サービス戦略の設計〜マーケティング・マネジメント第16版を読む

今回は、価値の設計の7Tの2つ目、サービスについてです。
7Tについてはこちら

はじめに定義です。


サービスとは、ある存在が別の存在に向けて行う行為であり、本質的に無形で、何ら所有権が生じないものである。

サービスは至るところで提供されます。

ホテルとかコンサルタントなどサービスだけが提供される業種もありますし、製品とサービスが一緒になったものもあります。

製品には修理保証といったアフターサービスは以前からついてましたが、近年になって製品の差別化の主な要因がサービスとなっているものもあります。

サブスクリプションなどは製品からサービスへの転換と言えるでしょう。

サービスの3つのベネフィット

サービスのベネフィットは以下の3つのカテゴリーに分類されます。

探索ベネフィット:購入者が購入前に評価できるものです。
経験ベネフィット:購入者が購入後に評価できるものです。
信用ベネフィット:購入者が購入後も評価するのが難しいものです。

要するに、サービスの評価は購入者もその品質を評価するのが難しく、相対的な評価となっている、もしくは、口コミなどの他者評価に頼っている部分が多いということです。

そして、もう一つ重要なことは、消費者は一度受けたサービスに満足すると他のサービスに乗り換えるのに抵抗感が生じます(スイッチングコストが高い)。

サービスの特性

サービスの4つの特性は、無形性、不可分性、変動性、消滅性です。順番に説明します。
無形性:サービスには形がありません。だからこそ、形のないものの品質を形にして表す必要があります。高級ホテルのスタッフのユニフォームなどもそのためです。
不可分性:サービスでは生産と消費が同時に行われます。在庫や保管することができません。
変動性:サービスの品質はそれを提供するスタッフ、場所、時間帯によって受け取る側が感じるベネフィットは変動します。以下の、均一性を保つかが重要です。
消滅性:サービスは保存できないので需要の変動に弱い側面があります。繁忙期と閑散期で差がある場合にはいかに対応するかが問題となります。パート従業員の活用や価格設定の変更(ダイナミックプライシング)などで管理(イールドマネジメントといいます)を行います。

以上、基本的なサービスのベネフィットと基本的な特性についてでした。

次回はサービス品質の管理についてです。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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