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すべては言語化から始まる!施策のドキュメント化の重要性

どうも。ヌーラボの原田(@yasuhirox)です。マーケティングを率いている者です。

マーケティングの施策において、何かしらの数字を記録することが多いと思いますが、ヌーラボのマーケティング部では、その経緯・目的までをドキュメント化しています。

先日、メンバーに施策のドキュメント化について聞かれたので、言語化の重要性について伝えたのですが、せっかくなので、なぜ施策をドキュメント化しようと思ったのか記録しておこうと思います。


ドキュメント化の経緯

ヌーラボの開発チームはプロジェクトの初期段階でプロジェクトの概要を理解するためにインセプションデッキを作成しています。これはどこの開発も同じだと思いますが、施策のドキュメント化はこのプロセスから着想を得ました。

さらに、プロダクトマネージャーのスキルを勉強している際、アジャイル開発における「要求定義」からヒントを得ました。要求定義は、解決すべき具体的な課題とその解決策を言語化したものです。

よく要件定義と間違えられますが、要件定義はどんな機能でどんな開発をするか詳細を決めることであって、要求定義とは明確に違って開発される「機能」ではなく「課題」を中心に言語化していきます。課題の明確化と方向性、方針の確定は要求定義の主要な目的というわけです。

ここで、ハッとしたのが、この要求定義のプロセスは、新しい施策を考える際の思考法と非常に似ているということです。

言語化された要求というのは、方向性を見失うことなくプロジェクを進めるための大事な指針となります。この要求定義を真似て、マーケティング部でも施策のドキュメント化を導入しました。

ドキュメント化の目的

施策の話というのは、本来は目的があって、その目的を達成するためにWho、Whatが考えられ、その上でHowの話をしなければいけません。しかし、ついついHowだけの話で盛り上がって実行されるケースを多々見てきました。

大半、そういうケースは失敗するものです。ただ、失敗は発見であって、失敗自体が悪いわけではありませんが、うまくいっていないことが理解できていなければ、それは大問題です。

そうならないためには、施策の詳細が具体的に言語化されている必要があります。なぜかというと、ドキュメント化により、施策の詳細が具体化され、実行に際しての不明瞭な点が減少するからです。

また、「企画書」とか「戦略資料」となれば、大げさな資料になりがちで、そこまで労力を割く必要はありません。ドキュメントベースで、書く内容をテンプレ化しておけば、メンバー全員が作れるまず!と思ったからです。

そして、施策には目的と課題を明確にする必要があります。これにより、チームメンバーは共通の目標に向かって努力することができ、意思決定の一貫性が保たれます。

また、現状とゴールのギャップを理解することも目的の一つです。ドキュメント化は、現在の状況と目指すべき結果の差を明確にし、そのギャップを埋めるための戦略を立案する上で不可欠です。

最後に、再発防止が重要な要素です。過去の失敗や成功から学び、それらをドキュメント化することで、次の施策を打つ時にも役立つし、同じ過ちを犯すこともなくなります。

これらの目的は、マーケティング施策の成功を確実にするために重要であり、チームの効果的なコミュニケーションと戦略の持続的な改善を促進するものと考えています。

どのようなドキュメント構成になっているか?

マーケティング施策におけるドキュメントの構成は、問題解決に向けた「As-Is / To-Be」をベースに考えています。

問題解決の第一歩「As-Is/To-Be」

課題解決を考えるときに、まず、現状(As-Is)と理想の状態(To-Be)を定義することが重要です。これにより、現在の状況と目指すべきゴールとのギャップを明確化します。

ドキュメントは以下の要素で構成されます。こちらが最新版ですね。

目指すもの(To Be)
 ・目標とする理想の状態
課題の背景(As Is)
 ・現在直面している問題の詳細
なぜやるのか?どうすればこの課題を解決できるか
 ・その施策を行う目的など
 ※ここでWhy、Who、Whatまで言語化する
成功条件(解決策の仮説)
 ・提案される解決策と成功の基準
効果計測KPI
 ・施策の成果を測定するための指標
その他
 ・利用するプラットフォームや費用など…

施策のドキュメント化

この構成により、施策の全体像が明確になり、チームが共通の理解を持って取り組むことが可能になります。

導入後の問題点

Backlog、Cacooの開発、提供をしている身としては、新しいことを始めることのハードルの高さは身をもって感じていますし、浸透しづらいことも理解しています。

施策のドキュメント化を導入した際に何が起こったかというと、シンプルに「記入してくれない」という問題です。もうこれは、導入していないのと同じですね。

この大きな問題としては、ドキュメントを更新すること、または維持することに消極的であるからです。この問題というのは、施策の目的の明確化と透明性に影響を及ぼし、全体の効果を低下させるので、できる限り書いて欲しいなと思いますが、なかなか難しい問題ですね。

次に、「記入コスト」の問題があります。

これは、ドキュメントを作成および維持することが、時間的および労力的に要求されるタスクであると感じられるからです。Backlogをお客様へ導入する際の課題の起票と同じく、ドキュメント化する作業が重荷となて、日常業務における優先順位の低下を招いているからです。

これに関しては、必要性に応じて全項目記入を必須としない運用をしています。

まとめ

導入してみて感じたことは、施策のドキュメント化というのは、目的達成のためには実施した方がよいということです。

その主な理由は、施策の言語化によって、目的からの逸脱を防ぎ、精度を向上させることができるからです。ゴールに向かってそれが近道なのか?道を逸れずに進んでいるのか、確認しながら進めることができます。

特に、「なぜやるのか」という質問を明確に言語化することで、施策の方向性が明確になり、Howの議論に進む前に重要な基盤を築くことができます。

また、Who、What、Howのフレームワークを通じて、施策の各要素が整理され、効果的な計画と実行が可能となるため、ドキュメント化されていれば、無駄な施策を無くせるし、次の打ち手を考えるための資産にもなると信じています。



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