顧客のメンタルアカウンティングを理解する意義とは?-行動経済学の理解と実践6
なんの苦労もせずに手にしてしまったお金のことを「あぶく銭」っていいます。
ギャンブルなどで不意に入ってきたお金は使ってしまった方がいいみたいな考え方は昔からあります。
お金に色はついてないのに色をつけて使い方を決めてしまうことをメンタルアカウンティング(心の会計)といいます。
ギャンブルで稼いだお金は、リスクの高いものに使われてしまう傾向があることからハウスマネー効果と言われています。投資の世界でも同じことが言えて、株で稼いだお金はよりリスクの高い投資へ向けられる傾向があります。
スポーツジムを毎日のお風呂に利用しているという人がいます。光熱費が節約されていると考えることでジムの月会費を払うことに対しての抵抗を和らげているのです。ジムの会費と光熱費は別の会計ですが、メンタルアカウンティングで重ね合わせることで会費支払への納得を行っています。
メンタルアカウンティングのビジネスにどう活用する?
メンタル・アカウンティングに目を向けて実際に様々なビジネスモデルが存在しています。
クレジットカード会社の”ボーナス一括払い”のオプションは顧客が少し大きい買い物でも「ボーナスで払えるならいいか」という考えから心が大きくなることを期待しています。
他にも、2万円くらいはかかるだろうと思っていた料金が1万5千円だった。その時、5千円分浮いたという喜びを感じます。そのタイミングを見計らって、5千円の別の使い方を提案してあげれば、購入してもらえる確率が上がるといつ活用方法もあります。
どこの会計から出ているのかを理解することが重要
マーケターとしては、自社の製品・サービスは顧客の心の会計のどこから支出されているのかを知ることが重要です。なぜなら、その会計グループの中で競合するだけでなく協力することも可能となります。
例えば、美容・健康関連に関連するものを考えてみましょう。サプリメント、健康食品、サロン、スポーツジム、家電商品など様々なものが同じグループ内に入ってきます。
ある顧客の美容・健康に使える金額が月2万円だったとします。その2万円を奪い合うのではなく、全体の商品・サービスの上手な使い方を提案してあげることができれば顧客満足の向上も図ることができるでしょう。
やはり、まずは顧客のメンタルアカウンティングの中身を具体的に検討することが重要です。
まとめ
メンタルアカウンティングを理解すれば顧客の支出への納得感を高めることができることができます。そのためには自社の顧客タイプ(ペルソナ)を把握して何にどれくらい使うのかを把握ましょう。
ペルソナについては以下の記事をご参照ください。
参考図書
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