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急拡大する高級シャワーヘッド市場について

日経新聞の6月18日付記事「値札の経済学」では、シャワーヘッド市場における高価格帯商品の人気が取り上げられています。CMで歯が白くなったり、油性のペンの落書きが取れたりといった効果が話題となり、注目が集まりました。日本においてマイクロナノバブルなどの高級シャワーヘッドが普及し始めたのは2010年代後半からです。美容や健康意識の高まりとともに、水質改善や肌・髪への効果を謳った高級シャワーヘッドが注目されています。市場規模は、2019年の約20億円から2024年には約8倍の183億円となる見込みです。

我が家も数年前にシャワーヘッドを高級品へ交換しました。私自身は水流を変えて使ったのは最初の方だけでしたが、美容意識が高い人には良い商品だと思います。

この記事では、シャワーヘッド市場の背景と主要ブランドについて考察します。

美容効果による市場拡大

シャワーヘッド市場の成長には、「美容」という新しいコンセプトが大きく寄与しています。従来の節水やマッサージ機能に加え、肌や髪の調子を改善するという美容効果が消費者に支持されています。特に、微細な泡「ファインバブル」を活用した製品は、その洗浄力とスキンケア効果が評価され、高価格帯の商品でも需要が伸びています。

高価格帯商品の成功

最も高価な商品はMTGの「リファ ファインバブルダイア150」で、価格は6万8000円から7万5000円です。この商品は大口径のヘッド部を特徴とし、全身を包み込むようなミスト体験を提供します。このような高価格帯商品の登場は、市場に新しい付加価値をもたらし、消費者の期待を超える体験を提供しています。

新規参入企業の動向

シャワーヘッド市場には異業種からの参入も見られます。農業用機械を手がけてきた丸山製作所は、ファインバブル仕様のシャワーヘッド「アビリア」を発売し、他社との差別化を図っています。従来の技術を生かして畑違いと思われていた市場に参入するケースがみられています。

メンズ市場の成長

男性の美容意識の高まりも市場拡大の一因です。各社の広告には男性も多く登場し、メンズコスメ市場の急成長がシャワーヘッド市場にも波及しています。これにより、男性向けの高機能シャワーヘッドが新たなターゲット層として浮上しています。

主要ブランドの概要

ミラブル(Mirable)-この製品カテゴリーのパイオニア、サイエンス社が提供するウルトラファインバブル技術を搭載したシャワーヘッドです。その高い洗浄力と美容効果が特に高く評価されています。大阪の中小企業だった青山会長は当初4-5万円もするシャワーヘッドが売れるのかと葛藤があったそうですが、夫人の「例えばiPhoneは新たなシリーズが出ると、店舗に並んででも買い求めたい消費者が集う。商品の良さを体感している消費者は、どんな機能が新たに追加されたのか、気になって欲しくなってしまうものだ」という言葉に背中を押されて販売に踏み切り、大ヒット商品になったそうです。(ミラブルzero/ 4万390円)

丸山製作所 - 農機メーカー。(アビリア/4万6200円)

TOTO - 高品質な水回り製品で知られ、ナノバブル技術を搭載したシャワーヘッドを提供。(コンフォートウェーブシャワー3モード/3万170円)

MTG(ReFa) - 美容機器のリーディングカンパニー。(Refa FINE BUBBLE U /3万円)

LIXIL - 建材・住宅設備機器の大手メーカー。(エコアクアシャワーSPA/2万3000円~)

他に、パナソニック、MIZSEI 、iio 、アイリスオーヤマなども参入しています。

まとめ

高級シャワーヘッド市場は、美容効果という新しい付加価値の提供によって急速に成長しています。企業規模に関わらずプレーヤーが乱立し、市場の拡大を支えています。今後、各社がどのような技術革新とマーケティング力で市場シェアを獲得するのか注目してみたいです。

参考記事:


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