販売活動をプロセスで捉えよう〜マーケティング・マネジメント第16版を読む
今回は、第14章 人的販売(セールス)についてです。
購買プロセスの後半において最も効果的、かつ決定的な役割を果たすのがセールスです。マーケティング活動が効果を上げるかどうかはセールス活動にかかってきます。
日本の企業ではマーケティングより営業寄りであることが多いですので理解も深いと思います。でも、マーケターが、営業の役割や活動の仕方を理解せずに戦略指針を示すことは不可能ですので本章は非常に重要です。
まずセールスの特徴から見ていきましょう。
セールスの特徴
カスタマイズができる:営業人員の個性や顧客ごとの個性に合わせて柔軟にメッセージをデザインすることができます。
リレーションシップ志向である:仕事上の付き合いだけでない人間関係へと繋がることもあります。
レスポンス志向である:購入する人が個人として選択をし、直接的に回答することができます。
以上のような特徴もあって、セールスは個人の勘と経験(センス)に頼る部分もあってあまり体系的なプロセスに意義を感じない人も多いです(セールス経験者は特に多いです)。
しかし、プロセスを理解することで顧客とのやり取りの中での立ち位置を客観的に見つめる意味でもプロセスを理解しておくことは重要です。セールスのプロセスとはどういったものでしょうか?
セールスをプロセス化する
以下の図表が効果的な販売ステップです。
順番に見ていきましょう。
見込み客の発掘と評価
限られたリソースの中で有効に活動するにはしっかりと見込み客を見極める必要があります。見込み客の評価にはBANTというアプローチがあります。
BANTとは、Budget(予算:お金があるか)、Authority(決裁権:購入を決められる人か)、Needs(ニーズ:切実なニーズはあるか)、Timely(納期:必要な期日までに納められるか)の4つの評価指標のことです。
プレアプローチ
相手へのアプローチの前に相手のことをよく知ることが必要です。
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」です。
プレゼンテーションとデモンストレーション
相手に伝えるメッセージを構築するアプローチにFABVがあります。
FAVBは、特徴(Feature)、利点(Advantage)、ベネフィット(Benefit)、価値(Value)のことです。製品のアピールをする際にはFAVBを網羅しているかチェックしましょう。
反対意見への対処
顧客からどのような反論が想定されるのか事前に考えを回らしておけば、逆手にとって購入理由へと結びつけることができます。
クロージング
購入に至る最後の一押しのことです。タイミングの見極めも重要ですし、なかなかうまくできないという営業メンバーもいるかもしれません。
クロージングのテクニックは熟練社員のワザを共有してもらうなど、組織としてのレベルアップを図る機会を設けてもいいでしょう。
フォローアップ
顧客に喜んでもらってリピートやクチコミを期待するためにもフォローアップとメンテナンスは大切です。これがうまくできれば顧客との関係を長期に維持することができるようになります。
以上がセールスの効果的ステップでした。
まとめ
セールスの特徴と効果的なプロセスについて説明しました。ベテランのセールスマンでもこうやってプロセスを見ると何らかの気づきがあるかも知れません。
セールスと協力して自社独自のプロセスを作ってみるものいいですね。
最後までお読みいただき有難うございました。
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