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新たなサービスの現実〜マーケティング・マネジメント16版を読む

マーケティング・マネジメント(第16版)を読みながら気づきを書いています。今回はサービスの現実についてです。

こちらの記事からの続きになります。

一般的にサービス業(小売や銀行、ホテル、飲食など)とされるもののサービスと、製造業におけるサービスは意味合いが異なっていました。

サービス業におけるサービスは、いわゆる人が人に対する奉仕することで価値を生み出すものです。製造業におけるサービスの定義は製品に付随するアフターサービス部分を指すことが多かったです。

最近は、モノとサービスがより一体化されています。

サービスドミナントロジックという言葉を最近よく耳にします。これまでのモノとサービス分けて考えるのではなくて、サービスを中心に置くことで顧客ニーズに沿った価値を提供しようとするという考え方です。

製品価値の中にアフターサービスだけでなく、顧客との接点のためのサービスが含まれているということです。

これらを背景として、以下の4つの点を新たなサービスの現実として上げています。

テクノロジーの役割

テクノロジーによって、従来のサービススタッフの役割が大きく変わってきています。少し前まではぎこちなかったAIの対応もあっという間に進化して、お客様窓口に電話して待たされるくらいならチャットボットで対応してもらう方がよっぽど早くて便利だって、経験をした人も多いと思います。

顧客エンパワーメント

これまではサービスと製品は一体化されていましたが、不要なサービスは必要ない(サービスのアンバンドリングといいます)と顧客が選ぶことができます。一例は、スマホの機種変更ですね。データ移行を有料化することで必要のない人はショップに行くこともなく機種変更ができるようになっています。

また、最近の迷惑動画の問題や不満などSNS上の顧客の活動に対しても目を光らせておく必要があります。

顧客との協働

サービスの問題に関する原因の実に3分の1は顧客が原因であるとされています。たとえば、スーパーのセルフレジなどで操作方法が分からずに癇癪を起している人なんかを見たことがありますが、そういった人に手取り足取り教えていると本末転倒です。そのような顧客の失敗を防いであげるためには、より分かりやすい利用方法の説明であったりさらなる技術改良などを進めていく必要があります。

従業員満足が顧客満足につながる

やはり人ですから態度が良いスタッフには良い印象を持ちます。日本人はおもてなしの精神もありサービス品質の高さは広く認められています(たまに変なこともありますけど)。海外だとびっくりエピソードが生まれることがあります。ファーストフード店でバーガー投げて渡されたりとか。。

靴のEC販売のザッポスのようにカスタマーサービスを強みとするために従業員満足に注力し成功した事例から学ぼうとする企業も増えています。アメリカの家電小売のベストバイもそうやって立て直しに成功しました。

まとめ

テクノロジーによるサービス分野の動きについてでした。人が担う部分とITに頼る部分が役割分担されることによって、よりサービスが競合との差別化要因となってきています。それでも一流ホテルのコンシェルジュのように人がもたらすことができる感動を与えることはおそらくテクノロジーには当分は無理でしょう。自社の提供物にはどのようなサービスが必要かのコンセプトから見直してみてはいかがでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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