保守or革新?答えはバランスです。MAYA理論-行動経済学の理解と実践13
マーケティング・マネジメントで語られるものにイノベーター理論があります。
革新的な新商品が市場に投入されると最初に飛びつく少数のイノベーター、そして、しばらく経って購入するアーリーアダプター、普及段階に入るマジョリティ(アーリー、レイト)、そして、最後に購入するラガード(遅滞者)と分類されます。
イノベーター理論は、製品戦略や顧客別アプローチなど活用の領域は広いですが、この記事では「イノベーティブな製品にすぐに飛びつく顧客は少ない」という点だけにフォーカスしてみましょう。
人は本来、保守的な気持ちと革新的なものへの好奇心への両方を持っています。イノベーター理論でいうとイノベーターのレイトマジョリティ両面を一人一人が持っているということです。
そのことを行動経済学的に説明してものがMAYA理論です。MAYAとは、Most Advanced Yet Acceptableの略で、最も最先端だけど受け入れられる、という意味です。
Advancedは、革新的であるかですが、人は革新的で驚きを与えてくれるものに対して好奇心を持って接します。
一方で、Acceptableは受け入れられるです。人は知っているもの馴染みのあるものに安心感を持っています。ザイアンス効果(単純接触効果)といって、最初は引かれてなかったものでも接するうちに好きになっていくという心理的現象からも説明がつきます。
つまり、受け入れてもらうためには、革新性と馴染みのバランスが重要だということです。
MAYA理論は、製品デザインやプロモーションによく取り入れられています。飛び抜けて革新的な製品には、コミュニケーションに馴染みのある要素を取り入れてみるとかです。
日清食品の面白CMはMAYA理論が理由?
カップヌードルのCMは、ここ数年、奇抜さが目につきます。
製品にも色々と工夫を凝らしていまして、カップヌードルの味のコラボ、カレーめし、高タンパク低脂肪のカップヌードルPROなど、面白い商品が出てきています。
しかし、CMの奇抜さにはいつも驚かされます。
とにかく目を引く、ノイズを上げるというSNS時代にマッチした戦略である思います。
一方で、日清のカップヌードルという非常に馴染みのあるブランドであり、競合も非常に多い中で製品自体には革新性はそれほどあるとは言えません。そこで、あえて、奇抜なCMで革新性を追求しMAYA理論で言うところのバランスをとることに成功しているのではないかと考えます。
まとめ
MAYA理論についてとマーケティング施策への応用の可能性について説明しました。新しいものと古いものをうまく組み合わせてバランスをとることが顧客に受け入れられるヒントとなりますので、ぜひ、検討してみてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?