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どう使う?マーケターが知りたい行動経済学のあれこれ

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マーケティングの大家、コトラー教授は「行動経済学はマーケティングの別称である」と言ってます。専門用語が多くてとっつきにく印象のある行動経済学の理論を取り上げてマーケティング施策へ…
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#ナッジ理論

「実践 仕掛学」を読んで

大阪大学で仕掛学の教えている松村真宏先生の「仕掛学」の続編である「実践 仕掛学」を読みました。 実践編ということで、ページの半分以上を著者と教え子たちが実際に行った45の実例に割いています。成功例だけでなく予期しない結果となったものも紹介されていますので、仕掛を取り入れてみたいと思っている場合には多いに参考になると思います。 仕掛学とは、つい行動してしまうきっかけを作る仕掛けを体系的にまとめたものです。 行動経済学とのナッジと類似性が高いです。本書ではその違いも明確にさ

この記事は18禁じゃないです!カリギュラ効果-行動経済学の理解と実践37

アダムとイブが禁断の果実を手にしてしまったことでエデンの園を追放されたことから人間の歴史が始まりました。禁じられたものに対する抑えられない願望は人間の本能の一部と言えるのかもしれません。 今回の記事は、禁じられると余計に手を出しなくなるカリギュラ効果についてです。 カリギュラ効果とは? カリギュラ効果とは、ある事柄を他者から禁じられるとそのことに対するフラストレーションが増幅してやりたくなる衝動が起きることをいいます。 昔、アメリカで「カリギュラ」という過激な内容の映画

誰かを救うストーリーで顧客の心を揺さぶろう 身元のわかる犠牲者効果-行動経済学の理解と実践15

突然ですが質問です。 あなたの製品やサービスは誰を救いましたか? この質問に具体的な人物像までストーリーとして語れることが人を惹きつけるヒントとなります。 この記事はこのことを証明する「身元の分かる犠牲者効果 (Identifaiable vicitim effect」です。 身元の分かる犠牲者効果とは? 災害などで犠牲者が何人出たという数字の事実よりも、特定可能な個人の被害に対してより強い関心(恐怖、怒り、同情、悲しみなどの感情)を覚えるという事実のことを「身元の

仲間意識をマーケティングに活かすコツ 内集団バイアス-行動経済学の理解と実践14

スポーツ観戦が好きでよくスタジアムに応援に行きます。当然、贔屓のチームの応援席側で応援をするのですが、熱狂的なファンの方は本当に全体力を振り絞って応援しています。 サッカーではゴール裏と言われる席から応援するサポーターは時折エキサイトして相手側サポーターに攻撃的になってたりします。一人ひとりは善良な市民だと思うのですが群衆心理もあって気が大きくなってしまうんでしょうね。一方で、全然知らない人でも味方チームがゴールすると周りの席の人たちとハイタッチをしたりして一体感に溢れます

保守or革新?答えはバランスです。MAYA理論-行動経済学の理解と実践13

マーケティング・マネジメントで語られるものにイノベーター理論があります。 革新的な新商品が市場に投入されると最初に飛びつく少数のイノベーター、そして、しばらく経って購入するアーリーアダプター、普及段階に入るマジョリティ(アーリー、レイト)、そして、最後に購入するラガード(遅滞者)と分類されます。 イノベーター理論は、製品戦略や顧客別アプローチなど活用の領域は広いですが、この記事では「イノベーティブな製品にすぐに飛びつく顧客は少ない」という点だけにフォーカスしてみましょう。

自分で作ると価値が上がる!DIY効果とは?-行動経済学の理解と実践12

大阪には自分で焼かせてくれるお好み焼き屋さんが結構あります。 子供の時に近所のお好み焼き屋さんでうまくひっくり返せた時の快感をよく覚えています。 最近は、効率化もあってか仕上がったお好み焼きを目の前の鉄板に置くお店が多いです。失敗する心配もないので味も保証されていますので焼いてくれた方がいいに決まってますが少しつまらない気もします。 今回の記事は、自分が手を加えることによって価値が上がるDIY効果についてです。 DIY効果とは、自分がちょっとでも手を加えたものは愛着が出

