エンゲル係数が3割を突破!
一般的にエンゲル係数(家庭の消費支出に占める食費の割合)が20%を切ると裕福な国とされ、30%を超えると生活が厳しいと見なされます。日本が最も裕福だったとされる高度成長期(1970年代後半から1980年代前半)のエンゲル係数は22%前後でした。欧米諸国は20%前後です。
日経新聞(10月29日)の「値札の経済学」によると、日本の3人家族の食費が月9万円を超え、エンゲル係数が30%に達したと報じられています。つまり、日本は急速に生活が苦しくなっているということです。
最近のコメ不足や海産物の買い負けなど、食材の調達が困難になっていることが日本国内でも実感されています。
エンゲル係数の上昇の大きな要因は物価高です。スーパーでの買い物でも価格上昇が顕著ですが、収入の伸びが追いつかないことで食費の割合が増え、生活への影響が拡大しています。
ただし、それ以外にも理由が考えられます。高齢者の独居世帯では食費の割合が増え、また、女性の社会進出により調理済み食品や外食の利用が増えるとエンゲル係数は上がります。
昨年のエンゲル係数も過去最高(27.8%)を記録しましたが、上昇トレンドには歯止めがかからない状況です。
家計支出の中で食費が増えている現状は、政策や経済全体への見直しが急務なのは間違いないです。生活者の立場としては、現状に対応するための節約も必要ですが、しっかりと仕事をして食を楽しむゆとりを少しでも維持するよう努力するしかないのかな、と思います。
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