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「Dark Horse 好きなことだけで生きる人が成功する時代」を読んで

私のように人生を回り道をしている人が読むと、すごく勇気が与えられる本なのではないかな、と思いました。

この本はハーバード大学の教育大学院の研究チームによって書かれたものです。

ダークホースとは、ご存知の通り、競馬などのレースで本命ではない「大穴」のような存在のことです。人生における本命馬と言われる人は、子供の頃から成績優秀で、有名高校、大学を経て、高収入と名声が約束された職業に就き、人生の階段を一歩一歩着実に上り続ける人のことです。

一方で、ダークホース的な人は、ある一定のところまではレースの先頭を走るような存在ではなく、周りからもそれほど大きな期待もかけられなかったにも関わらず、自分の進むべき道を見つけて走り抜けるような人のことです。

ハーバードの研究者によって、人生の成功者となっている人たちの多くは、ダークホース的にそれぞれが独自の方法で成功への道筋を見つけているのだということが本書で明らかにされています。

では、どうすればダークホース的な成功を収めることができるのかということが示されていますが、端的にいえば、以下のようになります。

まず、自分の好きなこと、充実感を持てることに情熱をもってやり続けること。その際には、世の中がもっているような標準化の考え(社会的な常識やバイアス)に惑わされないこと。そして、最終目的地(たとえば、将来何になりたい)ではなく、小さな目標(今やっていることに充足感を持てるか)を達成することに努める。

「ダークホース的な生き方」の対極にあるものが「標準化された生き方」です。標準化された生き方というのは、要するにIQの高さを誇る、日本的には偏差値の高いところを目指すということです。そういった一つの物差しの中で階段を登ろうとすると、自分自身の好きなことや強みを活かすことにどうしても目を向けられなくなってしまいます。

標準化された中で生きていて、ふと我に返って人生に充足感を感じなくなってしまった時、我々の多くは「いまさら引き返せない」と感じてしまいます。その諦めがなぜ生じるのかというと、最初に最終目的地に目が行ってしまうからです。そうではなく、日々の充足感を求めることで自分にとっての成功が見つけ出せるということを本書では教えてくれています。

人生において遠回りをしながら音楽の世界で成功を収めて音楽大学の教授になったスーザンの言葉が印象的でした。

「親指を突き出して道端に立つ(ヒッチハイクをして誰かに車に乗せてもらう)なんて、私は一度もしなかった。私はね、歩いたの。第一線で活躍している人たちは皆、しばらくの間、歩いてたのよ。やがて誰かが拾ってくれるまでね。私たちが助けてもらえるのは、歩いている姿が誰かの目に留まるから。そして、誰でも人が前に向かって進んでいるのを見るは好きだから。」

人生の指南書ともいうべき大事な書に出会えたと感じています。


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