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ポートフォリオと製品ラインを考える(製品戦略その2)〜マーケティングマネジメント第16版を読む

今回は、製品戦略の第2回、ポートフォリオと製品ラインについてです。

ポートフォリオとは?

ポートフォリオとは、企業が提供する全ての製品を網羅したものです。
例えば、目薬のイメージが強いロート製薬さんには目薬以外にもシャンプーや化粧水、サプリメント、メンソレータムなどさまざまな製品群があります。これらを全てがロート製薬さんのポートフォリオの一部ということになります。

また、製品ラインとは、同一企業が販売する関連性のある製品のグループのことです。

製品ポートフォリオは長さ深さ一貫性の4つの次元で表すことができます。

:企業が所有する製品ラインの数のことです。例えば、目薬、シャンプー、サプリメントといった具合です。

長さ:製品ラインの長さのことです。

深さ:各製品のバージョンのことです。シャンプーでも香りやボトルサイズなどのバリエーションで深さを変えることができます。

一貫性:さまざまな製品ラインの関連性のことです。例えば、ロート製薬さんですといろんな事業をされてますが健康や美容に対しての一貫した事業展開であることがわかります。

上記の4つの軸を用いて自社のポートフォリオの分析が可能となります。

製品ライン拡大について気をつけたいこと

一定期間以上製品を市場に投入していると製品ライン拡大の必要性が出てきます。

顧客ニーズがより可視化され流ことによって既存モデルの改良が必要になってくることもあるでしょう。

また、競合品の登場によって差別化が必要になることもあります。
もしくは、価格競争に打ち勝つために廉価版が必要になることや品質での差別化を図るために高級グレードの投入検討もあるでしょう。

製品にもライフサイクルがあるので売上が低迷から下降に転じた時には、新たな製品投入も必要となるでしょう。

ライン拡大において注意すべきことは以下の3つです。

カニバリ
既存製品とのカニバリゼーション(共食い)は気をつける必要があります。もっとも、ライフサイクル低迷期の既存製品が新製品に置き換わることは悪いことではありません。投入時期を間違わずに適切に行うことが重要となってきます。

ブランドイメージ
築き上げたグランドイメージが新製品の投入によって崩れてしまうことがあります。特に、廉価版の投入はリスクを伴うでしょう。
たとえば、メルセデスベンツのCクラスはエントリーモデルとして上位ブランドのイメージを損なうことなく成功しています。

顧客の迷い

バリエーションが多くあると顧客がどれを選ぶのか迷ってしまうリスクが生じます。
洗濯せっけんのウタマロ(東邦)は、発売開始から50年の歴史を持ちますが製品ラインは4つしかないそうです。これは消費者が選択に迷わないようにとの思いからで製品改良を行いつつも、4つの製品に絞って販売を続けているからだそうです。

今回は製品戦略2回目のポートフォリオと製品ラインについてでした。

どのようにポートフォリオを構成し、製品ラインを拡大させるかは企業の顧客価値の創出のあり方にもつながる重要な事項となります。十分にポートフォリオ、ライン分析を行いましょう。

最後までお読みいただき有難うございました。


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