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社会的責任を果たすマーケティングを行うには?〜マーケティング・マネジメント第16版を読む

今回は、本書の最終章にあたる第21章 社会的責任を担うマーケティングからです。

SDG’sなど、企業がサステナビリティへの活動を事業活動の中に取り込む動きは近年ますます活発になっています。

消費者も環境配慮されたグリーンな製品を買いたい、グリーンな企業に投資したい、グリーンな企業で働きたい、という想いを持っており企業の業績にも少なからず影響を与えるものとなっています。

今回は、マーケティングにおける社会的責任の役割について説明します。

大事なことはトリプル・ボトムラインを重視すること

なぜ、企業が社会的責任を果たさなくてはならないのか?

消費者の評価が事業業績に影響するというもの理由の一つであります。
また、将来的に起きかねない批判に対する対策として取り組む、従業員の忠誠心ややる気を向上させる。投資家からの好意を獲得する、なども理由となります。

社会的な評価という点ではメリットも大きいですし、できるなら取り組みたいけど、毎日利益を残すだけでも必死なのに、そんな余裕ない、という企業の方もいるでしょう。

いまからでも意識をしておくだけで将来において変化をもたらすかもしれないことがあります。

それが、トリプル・ボトムラインです。

ボトムラインとは、損益計算書の最終行、利益のことを指します。

トリプルとは、ボトムラインを3つも設けるということです。

3つのボトムラインとは、地球、そして利益を指します。


マーケティング・マネジメント第16版より作成

とは、地域社会の人(自社の労働者を含む)のことです。
地球とは、持続可能性(環境対応)のことです。
利益とは、もちろん、金銭的利益のことです。

3つのバランスを重視すること。

損益計算書だけでなくて、人に対して、環境に対しても成績書をつけてみましょう。

できていないと思うところがあれば、どうすれば改善できるのかを考えて行動にうつすことが大事です。

金銭的利益も大事ですが、それだけなくて、残り2つにも意識を向けるだけで結果は変わってくるでしょう。

偽善者とならないために

グリーンウォッシングという言葉あります。

ウォッシングとは「うわべだけ」という意味で、環境に配慮しているように見せかけてしまうことです。

表面的な慈善活動で批判を受けた大企業も多くあります。

良かれと思って気づかずにやってしまうということもあります。

そういったことを引き起こさないためにも、コミュニケーションは十分に注意して真摯に取り組みましょう。

まとめ

社会的責任を担うマーケティング活動を実行するための第一歩として3つのボトムラインを意識することを中心に説明しました。

自社製品がそのまま社会的課題の解決に結びつくのならまだしも、そうでない場合は、他人事のようになってしまうかもしれません。

表面的に何か取り組むことをアピールするよりも3つのボトムラインを常に意識することのほうがより良い取り組み方が見つかると思います。

ぜひ、まだ検討が進んでいないという方は取り入れてみてください。

マーケティング・マネジメント第16版を読むは今回が最終回です。
これから今まで書いた記事も少しずつ修正、追加を行なっていきます。

最後までお読みいただき有難うございました。



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