この記事は18禁じゃないです!カリギュラ効果-行動経済学の理解と実践37
アダムとイブが禁断の果実を手にしてしまったことでエデンの園を追放されたことから人間の歴史が始まりました。禁じられたものに対する抑えられない願望は人間の本能の一部と言えるのかもしれません。
今回の記事は、禁じられると余計に手を出しなくなるカリギュラ効果についてです。
カリギュラ効果とは?
カリギュラ効果とは、ある事柄を他者から禁じられるとそのことに対するフラストレーションが増幅してやりたくなる衝動が起きることをいいます。
昔、アメリカで「カリギュラ」という過激な内容の映画があって、見てはいけないと禁止されたのがかえって興味を引き起こしてしまったという現象からきています。
「心理的リアクタンス」という心理学の用語と同じ意味ですね。
昔話の「鶴の恩返し」も「開けるな」と言われた玉手箱を開けてしまいましたよね。
ちなみにに、リアクタンスについて、以前に解説したナッジの手法であるデフォルトとの関連についても触れておきます。デフォルトは選択で困らないように事前に選んだ状態にしておくものです。
しかし、あまりに選択してもらいたい側に利益がでるような選択肢をデフォルトにすると、「リアクタンス」が作用し別の選択をしたくなります。
このようにデフォルトと心理的リアクタンスはオモテ・ウラの関係ともいえます。
マーケティングへの活用
「1人2個まで」とかの数量限定などもカリギュラ効果で「もっと欲しい」と思わせる効果があるとされています。
大人が子供の時には実現できなかった「大人買い」もこのカリギュラ効果ですよね。
「プロ野球チップス」の箱買いなんて、子供の時は絶対親が許してくれなかったけど、大人になってその時の抑圧が解放されたからできる所業です。
また、日清食品の「0秒チキンラーメン」も同じです。
ベビースターラーメンが好きな人は、一度は、「チキンラーメン」をそのまま(全部じゃなくても)食べたことがあると思います。
でも塩分とか考えると健康に悪いと思いますし、自分の中の理性によって「チキンラーメンはかじってはいけない」と制御しています。
そのような心理的抵抗に抑えられていた人にとって「まるかじりできるチキンラーメン」はまさに理想的に背徳感を感じることができる食品といえるでしょう。
まとめ
禁止されるとやりたくなってしまうカリギュラ効果について説明しました。
「プロ野球チップス」の例のように子供の時できなかったことを大人になってできるようになるという時代を経ても「いつかやってみたい」という思いは残り続けます。
ルールの範囲内ではありますが抑えられた願望を解放する手段をビジネスの中に取り込んでみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただき有難うございます。
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