劇だからか、演劇的な過剰さがむしろどハマりしてます。父親の贖罪と救済という主題も『バードマン』的で泣けました...

          目の前の風景ー2024/3/12、郵便局にて

           郵便局に入ると、インドか、あるいは東南アジアのどこかの出身とおぼしき二人の若者が、スマホを片手に、なにやら自分の顔写真を撮ろうとしている。どちらもおそらく二十代の後半ぐらいで、待合のベンチに隣り合って腰かけ、伸ばした片手に持ったスマホの角度を微調整しながら、とり澄ました表情を浮かべようとしている。なぜ彼らが、わざわざ郵便局の待合のベンチで自撮りをしているのかわからないまま、わたしはとりあえず受付に行き、やってきた五十代くらいの女の職員に、持ってきた封筒を渡し、簡易書留を頼む

          目の前の風景ー2024/3/12、郵便局にて

          眼前の風景ー2024年3月11日

           時刻は午後3時5分。わたしはいつものように近所のショッピングセンターの屋上にきている。ここで10分ほど時間を潰し、そのあと1階のいなげやで夕飯の買い出しをするのがいつもの日課なのだ。  ここの屋上にはいちおう花壇らしきものがあり、土が敷き詰められた一角があるのだが、誰も整備していないのか、花が咲いているところを見たことが一度もない。ただ、風で飛ばされてきた名も知らぬ草花の種が芽を出し、あちこちに小さな青や黄色の花を咲かせている。お世辞にも栄養がありそうに見えない乾ききった

          眼前の風景ー2024年3月11日

          外に出なかった日

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          I want to create something beautiful

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