サンクコストの沼から顧客を救ってあげよう-行動経済学の理解と実践11

買った本を少し読み出してつまらなかったって感じた時、あなたならどうしますか? せっかく買ったしもったいないから最後まで読むか、時間の無駄ということで読むのやめるかの2択です。 前者を選んだ人は「サンクコスト」の沼にハマっているかもしれません。 すでに投入して回収できない費用(サンクコスト=埋没費用)を無駄にしたくないという思いから、損することが分かっていてもやめられなくなってしまうことを。 サンクコストは、Sunk(沈むの過去分詞+Cost(お金)のことで、沈んでしまって戻

顧客が喜ぶインセンティブってどんなの?-行動経済学の理解と実践10

インセンティブは報酬のことで、選択することでなんらかの報酬を提示することで行動を促すものです。ナッジが無意識の行動を促すことを目指す一方で、インセンティブは自主的な行動を促すものとなります。 報酬といっても、金銭的なものだけでなく、社会性、道徳性、群衆心理的なところにも働きかけます。 社会性:他者からの承認欲求につながるものです。 道徳性:環境保護など社会の役に立てていると実感することです。 群集心理;みんながやっていることに遅れてはいけないと意識させることです。 金銭的

楽しい「仕掛け」で顧客を惹きつけろ!-行動経済学の理解と実践9

回転ずしチェーン「くら寿司」のビッくらぽんは、お皿5枚単位でガチャガチャができるサービスです。人気アニメのコラボの際には売上アップにも寄与しているそうです。 家族くら寿司を利用して、全員で18皿で満腹なのにガチャガチャのためにあと2皿頑張って食べたなんていう経験をしたことのある人もいるのではないでしょうか? ナッジ理論における「仕掛け」とは、「ユーザーがついついやってしまいたくなるひと工夫を加えて行動を促す方法のこと」をいいます。 「仕掛け」でもっとも有名な例は、男子ト

デフォルトで顧客をラクにさせてあげよう-行動経済学の理解と実践8

今回は、行動経済学を実際の商品・サービスに応用するナッジの一つデフォルトについて説明します。 ナッジとは、「小突く」という意味で人を正しい方向に向かうように軽く押してあげることを指します。 デフォルトとは、はじめから何かを選ばれている状態にしておくことで、選択する人がその選択をしやくすることをいいます。 選択をする側から見るとデフォルトに設定されているものは、そうとは言ってなくても「これが普通の選択」もしくは「これがおすすめの選択」と理解することで頭を悩ます必要がなくなり

同調効果とブランディングの関係とは?-行動経済学の理解と実践7

自分の考えを周囲の人に合わせたり、周りの人と同じ行動を取ろうとすることを同調効果(同調現象)といいます。 日本人はよく同調効果の傾向を示す、と言われています。 マスクの着脱に関しての同調圧力というのもよく耳にしますね。 同調効果と類似のものにバンドワゴン効果があります。バンドワゴン効果とは、行列があるとさらに人が集まってしまったり、最初の人の意見に賛同しやすくなる傾向のことをいいます。 バンドワゴンとは、音楽隊の行進を先導する車のことで、バンドワゴンに音楽隊が続いて歩

顧客のメンタルアカウンティングを理解する意義とは?-行動経済学の理解と実践6

なんの苦労もせずに手にしてしまったお金のことを「あぶく銭」っていいます。 ギャンブルなどで不意に入ってきたお金は使ってしまった方がいいみたいな考え方は昔からあります。 お金に色はついてないのに色をつけて使い方を決めてしまうことをメンタルアカウンティング(心の会計)といいます。 ギャンブルで稼いだお金は、リスクの高いものに使われてしまう傾向があることからハウスマネー効果と言われています。投資の世界でも同じことが言えて、株で稼いだお金はよりリスクの高い投資へ向けられる傾向が

アンカリング効果とは?-行動経済学理論の実践法解説1

アンカリング効果とは、アンカー(錨)が海に沈んでつないでいる船を引っ張るように、ある情報が人の思考に影響を与えることをいいます。 たとえば、電気自動車のテスラの新車価格がどのくらいか知ってますか? 答えは、コンパクトラグジュアリーセダンのモデル3で約600万円弱くらいです(2023年3月ネット調べ)。 これって高いと思いますか?安いですか? 一般的な解答は「高い」かもしれません。 でも、1千万円くらいするポルシェのオーナーはどう感じるでしょう? もしかすると、ポル